田中せつ子議員の議案外質問と答弁
敬老パスについて現行制度の継続を願う市民の気持ちがわかるか市民の多くは、現行の敬老パスを望んでいることが、世論調査やアンケートから伺えます。また「敬老パスの現行制度を守れ」の市民の署名活動も全市的に行われております。「今は寝たきりだが、もう一度元気になって、敬老パスを使ってみたい。だから宝物のように枕元においてある」「寝たきりになりたくないから敬老パスを使って毎日福祉会館に通っている」など敬老パスがこんなに役立っていると言う高齢者や市民の声はたくさんあります。「うちのお祖母ちゃんの大事な敬老パスを取り上げないで」、と駆け寄ってきて署名をしてくれた高校生もいます。 このように、市民の願いは「敬老パスの現行制度を続けてほしい」という事ではありませんか。市長、あなたは敬老パスについて、市民の願いを認識していらっしゃいますか。 【市長】…(答えず) 公約や議会答弁に責任をもたないのか敬老パスについて、2001年市長選挙の法定2号ビラで「なかなかがんばる名古屋の福祉」と市長自ら評価し、「敬老パスを守る」と公約しています。2001年6月定例会では「後退しないように努めたい」、2003年6月定例会では「持続的・安定的に維持できるように検討したい」と少しずつ答弁が変わって、7月8日付の新聞には「『整合性やバランスなどを見ながら、市の福祉政策全体として見直しが必要か検討したい』と検討作業を進めている」とあります。 市長、あなたは、最近になって「見直し検討」を口にされていますが、選挙の公約に責任を持つのが、有権者に選ばれた政治家の務めです。市長はこれまでの公約や議会での発言に責任を持つべきではありませんか。敬老パスを現行どおり、責任を持って継続させていくのかどうか、お答えください。 持続的・安定的に維持できるよう検討中 敬老パスの効果は絶大わが市議団が調査した、有料化や所得制限を取り入れた他都市をみますと、東京都のシルバーパス。これは、もともと所得制限つきでしたが、99年にはシルバーパス発行割合は70歳以上の人口のうち71.8%でした。ところが2000年に有料化が導入され、3年間の経過措置によって毎年値上げされてきた経過があります。それによって、2万510円まで引き上げられ、2002年度にはシルバーパスの発行割合は47.8%と対象年齢者の半分以下になっています。 現行制度が65歳から誰でも利用できるパスだからこそ、消費の活性化・高齢者の社会参加や健康増進など、お金には換えがたい効果があると私は考えます。 現行制度の見直しをすることによって、敬老パスの利用者が減れば、こうした数々の効果が半減してしまうのではないでしょうか。 高齢者の社会参加の促進、健康づくり、閉じこもり予防などに役立つ 敬老パスで公共交通の利用度が高まる今年2月に調査した「第41回市民世論調査」の結果を見ますと、「公共交通機関を利用する」人で「バス」と答えた人は「60歳代以上」が高く、地下鉄やバスを利用する主な理由として「名古屋市の敬老パスを持っているから」が2番目に多いという結果が出ています。これをみるならば、公共交通の中で敬老パスが果たしている役割は、大変大きいといえます。 名古屋市は東京都に比べ、公共交通への依存度が低いと言われています。敬老パスを見直して、地下鉄・市バスの利用者が減れば、名古屋市の公共交通に大きな影響を及ぼしかねません。市バスの再編が進み、公共交通が不便になればなるほど、市民は車に頼らざるを得ません。 市長は「広報名古屋7月号」で「公共交通機関と自家用車の割合が3対7から4対6にしたい」と書いています。環境問題や街づくりから見ても、車より公共交通の割合を増やすことが、これからの名古屋市の課題と考えます。もし敬老パスの現行制度を見直し、敬老パスの対象者を減らすのなら、今まで敬老パスで公共交通を利用していた人たちが減ってしまいます。 公共交通の利用度を高めて行くためにも、敬老パスの役割はいっそう重要になっていると考えますが、市長はどのようにお考えでしょうか。 調査会の答申を踏まえ、具体化したい お金には変えられない役割がある現行制度の敬老パスの効果については認めていることがわかりました。しかし、市長は質問にまともに答えておりません。 現行の敬老パスを継続したほうが、経済効果や高齢者の健康増進等の効果は市民にとっても名古屋市にとってもプラス面は大きく、お金には変えられないと思います。また、公共交通を促進するうえでも、大きな役割を果たしていると考えますが、市長はそのことをお認めですか。 【市長】世論や東京の例をお聞きしました。見直したら公共交通に影響が出るのではないかとのことですが具体的にはわからない。敬老パスについては皆さんにいろんな意見をもらっている。全体のバランスの中で整合性がとれるよう検討していく。 現行制度を続けることを強く求める現行の敬老パスを続けることが、市民にとっても、名古屋市にとっても、計り知れない効果があります。現行制度を続けることを強く要望します。
向陽高校定時制の廃止について生徒や地域の声を良く聞いて向陽高校定時制は、向陽高校全日制に併設されている50年の歴史を持つ夜間の高校です。1学年1クラスではありますが、生徒や卒業生は家庭的であったかい学校だと言います。 現在100人を越える生徒が在学していますが、6月のはじめに突然、教育委員会は、2005年度から、中央高校昼間定時制は募集人数を増やし、向陽高校定時制は生徒募集を停止することを発表しました。 向陽高校定時制は、ここ数年間定員(40人)を超えるか、それに近い志願者がいます。 毎年入学している約40人の生徒たちは、経済的な事情で昼間働く勤労青少年は、もちろん、小中学校時代に不登校だったり、障害を持っていたり、全日制高校や専門学校を中退したり、今まで就学の機会が無かった高齢者や外国人労働者の子どもなど、さまざまな事情があって夜間定時制に通っています。小規模の学校だから安心して学べると生徒や父母はいいます。そういう中で、自分を取り戻し、育っていく生徒も大勢いると、先生方もおっしゃいます 向陽高校定時制を廃止にするにあたって、こうした生徒や父母の声を聞いたり、実態調査をしたりしたのでしょうか。教育長お答えください 地域に親しまれ、近いから通える学校市の中心部にある中央高校定時制は、地下鉄や中央線で通えるという利便性があり、昼間と夜間の2部制なのでニーズも高く、市内だけでなく市外からも通学している生徒がいます。市内においても、同じ中学からきている生徒が一人もいないぐらい、生徒が点在していています。 それに比べて、向陽高校夜間に通う生徒の「住居分布」をみてみますと、同高校のある昭和区在住が25人と一番多く、緑区、瑞穂区、天白の順になっています。「職場の所在地」についても昭和区で働く生徒が一番多く、緑区、天白区、千種区、瑞穂区の順になっていて、非常に地域性が高いことが示されています。 「障害があって遠い学校には行けないと思ったが、自宅近くに向陽高校定時制があったので4年間通うことができた」「仕事と学校の両立で大変だったが、職場の近くに学校があったので4年間通いとおせる事ができた」など卒業生の声を私は聞くことができました。 こうした声から考えると、生徒たちのニーズは定時制高校が、市民の身近な地域にあることを求めていて、向陽高校定時制は、その役割を果たしていると考えますが、教育長のお考えをお聞かせください。 働きたくても雇ってくれない向陽高校夜間廃止にあたって、教育委員会の議事録では、「平成15年度は入試倍率が1.28倍あるが、これらの受験者が中央高校夜間定時制に移行すると考えられるのか」という教育委員の質問に、当局は「向陽高校定時制課程は、昨年度97人が在籍しているが、このうち昼間に正社員として働いている生徒は8人、家業を手伝っている生徒は3人であり実態としては、昼間に通学するニーズが多いと考えている」と答弁しています。 確かに当局のいうとおり、向陽高校夜間生徒は正社員が男女合わせて8人で全校生徒の8%ですが、家業を手伝っている生徒、アルバイトをしている生徒を含めると、56,7%で、生徒の半分以上が何らかの形で働いています。残りの生徒は仕事を求めているという実態です。 また、私の調べたところ、この調査が中学校を卒業した段階で、1年生が仕事につけていない状況の5月に行われていて、8月にはアルバイトも含めて8割がたは仕事をしていることがわかりました。 アルバイトをしている生徒がなぜ多いのか、それは正社員になりたくても今の不況の中、正社員にはとてもなれないと言います。中卒でしかも定時制に通っているとなると、今は雇う企業はほとんどありません。残業ができないため、企業側が嫌がるので、定時制に通っていることを隠して仕事を探している生徒が多いのです。卒業するときには何とか正社員になることを希望していても、ほとんどの生徒が正社員になれずに卒業するそうです。 「子どもたちが苦しい経済実態であることを実感している」と、向陽高校に限らず定時制の先生方はおっしゃいます。 このような声や実態を考慮するならば、向陽高校定時制に毎年入る、約40人の生徒にとって、中央高校が単純には、受け皿にはならないと思いますが、教育長はどのようにお考えでしょうか。お答えください。 「生徒の多様性を認める」はいうだけ文部科学省の教育改革の動きによって、今、高校教育が大きく変わろうとしています。 それによって、名古屋市内の県立夜間定時制高校の統廃合計画も進められようとしています。名古屋市も2002年12月、「今後の市立高校の在り方研究会議」において「研究のまとめ」を出しました。それによると「市立定時制高校の募集状況や通学範囲等も勘案しながら、中央高校を軸に市立定時制高校の統合を図り、定時制高校の中核とすることが望ましい」とあります。 生徒の多様性を認め、個性を尊重する教育と言われている現在、50年間、営々と続いた向陽高校定時制に、たとえ40人でも希望する生徒がいるならば、廃校にするのではなく、続けることが重要ではないでしょうか。教育委員会はどのようにお考えですか。お答えください。 仕事をもってない生徒がほとんど 教育改革の一環だ 夜間定時制の存続をもとめる中央高校昼間定時制は、定員80人増やし、夜間商業科の40人と向陽高校夜間定時制40人を廃止すると、あわせて80人削減されることになります。総枠の定数に変わりはないわけです。しかし、中央高校昼間に毎年100人以上の生徒が入学できない状況が続いています。中央高校の昼間定時制を80人増やして、現在昼間定時制を希望しても入ることのできない生徒のニーズにはある程度答えられても、中央高校夜間商業科の生徒と向陽高校夜間定時制の80人は行き場を失うのではないでしょうか。教育長お答えください。 昼間を増やした
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