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2005年3月11日発行

経済水道委員会(3月7、9日)村瀬たつじ議員・かとう典子議員

豊田毎日ビルに入るトヨタグループにも補助金
大企業優遇の補助金は必要ない

ポスト万博・空港をにらみ、経産省などがすすめる「グレーター・ナゴヤ・イニシアチブ(大名古屋経済圏)」構想のもと、新年度予算案では、外資系をふくめた企業誘致のための補助金が創設されています。経済水道委員会では、名駅など都心部のオフィスビルに初進出する企業を助成する「都心部事業所開設促進助成」について、村瀬たつじ議員とかとう典子議員がただしました。

都心部のオフィスビル入居に補助金


2007年完成予定の
豊田毎日ビル(左)と牛島南ビル

「都心部事業所開設促進助成」は、都心部(名駅・伏見・栄)に市内で初めて進出する企業に対し建物賃借料の3ヵ月分(限度額300万円)を助成するものです。2007年には、豊田毎日ビルや牛島南ビルなどのオフィスビルが開業しますが、これらのビルに入居する企業も、一定の条件を満たせば助成の対象となります。

かとう議員は「オフィス床面積は、豊田毎日ビルが9万5千平方メートル、牛島南ビルは11万5千平方メートルといわれており、この2つのビルだけで、100坪の事務所なら数百社が入る計算になる。トヨタの本社機能にあわせて全国から関連企業がやってくる。市内初進出が100社だとしたら、それだけで3億円の助成金だ。この2つのビルに、いったいいくらの補助金を予定しているのか」とただしました。当局は「どんな企業がやってくるかわからないので算出はできないが、この助成金は豊田毎日ビルなどだけではなく、伏見や栄のオフィスに進出する中小企業へ助成しようとするものだ」とこたえました。

来ることが決まっていても企業誘致?

村瀬議員は「豊田毎日ビルや牛島南ビルは、トヨタグループ関連などで、ほとんど入るところは決まっている。既に来ることが決まっている企業に対しても、企業誘致だといって助成するというのは、補助金のバラまきだ」と厳しく追及しました。当局は「基準にあっていれば、豊田毎日ビルに入るトヨタグループだからといって排除することはできない」と認め、制度の矛盾が明らかになりました。

このほか予算案には、工場・研究所の新増設の初期投資に総額10億円まで助成するなど、大企業優遇の産業施策が盛り込まれています。

青年の就職難
大企業に雇用の責任を果たさせよ

深刻な青年の就職難やフリーターや「ニート」とよばれる青年が急増するなか、新年度予算案には「若年者就労支援事業」が盛り込まれました。しかし、その内容は、親子向けセミナーやカウンセリングなどにとどまっています。

村瀬議員は「若者の非正規雇用が増加しているという診断はただしいが、対策が『青年の意識』だけでは不十分だ。採用抑制など企業側の要因の方が大きいのだから、企業に雇用の責任を果たさせるよう市として働きかけるべきだ」とせまりました。経営者協会などとの意見交換の場で啓発しているとこたえる当局にたいして「意見交換だけでなく正式に申し入れるべきだ」ともとめました。

また、かとう議員は「講座などの一時的な取り組みだけでなく、日常的な相談窓口が必要だ。『ヤング・ジョブあいち』にも市の窓口を設けてはどうか。また市としての職業訓練制度を検討せよ」ともとめました。