青木ともこ議員の個人質問 西区役所跡地問題(2018年3月6日)

耐震性がないということで8年前に建て替えた旧西区役所の解体と跡地活用に区民の知恵を生かせ

青木ともこ議員

移転後も旧庁舎を8年間も放置。西区役所跡地活用の見通しは
【青木議員】西区役所跡地は、国道22号線押切交差点の北西にあり、2010年1月に庁舎の移転新築が完了しましたが、旧庁舎の解体と跡地活用について、具体化が進まず、すでに8年が経過しました。
 その間、近隣住民からは「いつまでこのままなのか」と心配の声が相次ぎ、地域の有志の方々が行った住民アンケートで、跡地活用について最も回答が多かった「介護や子育て支援などの福祉施設」とあわせて、「住民意見を聞く機会をつくること」が地域要望としてまとめられ、2013年本市に提出されました。
 これを受けて、当時の西区長は西区役所の跡地活用については、地域要望をふまえて、「特別養護老人ホームなどの社会福祉施設への活用」を明言しましたが、その後の進展がなく、住民に対する状況の説明もないまま、さらに5年が過ぎ、

旧 西区役所

現在に至っています。そこで市民経済局長にお訊ねします。
 西区役所の跡地活用について、この8年間で、どのような議論や検討が行われたのでしょうか。解決に向けた見通しはいかがでしょうか。8年を要している理由とあわせて、具体的にお答えください。

 

現 西区役所

住民要望に沿って、関係局と調整をすすめている(市民経済局長)
【市民経済局長】旧西区役所は1969年に竣工され、1997年に実施した耐震診断の結果で、Ⅱ-2の判定を受け、かつ建物の老朽化が著しいことから、交通裁判所跡地に移転改築をすることし、2010年1月に現庁舎に移転した。
 跡地は、2011年度に公有財産運用協議会で審議し売却することに決定した。しかし、2013年度に、地域から売却後の施設は福祉関係の施設を優先すること、との要望をいただき、関係局との調整を進めている。

調整になぜこれだけの時間がかかっているのか(意見)
【青木議員】西区役所跡地は売却が決定されたなかで、地域の要望に沿った利用目的となるよう、関係局との調整を進めているとのお答えでしたが、その調整になぜこれだけの時間がかかっているのか、何が課題となり、その解決に向けてどのような努力が図られたのか、その経緯がいまのお答えのなかには見えてまいりません。

倒壊・崩壊の危険性。すみやかに撤去し、更地にすべき
【青木議員】西区役所の旧庁舎は、建築から50年近くが経過しており、耐震性評価はⅡ-2、「地震の震動や衝撃で倒壊し、または崩壊する危険性が高い」という状態です。
 そのうえ、有害なアスベストの使用も確認されています。西区役所の移転は、旧庁舎の耐震補強などによる現地での建て替えが困難との判断があったためです。
 また、敷地内は地下水が多いため、年間を通じて自動ポンプで随時くみ出しているという現状です。
 このような状態の建物が8年もの間、事実上放置されてきたのです。「危ないから早く取り壊すべきだ」という声が、近隣住民ばかりでなく、西区内の各地で広がっております。
 地域の要望を踏まえた跡地活用については、検討課題としても、まずは、危険な状態の建物をすみやかに撤去し、周辺の安全を確保することが、住民に対する本市の責任ではないでしょうか。
 西区役所の旧庁舎が安全上放置出来ない状態にあるという認識をお持ちでしょうか。旧庁舎はすみやかに解体撤去し、更地にすべきと考えますがいかがでしょうか。

仮囲い、定期的見回り等で安全性を確保している(市民経済局長)
【市民経済局長】旧庁舎の安全対策は、仮囲いを設置し、定期的に見回りを行う等、安全性を確保しています。引き続き地域の要望に沿った利用目的となるよう、関係局と調整を進めます。

大地震が起きた場合、アスベスト飛散の危険性は(再質問)
【青木議員】私が問題にしているのは、大きな地震が起こった場合にどうなるのか、そのことであります。耐震性が非常に低い旧庁舎で、地震による倒壊または崩壊が起こった場合、アスベストが飛散する危険性はないのでしょうか。

一概には答えられない(市民経済局長)
【市民経済局長】現状、旧庁舎のアスベストは飛散しないような状況にある。国土交通省の技術助言によれば、旧庁舎の状況であれば、違法に建築されたものや劣化が放置されたものでない限りは、震度5弱程度の地震に対しては損傷が生ずる恐れは少なく、倒壊する恐れはないということです。
 なお、旧庁舎が倒壊した場合という仮定の質問ですが、地震の規模や長さ、地盤の状況等により、建物への影響は様々ですので、一概には答えがたい。

跡地利用が決まらなければ撤去しないのか(再々質問)
【青木議員】旧庁舎は現状のままでも大丈夫だと、そのような認識であることが今の答弁でわかりました。そもそも、旧西区役所の庁舎は、1997年に実施した耐震診断で、Ⅱ-2という判定を受け、建物の老朽化が著しいことが判明していました。
 区役所の移転は安全確保のためであったはずです。引っ越したのはよいのですが、危ない建物はそのままになっている。これは問題ではありませんか。本来なら、引っ越しが完了したと同時に、その後の跡地利用いかんに関わらず、周辺の安全確保のために、旧庁舎の撤去に取りかかるべきでした。跡地利用が決定されない限り、旧庁舎は撤去しないのでしょうか。

どのような福祉施設がふさわしいか調整したうえで、売却する(市民経済局長)
【市民経済局長】西区役所の跡地利用は、地域から福祉関係の施設を優先することとの要望書をいただいており、どのような福祉施設がふさわしいかを関係局と調整し、売却したい。

地元住民向けの公式説明は一度もない。説明の場を設ける考えは(再々再質問)
【青木議員】西区役所跡地の活用について、検討状況や旧庁舎の安全性などをおたずねし、改めて、本市の現状認識が確認できましたが、地元のみなさんに対しては、このような公式な説明は、まだ一度もなされていません。
「西区役所跡地がどうなるのか」。それは、地域のみなさんにとって、長年の懸案です。西区役所跡地を取り巻く課題については、情報を積極的に公開し、地域のみなさんの疑問に答えていくことが、いま強く求められています。
 最後にうかがいますが、西区役所跡地の活用のあり方について、地元住民からの要望があれば、本市として説明する場などを設ける考えはおありでしょうか。

売却が決まったら報告する(市民経済局長)
【市民経済局長】2012年度に地元学区連絡協議会等で売却について説明を行いましたところ、2013年度に地域より福祉施設を優先することとの要望を頂戴した。
 跡地利用は既に地域の要望を受けているとの認識ですので、利用目的に沿えるよう関係局と調整を進めたい。なお、売却決定の際には、跡地利用の方向性を地元に報告する。

利用決定前に、住民との意見交換の場を設けるべきだ(意見)
【青木議員】売却決定の際には地元への報告をするとのことですが、一体いつになるのでしょうか。関係局との調整に、これだけの時間がかかっているのですから、この問題は、市役所庁内だけで抱え込むのではなく、地域のみなさんに対し、何が課題になっているのかを明らかにし、その方策について、住民のみなさんとの意見交換の場を設けることが必要だと考えます。
 そして、安全上問題がある旧庁舎はどうすべきなのか、このことも地域の意見や要望を聞きながら、真摯に対応していただきたいと思います。
 そのような場を、利用決定がされるより前に、本市の責任で設けていただくことを強く要望いたしまして、質問を終わります。

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