後期高齢者医療広域連合議会 8月定例会①特別会計補正予算案(質疑)伊藤建治議員(春日井市)(2017年8月16日)

【特別会計補正予算案の質疑】
保険料軽減判定におけるシステム誤りで保険料を課誤徴収された人への対応は
             伊藤建治議員(春日井市)

保険料の徴収誤りの内訳を示せ
【伊藤議員】国が作成した電算処理システムの不備で、保険料軽減判定の設定誤りで、保険料を過大、あるいは過少に徴収していた事に対応するための予算措置について質問します。
    電算処理システムの不備は2016年12月27日に厚生労働省が発表。厚労省は2008年の制度発足時からの不備を2011年には把握していたが、問い合わせに個別対応するのみで放置してきたが、システム改修しなければ正しい保険料の計算ができないので発表に至ったという。保険料の追加徴収や還付加算金の内訳、人数と一人当たり影響額を問う。

後期高齢者医療制度の保険料軽減判定誤りによる保険料の過大・過小徴収について(2016年12月27日厚生労働省)
【事案の経緯および概要】
 後期高齢者医療広域連合の電算処理システム(以下「標準システム」)の設定に誤りがあり、2008年の後期高齢者医療制度の発足以来、世帯主又は本人が青色申告を行っている被保険者の一部に、保険料の均等割部分の軽減判定が誤って行われ、本来納付すべき金額と異なる保険料が賦課されてしまうシステム設計となっていました。
 ※対象となるのは、次のいずれの条件も満たす被保険者(おおむね被保険者の約 0.13%、保険料総額の約 0.05%)
 (1)世帯主、本人又は本人以外の被保険者である世帯員が、青色事業専従者給与を支払っている、又は、年金収入(65歳以上の者の課税対象となる年金に限る)が120万円を超える青色申告者
 (2)本人が、後期高齢者医療制度の加入の直前に協会けんぽなど被用者保険の被扶養者でなかった
 (3)所得を再計算した結果、均等割の軽減区分が変更となる
 このシステム誤りは、2011年以降の保険料の正しい計算方法に関する問い合わせをきっかけに認識し、以来、厚生労働省では、標準システムの改修は行わず、問い合わせのあった広域連合に対して正しい計算方法を個別に回答するなどで対応してきた。
 しかし、システム上の対応を行わない限り、広域連合で正しい保険料賦課を行うことは実務的に困難と判断し、保険料の計算方法に関するFAQの修正等解釈の徹底を図ったうえで、これまでに誤って保険料を賦課された方の抽出とその方の修正賦課について応急的な対応を行うとともに、標準システム自体の改修を行うこととしました。

増額は401名で総額708万円余、一人当たり1万7,668円。減額は1,245名で総額2,973万円、一人当たり2万3,883円
【管理課長】補正額の788万3千円の歳入増及び4,033万5千円の歳出増は、一部の市町村で軽減判定所得の修正が完了していないため、同等規模の市町村の更正額や修正が完了している年度の更正額を参考に見込むなどして積算した。そのため、影響人数等は、平成29年7月までの保険料賦課状況に基づく数値になる。
 保険料が増額となった被保険者は401名で総額708万円余の影響、一人当たりの影響額は1万7,668円です。保険料が減額となった被保険者は1,245名で総額2,973万円余の影響、一人当たりの影響額は2万3,883円です。
 還付加算金は、保険料を過大に収納した年月日及び収納日ごとの過大収納金額を把握することが煩雑であるため還付金総額を基に推計しており、影響人数及び一人当たりの影響額は見積もっていない。

徴収や還付の遡及期間や方法は
【伊藤議員】不備は2008年から。徴収や還付の遡及期間はどう対応し、徴収と還付の方法はどうするか。

増額分は2年分、減額は発足時(2008年度) まで遡及する。個別訪問などをお願いする
【管理課長】保険料の徴収に係る時効は高齢者の医療の確保に関する法律で2年と定められており、増額分は2年を超え遡及して賦課されることはない。保険料の減額は、制度発足時の平成20年度まで遡及して更正する。
 保険料の徴収及び還付方法は、個別訪問などで、迷惑をかけしたことをお詫びし、保険料が過大の被保険者には速やかに還付を行い、保険料が過小の被保険者には個別の事情を伺いながら説明を尽くし、理解をいただいた上で本来納付すべき保険料の徴収を行うよう、市町村にお願いしている。

愛知県広域連合から厚労省に問い合わせをしたのか
【伊藤議員】2011年から各広域連合から厚生労働省に対して、正しい計算方法についての問い合わせがあったとのことでしたが、愛知県の広域連合からは同様の問い合わせを行ったのか。

国への問い合わせは行っていない
【管理課長】今回判明した保険料の軽減判定誤りについて、国に対して問い合わせを行った実績はない。

誤請求のすべてに戸別訪問する予定か(再質問)
【伊藤議員】増額が401件、減額が1245件と、かなりの件数ですが、すべてに戸別訪問する予定なのか。

市町村に実施の判断を委ねる
【管理課長】戸別訪問は、広域連合から各市町村にお願いしている。徴収事務は市町村の責務とされているので、市町村に実施の判断を委ねています。いくつかの市町村に確認を行ったところ、保険料が増額となった対象者に戸別訪問を行うと聞いている。

追加の徴収方法はどうするのか(再質問)
【伊藤議員】追加で保険料を頂かなければならない方には、分割納付や、保険料に上乗せして、少しずつ収納するとか、徴収方法はどうか。

生活状況等を十分に把握したうえで、きめ細やかな対応を行っていただく
【管理課長】保険料の分割納付や各月の保険料に上乗せしての支払いについては、市町村で判断されることとなるが、生活状況等を十分に把握したうえで、きめ細やかな対応を行っていただけるものと認識しています。

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