後期高齢者医療広域連合議会 2022年8月定例会 2021特別会計決算での質疑(春日井市・伊藤議員・2022年8月22日)

軽減特例の改悪などの影響は大きい。短期保険証発行などはやめるべき

軽減特例の縮小による負担増は

【伊藤議員】2021年度は、軽減特例が縮小され、これですべて軽減特例は廃止されました。今決算では低所得者の均等割の軽減、7.75割軽減が7割軽減の本則へと縮小されました。影響を受けた人数と割合、影響額をおたずねします。

一人3657円、全体で6億7千万円

【管理課長】2021年度確定賦課の内容で答えます。影響を受ける被保険者は、世帯主及び世帯の被保険者全員の所得の合計額が43万円以下の世帯でその世帯の被保険者の年金収入が1人でも80万円を超える世帯、18万4,285人、被保険者全体の約18.5%です。被保険者1人当たりの影響額は7割軽減と7.75割軽減の差額3,657円で対象者数18万4,285人を乗じた6億7千万円余が全体の影響額となる。

一人当たり医療費はどうなったのか

【伊藤議員】予算では、一人当たり医療給付費は、前年度比100.97%の見込みとされていましたが実績はどうか。医療費ベース、給付費ベースそれぞれの額と伸び率をお尋ねします。

医療費で3.22%増の94万円、医療給付費で3.37%増の87万

【給付課長】2021年度の1人あたり医療費は948,916円、2020年度の919,273円と比較し3.22%の増加となっている。2021年度の1人あたり医療給付費は872,202円で、2020年度の843,735円と比較し3.37%の増加となっている。

高額介護合算療養費の執行率が低いのは

【伊藤議員】高額介護合算療養費の執行率が77.53%と低くなっています。過去3年の推移と今決算での執行率が低い理由をお尋ねします。

コロナによる受診控えの影響か

【給付課長】執行率の過去3年の推移は、2019年度97.57%、2020年度87.22%、2021年度77.53%。執行率が低い理由について、2021年度の予算額は前年度比11.5%増の13億306万円でコロナ禍前の2019年度に過去の支給実績に基づく伸び率を用いて見込んだが、決算額は前年度比0.89%減の10億1,025万9,660円となった。2021年度に支給した高額介護合算療養費は主に2019年8月から2020年7月までの診療に係るものなので、コロナによる受診控えの影響もあったのではないか。

短期保険証の発行件数は

【伊藤議員】短期保険証の発行件数の推移、2021年度は、所得別内訳をお尋ねします。

2022年3月末で39市町村の686人、所得58万円以下が396人

【管理課長】短期保険証の発行件数の推移及び発行している自治体の過去3年間の各年度末時点における状況は、2020年3月末現在713人、37市町村、2021年3月末現在641人、38市町村、2022年3月末現在686人、39市町村です。
 短期保険証を発行している被保険者の所得別内訳を保険料の算定に用いる所得金額から基礎控除額を控除した金額、いわゆる「旧ただし書き所得」でいうと、2022年3月末現在の短期保険証交付者686人のうち、旧ただし書き所得が0円は275人、58万円以下が121人、58万円超、200万円以下が229人、200万円超、400万円以下が51人、400万円超、600万円以下が7人、600万円超が3人です。

短期証発行自治体が増えている(再質問)

【伊藤議員】発行自治体が39市町村と毎年一つずつ増えている。新たに発行した自治体は、これまでと対応が変わったのか、たまたまそれまで該当する人がいなかったものか。

集計時で増1減1、新たな発行は1自治

【管理課長】短期保険証を発行している自治体数は、2022年3月末現在で39市町村、2021年3月末と比較して1増。集計時点での該当者の有無による増減では増1減1で、2021年度からの新増は1自治体です。

発行自体をやめるべきではないか

【伊藤議員】短期保険証の発行は広域連合全体としてやめるべきです。短期保険証を発行するか否かは自治体の判断にゆだねられ、約1/3の自治体では発行していません。約3割にあたる、15の市町村が短期証の発行をしていません。保険証は通常のものを送付し、収納対策は、それはそれとして行っている。これが適切なやり方ではないかと思います。とくに、医療の必要度の高い高齢者であり、保険証の有無は命に直結する話です。
 広域連合全体として、短期保険証の発行は行わずに、収納対策を進めてはどうか。

収納対策の一つとして適正に実施

【管理課長】保険料徴収事務を担う市町村で個々の生活状況に即したきめ細かな収納対策を行っており、その収納対策のひとつとして短期保険証を活用し、納付相談の機会を設け、保険料の納付に繋げるために交付しているもので、短期保険証の運用は、適切に行われている。
 保険証の有無は命に直結するという懸念だが、短期証も通常の保険証としての機能を有しており、医療給付を適切に受けることに特段の支障はない。

差し押さえの状況は

【伊藤議員】保険料未納者に対する、差し押さえの件数と、金額、内容をお尋ねいたします。

192件2,564万円

【管理課長】2021年度の差し押さえの件数は192件、合計金額は25,641,393円です。差し押さえた財産としては、預貯金、年金、不動産、動産、国税等還付金、生命保険などです。

生活状況などを勘案した差し押さえか(再質問)

【伊藤議員】差し押さえの件数は192件、合計金額25,641,393円とのこと。前年より少し増加しています。差し押さえに当たっては、生活状況など勘案して見極めているのか。生活に支障が出るようなことは起きていないか、確認をいたします。

収納対策は適切に対応してい

【管理課長】差し押さえは市町村が行う収納対策の一つであり、納付相談等を行い、生活状況等を十分に把握したうえで、収入・資産等があるにもかかわらず、なお保険料を納めない被保険者に対して行っている。差し押さえにより日常生活に不便や痛みを伴うこともあるが、日常生活が脅かされるようなケースは起きていない。今後も、市町村と連携し、適切な対応がなされるよう努める。

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