わしの恵子議員の議案外質問 名古屋のものづくり支援について中小製造業者の実態を認識せよ名古屋市が2000年に実施した「工業統計調査」によると本市の製造事業所数は13,873事業所で、1995年と比べ14.1%の減少となりました。 私は、この間、西区の中小田井学区、平田学区、浮野学区にある町工場を訪ね現状をお聞きしました。 一言で言えば、まさに町が「悲鳴をあげている」と実感しました。どこを訪ねても「まったく不景気だ、やっと仕事を取っても下請け単価を下げられ、もうかるどころではない。大手のように設備投資にお金をかけられないから勝てない」「輸入品がどんどん増えて見通しがない」「従業員を減らしたので自分が工場で働くことが増えて、営業に回れず新しい取引先を開拓できない」等々悩みを訴えられます。 このままでは、名古屋の経済を支えている中小零細企業がまちから消えてしまうのではないかと心配しますが、市長は名古屋の中小業者がおかれている今日の実態をどのように認識していますか。 技術的な優位性の確保が重要 製造業の全事業所を対象とした実態調査を製造品出荷額全国一を誇る愛知県、その中核を担っているのは名古屋市ですが、名古屋経済の基幹産業である製造業、ものづくりのまち支援策について伺います。 ものづくり支援にはまず、行政が業者の実態を知ることから始まります。 現在、市が行っているのは、実態はサンプル調査にすぎませんが、全国では中小企業対策として、全事業所調査の取り組みを行っている自治体があり、注目されています。 全国最悪クラスの経済の落ち込みとなっている大阪市は、昨年、政令指定都市としてはじめて2万件を越える全製造業者を対象にした実態調査を行いました。その結果をもとに、「大阪市ものづくり再生プラン」にまとめ経営支援・技術支援のできる「ものづくり支援センター」をつくる準備がされています。 東京墨田区は、全国に先駆けて全事業所実態調査を行い企業のデータベース化をはかり、調査に基づいた区としての具体的支援施策を次々と展開していきました。 その他、東大阪市の全事業所実態調査もすばらしい施策の展開につながりました。東大阪市の製造業調査ではホームページの有無を聞いて、それを集め、「技術交流プラザ」というホームページを開設しました。経営者が営業に出られなくても新しい取引先からの受注に結びつけるものとなっています。アクセス件数は30万件と全国一のサイトとして注目されています。 さらに京都市でも今年度、製造業約9200社の全事業所実態調査が実施されています。以上、全国ではこのように自治体による全事業所調査の取り組みが始まっています。 いずれの自治体においても調査を経験した自治体職員からは「中小企業に対する認識が高まった」、中小企業者の方々からも「新しい仕事確保につながった」と大変喜ばれていると聞いています。 本市において本気で中小企業の支援をやる気があるのならこうした施策に学んで、まずは製造業の全事業所を対象とした実態調査に取り組むべきだと考えますがどうでしょうか。 年2回の景況調査を実施 全事業所に足を運んで実態調査を製造業の全事業所調査については、相も変わらず年2回の景況調査を実施しているからよいというお答えです。この景況調査は、市内の中小企業2000事業所が対象で、郵送によるアンケート調査です。今年5月に行った調査では、回収率は40.3%の806件、そのうち製造業は325件です。約13,000事業所の中でわずか325事業所。しかも対面によって直接事業所の悩みや意見を聞くものではありません。これでは中小業者の実態をつかんでいるとはとうていいえません。 そもそも景況調査は、景気が良くなったかどうか判断するためのものであり、中小業者の声を聞いて、業者の支援をするためのものではありません。 全事業所の実態調査を行い、それを基にデータベースを作って業者の仕事おこしなどがすすむように市が中小業者を支援すべきです。もう一度伺います。私がお聞きしているのは、サンプル調査ではなく全事業所に足を運んで実態調査を行うということです。 中小企業の実態を把握することは重要 ものづくり中小業者に対する支援を先程、西区の町工場の状況を述べましたが、私は中小業者支援策として、具体的な施策を提案します。先日も業者の方々とお話していたら、こんな要望が出されました。「この近くの工場地帯だけみても130軒ほどの機械加工の工場があるが、高性能の設備に変えたいと思っても困難。そこで空き工場を利用して市が最先端の加工機械を設置してそこには専門の指導員を置いてもらって利用者が材料を持ち込み、機械を使用させてほしい、もちろん使用料を払うから」と熱をこめて訴えられました。 そこでお聞きします。名古屋の“ものづくりのまち”を再生するよう、市が最先端の加工機械などの設置をし、指導・相談活動を行い、業者が気軽に利用できる共同加工センターをつくるなど具体的な支援策を進める考えがあるかどうかおたずねします。 工業研究所の活用を 共同加工センターなどが必要だ工業研究所を積極的に活用すればよいというお答えでしたが、私が求めているのは、工場が集積しているところ、例えば西区の先程のべた地域で、事業者が気軽に利用できるような共同加工センターなどをつくってほしいということです。この提案については、今後真剣に検討していただくことを強く要望します。
《大型店舗の出店から中小商店を守る問題について出店規制が必要だ大店法が廃止され、2000年6月1日に施行された「大規模小売店舗立地法」のもと、新たな大規模小売店の進出がつづいています。 本市では、立地法が施行されてからこれまでに新設の大型店の届出件数は26件、その内10店舗はすでに出店し、イオン熱田ショッピングセンターのように、45,000m2と巨大なところもあり、商業地図が塗り変わる程はかりしれない影響を及ぼしています。 さらに今後、サッポロビール工場跡地や東芝工場跡地などにも、2万m2を超えるものが計画されるなど、まさに名古屋は大型店進出ラッシュという実態です。 立地法の下で変更届もこれまでに130件にも及び、大半が深夜営業など営業時間の延長です。首都圏で何かと物議をかもしている大型総合ディスカウントストアー、ドン・キホーテは、中川区のホームセンターが閉店した後、今年8月19日に本市で初の24時間営業の大型店として出店しました。変更届を出してわずか20日後という早さです。 その他にも現在、大店立地法審議会で審議中のマックスバリュ中川清川店は24時間営業で届出をしており、このマックスバリュは港区、北区でも今年度24時間営業の届出を行っています。 大型店の進出によって、深刻な不況の中で生き残りをかけてがんばってきた小売商店が、一層深刻な事態においこまれています。市内小売商店数は昭和54年をピークに減少し続けていますが、特に減っているのは従業者数が4人以下の小規模店です。商店街振興組合数も平成10年〜14年度の間に13も減少しました。 中小商店・商店街は、地域経済をささえ、コミュニティの役割を果たす、住民のよりどころとして市民にとってなくてはならない大切な場所です。 いま、本市に求められていることは、地域の歴史・文化を感じさせる中小小売店や商店街の振興をまちづくりの柱とし、商店の営業を守るために本気になって対策をとるべきだと考えます。 立地法の範囲内で行なう 現行法で限界なら改正を求めよ大型店の出店から中小商店を守る問題について、結局答弁では大店立地法の下では独自の規制もできない、立地法の枠の中で周辺住民の生活環境を守るように働きかけているだけで限界だということですね。 そこで市長にお聞きします。 市長は2年前の市長選挙のとき「選挙戦で街に出て商店街が想像以上に疲弊していることを知った」と語ったと当時の新聞が報道していますが、2年経って市長の認識はどうでしょうか。私は、さらに商店や商店街が疲弊していると思うのですが、「立地法」の下で限界というならば、国に対して「大型店の身勝手な出店、撤退を規制するルール」をつくるように求めるべきと思いますがお答え下さい。 立地法を適正に運用していく 商店街自身も「消えてしまう」と杞憂 大型店についてですが、先日の中部経済新聞で市商店街進行組合理事長が対談の中で大型店問題について述べられていますので紹介します。「大店立地法の施行で近年、大型店の出店は規制緩和のなのもと急速に進行しています。加えて年中無休、営業時間の延長もあり、いわゆる企業論理優先による活動などにより、結果として弱者いじめではないかと心配しています。規制緩和は時代の流れといえども、そこには一定のルール、社会的な規範があってしかるべきで、このまま放置すれば、高齢化時代を迎えた今日、身近な買い物の場、地域生活、文化の担い手である街・商店街が消えてしまうのではないか、真剣に考える時代に入ったと思っています」と語っています。
東海豪雨から3年、被災者支援について災害援護資金の返済について甚大な被害をもたらした東海豪雨から3年になりました。 私は、被災された皆さんのところを時々訪れお話を伺っています。被災地では一見すると元の暮らしを取り戻したように見えますが、いまでも「災害は終わっていない」と痛感します。 新川の決壊によって、水やヘドロに浸った床など家屋の修復には、いまなお頭を痛めておられます。「豪雨で着る物から日常生活品も自動車もだめになった。何もかも失って、床や階段の修理まで回らず、応急処置で済ました。いまになって床や階段の板が湿気ではがれ修理に多額の費用がかかった」「今年8月の台風10号や梅雨時の大雨の夜は眠れず、夜中に何度も新川の状況を見て回っていた」「あのとき、災害援護資金を借り受け、必死で生活の立て直しにがんばったが、いよいよ返済が始まります。苦しい生活の中でどうやりくりしようかと頭を悩ませています。」と口々に語られました。 そこで健康福祉局長にお伺いしますが、災害援護資金の返済については、弾力的な運用を取り入れいただきたいと考えますがどうでしょうか。 毎月分割も可能にした 災害復旧資金について被災地域では町工場もたくさん被害を受けましたが、名古屋の地域経済を支えてきた中小企業の被災者への支援策として、災害復旧資金融資が実施されました。 融資を受けたある機械加工業者の方は、「新川の決壊場所の近くの事務所が1.5mも浸水し、完成商品がすべて泥水に浸かりダメになった。機械も壊れ、約900万円の融資を受け、必死に返済もしている。しかし不況で先の見通しがもてない。あと4年で返済しなければならないので頭が痛い」、また、自動車の修理業者の方は、「車両の買い替えや機械購入で融資を受けたが、返済するのが四苦八苦。いつまで続けていけるのか」と不安の声を上げられておられます。東海豪雨後、営業が続けられず廃業おいこまれたため、空き工場、空き地が目立ち、深刻さを物語っています。 市の中小業者への災害復旧資金貸付件数は、1,071件、133億円を超えていますが、貸付を受けた業者の方は、いま述べたように、被災を受けながらも立ち直ろうと一生懸命、仕事の確保に努め、身を粉にしてがんばっている方々ばかりではないでしょうか。 大変な不況と甚大な豪雨被害で二重の苦しみの中、名古屋の地域経済を支えてきた中小業者が、何とか営業を続けていけるように暖かい手を差し伸べていただきたいと考えます。例えば、「災害復旧資金の返済期間の延長」などを検討するつもりがあるのか、市民経済局長におたずねします。 そもそも新川の決壊は、庄内川の河川整備が全国平均よりも大きく遅れていたこと、新川流域の総合治水対策も立ち遅れていたことが原因だと訴訟も始まりましたように、行政の責任も大きく問われていると思います。 豪雨災害を二度と起こさないため、国、県、市が一体で安全なまちづくりをすすめることはもちろん、被災者には手厚い支援をすべきだと考えます。そういう立場に立っておこたえ下さい。 返済猶予や返済期間の延長などで対応
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