1986年4月に発生したチェルノブイリ原発事故は、北半球を放射能で汚染し、国境を越えて幼い子どもの生命を奪った。阪神・淡路大震災とチェルノブイリ原発事故を重ねて考えると、東海地震と浜岡原発の問題点がはっきりと浮かび上がってくる。まさに、この国の存亡がかかった重大な問題である。浜岡原発震災は絶対に起こしてはならないものであり、何としても浜岡原発震災を未然に防ぎたいと考える。
切迫しているマグニチュード8クラスの巨大な東海地震が、浜岡原発の直下20キロメートルの至近距離で発生することは、政府公認の事実である。これは原子炉立地審査指針に反しており、浜岡原発の安全審査が完全に誤りであることを示している。
また、阪神・淡路大震災の惨事は、日本の安全神話を崩壊させた。しかし、驚くべきことに、政府は、浜岡原発は耐震設計審査指針に従って設計されており、東海地震によって破壊されないので浜岡原発の東海地震防災対策は必要ないとしている。政府に国民の生命を守るという正常な安全感覚が欠如していることは明白である。原発の設計と施工・運転管理とが著しく乖離していることは、たび重なる想定外の事故が証明している。
7月初旬、札幌市で行われた国際会議で、東海地震の最も詳しい研究者である茂木晴夫・石橋克彦両地農学者が、浜岡原発は極めて危険であると社会問題に踏み込んで異例の警告をされた。それに対して、中部電力は政府と同様の見解を述べ、耐震安全性は十分あり、政府の予測に解らして大丈夫だと反論した。しかし、浜岡原発は調べれば調べるほどひび割れと不正な隠ぺい工作が明らかになっている。このような浜岡原発が地震防災対策の全くないまま、今まさに切迫した巨大な東海地震に襲われようとしている。
ついては、浜岡原発震災を未然に防ぎ、住民を放射能災害から守るため、貴議会が次の事項を内容とする意見書を経済産業大臣に提出されるようお願いする。
- 浜岡原発震災を未然に防ぐために、中部電力に対して浜岡原発全基を一刻も早く停止するよう勧告すること。