日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2009年9月3日発行

9月2日 財政福祉委員会 江上博之議員

市民税減税具体案なし
議論つくして庶民減税実現を

9月2日の財政福祉委員会は、河村たかし市長が出席して市民税減税条例案の質疑が行われましたが、財政局提出資料では、「減税の制度設計」「恒久的な市民税減税の実現可能性」について、「検討中」とされるなど十分な議論ができず、またも継続審議となりました。

2ヶ月たっても資料が出てこない

江上議員は、「福祉・医療の充実、景気・雇用の回復、行政のムダをなくすために、良いものは推進、悪いものはキッパリ反対する。庶民減税、住民参加拡充は賛成だ」としたうえで、「7月6日に要求した非課税者への施策、カネ持ちはゼロの具体策、行財政改革というものの具体的内容の3点について資料が今回も無く、質疑できない。一方で、市長は市民に、『来年4月から平均1.5万円減税する。議会で通してもらわないと困る』と話しており、論議をしないままで民主主義的でない」と厳しく批判しました。

減税の目的は「市民生活の支援」といいますが、納税義務者の過半数が減税額1万円以下です。民主党議員からは「税額3千円以下の人が300円程度の減税ならやめよと言っている」との批判が出されました。ましてや、約40万人の非課税者への施策は今回も具体策の提案はありません。

「3万人の市職員が1社ずつ企業誘致」(市長)

市長は、自民党議員の質問には、「法人市民税減税を行い、3万人の市職員が1社企業を呼び込めば増収になり、さらに減税できる。税金を安くして企業と人が集まる」と答弁しました。また、自民党議員の「高額所得者を減税すれば名古屋に移住して税収が増える」との主張には、「悩ましい問題」と答えました。一方、江上議員は市内中小企業の振興策がないと指摘しました。

扶助費15%、物件費30%の予算カットを各局に指示

来年度減税実施に向けて、各局に扶助費15%、物件費30%の大幅な予算カットが指示されていることが分かりました。市民税減税には237億円が必要で、健康福祉局63億円、子ども青少年局41億円、緑政土木局38億円、教育委員会37億円など大ナタです。市長は、「福祉もムダがないわけでなく、人件費も削る。必要なものは削らない」「絶対に来年4月から10%減税する」と発言するだけです。

「減税基本方針条例」の概要

【目的】

現下の経済状況に対応し、市民生活の支援及び地域経済の活性化を図るとともに、将来の地域経済の発展に資するため

【規模】

市民税収入額のおおむね100分の10

【財源】

事務事業の見直しその他の徹底した行財政改革の推進による歳出削減と、歳入確保に最大限努める

【実施時期】

個人・法人とも平成22年度分から

名古屋市の個人市民税納税義務者・控除対象配偶者又は
扶養控除対象者・非課税者 h20年度見込(人)

納税義務者 控除対象配偶者又は
扶養控除対象者
非課税者
1,104,857 736,942 397,665

 

個人市民税納税義務者の税額区分別人数

税額(所得割+均等割) 人数 構成比(%)
3千円以下 42,802 3.9(累計3.9)
3千円超5万円以下 268,564 24.3(28.2)
5万円超10万円以下 283,335 25.6(53.8)
10万円超20万円以下 289,411 26.2(80.0)
20万円超50万円以下 177,412 16.0(96.0)
50万円超100万円以下 30,591 2.8(98.8)
100万円超200万円以下 8,963 0.8(99.6)
200万円超500万円以下 3,149 0.3(99.9)
500万円超 630 0.1(100)
合計 1,104,857 100

例えば税額3千円(均等割のみ)の方は300円の減税になります

法人市民税の税額区分別納税義務者数 h20年度見込

税額(法人税割+均等割) 社数 構成比(%)
5万円以下 44,207 49.3(累計49.3)
5万円超50万円以下 33,836 37.7(87.0)
50万円超100万円以下 4,007 4.5(91.5)
100万円超200万円以下 3,043 3.4(94.9)
200万円超500万円以下 2,456 2.7(97.6)
500万円超1,000万円以下 1,107 1.2(98.8)
1,000万円超5,000万円以下 911 1.0(99.8)
5,000万円超 199 0.2(100)
合計 89,766 100

減税額は納税企業の約半数が5千円以下、大企業には・・・