3月6日  岡田ゆき子議員の個人質問

能登半島地震を踏まえ 女性の視点に立った避難所運営を

2月定例会本会議で岡田ゆき子議員は、今年初めに起きた能登半島地震を踏まえた対策について質問しました。

避難所生活で直面する女性特有の困難さ

防災会議の女性構成比はわずか17%

 能登半島地震発災から2ヶ月が経過しました。電気・ガスはほぼ復旧していますが、断水はいまだ続いており、1万人を超す人たちが避難生活を強いられています。
 岡田議員は、「災害時には様々な困難に直面するが、男性と女性ではその困難さの質や度合いに大きな違いがある。過去の災害でも、高齢者・障害者とともに、乳幼児や妊産婦、シングル女性、中高生など若年女性が厳しい現状に置かれてきた」と指摘。人の目を気にして着替えができない、また、性暴力被害等、困難に直面しても、声を出すことをためらい、あきらめてしまう等、重大な問題が発生していると述べました。

 その上で岡田議員は、地域の防災会議への女性の参加率はわずか17%にとどまり、2025年までに40%以上とする目標に至っておらず、避難所運営にも同様の状況があると強調。避難所での女性の困難について、「災害対策等を決定する場に女性の参画が少ないため、女性の視点で対策が講じられてこなかったことに原因がある」と指摘しました。

避難所レイアウトに専用スペースの配置を

 岡田議員は女性の視点を取り入れた対応として、女性の方が男性よりもトイレに要する時間が長く避難所の女性用トイレに長い列ができることから、男女のトイレの数は1対3の割合で決めることが必要だと主張。群馬県のぐんま男女共同参画センターが作成した「避難所レイアウト例」(上図参照)などに触れ、女性専用の洗濯・物干しスペースや更衣室、妊産婦・乳幼児室など安心・安全のためのコーナーを、あらかじめ避難所の配置図に明示すべきだと提案しました。

「女性視点でのスペースの明示は必要」(局長)

 これに対し防災危機管理局長は「能登半島地震における避難所の状況を踏まえ、女性視点で必要となる機能・スペースを局として位置づけ、レイアウトに明示することは有効。個別の指定避難所の施設レイアウトを地域住民や学校関係者と区役所で協議していけるようにしたい」と答弁しました。
 岡田議員はさらに、避難所生活の長期化を想定し、学校施設にある調理場、家庭科室の活用を明記すべきだと提案。局長は「食事を提供するためのスペースとして位置付けたい」と答えました。
「倒壊する可能性がある」木造住宅 5万4千戸も  能登半島地震では多くの木造住宅が倒壊し、人的被害はもとより、道路封鎖によって消火活動や支援物資の運搬等へ大きな影響を及ぼしました。
 名古屋市内の木造住宅は、2020年度末の推計値で341,600戸あります。市は木造住宅の耐震化を促進するため、旧耐震基準(1981年以前)の木造住宅の無料耐震診断や耐震改修工事助成(費用の5分の4以内で上限額最大100万円)などをすすめてきましたが、耐震性が不十分とされる住宅は54,700戸も残され、約16パーセントは「倒壊する可能性がある」状況です。

耐震助成の増額 「一部損壊」への独自支援を

 岡田議員は「木造住宅の耐震化がすすまない最大の理由は費用負担が重いことにある」と指摘。物価高騰が続くなか耐震をすすめるために、助成額を引き上げるよう迫りました。
 住宅都市局長は「指摘のとおり、改修が進まない要因として最も大きいのは、所有者の費用負担が大きいことだ」と認めながらも、「低コスト工法などの普及をすすめたい」などと答弁。岡田議員は「低コスト工法による価格の抑制は1~2割程度。改修を後押しするために再度を」と求めました。
 岡田議員はまた、被災者生活再建法では支援対象にならない「一部損壊」に対し、市独自の支援制度をつくるよう要請。健康福祉局長は「発災時には国の制度を基本としたうえで、必要時に拡充も検討する」と述べ、災害が起きたら対応するという姿勢を崩しませんでした。
 岡田議員は「助成を行っている政令市もある。引き続き委員会でも取り上げていきたい」と述べました。

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