日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2006年8月1日発行

8月1日 経済水道委員会 黒田二郎議員


名古屋城本丸御殿復元
増税・負担増の中 急いでやることか

経済水道委員会では「特別史跡名古屋城全体整備計画(案)」と名古屋城本丸御殿の復元について審議されました。

たった19人のパブリックコメント

5月10日から6月12日に行われたパブリックコメントには19名49件の意見が出されました。日本共産党の黒田二郎市議は、「19人では少ない。これで市民の声を聞いたとするのは早計だ」と追及。当局は、「学術的で難しいのでこれぐらいか。これから盛り上げる」と答えました。黒田議員は、「増税などで負担増の中、市民には復元計画に反発の声もある。何を優先するか、再検討するべきだ」と批判しました。

本丸御殿の前にやることがある

全体整備計画(案)では本丸御殿以外に天守閣の耐震改修工事、石垣の修復工事なども計画されています。しかし、黒田議員は「石組みが一部崩落している二の丸庭園や、天守閣の耐震改修工事、地盤沈下による建物への影響が懸念される西南隅櫓などは、本丸御殿の復元より優先する事項ではないか。今年度予算には盛られているのか」と質問。これに対し当局は、「今年度の予算措置はなく、石垣などは長期にわたりすすめたい」と答弁しました。

市民からの寄付は約2億円―「寄付の強要しない」(市)

黒田議員の質問で、寄付総額6億1,200万円から名城博の利益分などを引くと、市民や団体からの寄付は約2億円しかないことがわかりました。黒田議員は「気運が盛り上がっていない。寄付の強要はやらないと思うがあえて確認したい」との追及に対し、当局は「強要は絶対しない」と答えました。

寄付の区分も、千円単位の「御殿募金」以外は表(3)のように変更する予定です。また、8月10日には5万円以上の高額寄付者に謝意を示す「名古屋城本丸御殿の集い」が税金を使って市内のホテルで行われます。

 

<表(1)>特別史跡名古屋城全体整備計画(案)の事業スケジュール

短期計画(概ね15年以内を目途に事業着手)
区分 前期 後期
本丸御殿 ・設計、活用運営計画検討
・復元工事
・復元工事
西南隅櫓 ・調査、設計
・修復工事
・修復工事
天守閣 ・調査、設計
・耐震改修工事
・耐震改修工事
二之丸庭園 ・調査、設計
・保存整備工事
・調査、設計
・保存整備工事
石垣 ・修復工事 ・修復工事
障壁画 ・保存修復 ・保存修復

 

<表(2)>寄付の状況(06年6月末の件数及び金額)

(単位:件、千円)
年度 件数 金額
2002 (名古屋城整備積立基金より) 69,994
2,624 61,654
2003 817 28,457
2004 362 24,173
2005 (名城博からの寄付含む)830 381,616
2006 680 46,416
合計 5,313 612,310

 

<表(3)>見直しされた寄付の区分

  新区分
柿募金 一般3千円、中学生以下1千円に。
瓦募金 「匠募金」に変更。1万円で募金者証発行
金具募金 やめる
檜募金 5万円以上芳名板記載。記念日募金に記念証発行。
襖絵募金 やめる