議案外質問(9月17日) かとう典子議員
愛歯連から市長の後援団体に1200万円の献金
大型店出店規制・シックスクール問題
《企業・団体献金に対する市長の姿勢について》
愛歯連から市長の後援団体に1200万円の献金
【かとう議員】名古屋市会は、昨年に続き、今年また、市会議員が、逮捕起訴され、辞職するという、大変恥ずかしい事件がおきました。日本歯科医師連盟からの団体献金を、買収資金に使われたと言うものです。また、こうした日歯連マネーをめぐっては、自民党旧橋本派のヤミ献金も、大問題になっております。
議員やその後援団体が、企業や団体からお金を受け取れば、その企業や団体の利益のために働くことに、なりかねません。これでは公正な姿勢を貫けません。わが党がずっと主張しているように、私は、金権腐敗の根源である、企業・団体献金は、禁止すべきと考えます。
そこで市長にお尋ねいたします。
昨年11月定例会の 道路清掃談合汚職事件に関わる、わが党のさとう議員の質問に対する答弁で、市長は「特定業者、あるいは 関係の業者からのパーティ券の購入、こういったことには極めて抑制的に対処してまいりたい、できれば断ってまいりたい」といわれました。
それでは、松原市長の支援団体である チャレンジ21・名古屋の会が、2001年2002年の政治資金収支報告書によれば、愛知県歯科医師連盟から 1200万円の団体献金を受けていますが、市長はこの点について どのように認識されているのか。日歯連マネーが大きな問題になっている今、私は、返すべきではないかと思いますが、市長の答弁を求めます。
法にもとづき適正に処理されている(市長)
【松原市長】政治資金規正法では、政党を除く個人および政治団体からの寄付、あるいは理念や市政の施策を推進するための寄付を行うことが認められている。指摘の件は、私の政治理念、施策をご理解頂き政治団体が受けたものである。政治団体の設立趣旨にのっとり、総合的に判断され、法律に基づき適正に処理されていると聞いている。
献金は返しなさい(意見)
【かとう議員】本市で昨年から立て続けに起きている不祥事件について、市民は政治不信を募らせています。私は、愛知県歯科医師連盟からの献金は返すべきであるということを申し上げておきます。
《大型店と有松駅前市街地再開発事業に関わる諸問題ついて》
大型店出店規制について
【かとう議員】昨年9月の議会においても、我が党のわしの議員が立地法の元でも 本市が独自の規制を行うべきだと 取り上げておりますが、その後何の対策もとられず、大型店の出店が相次ぎ、市内の小売店舗面積の6割を大型店が占めるまでになりました。先日も中区の大型店の営業時間延長の説明会では、商店街の方々が多数つめかけて24時間営業に反対の声をあげ、名古屋市は何らかの手を打つべきではないか と言う声をあげておられました。
この問題は、都心部に限られたものでなく、私の住む緑区もふくめて、いま市内全般に大型店が出店し、しかも、24時間ないしは20時間等と、深夜に及ぶ営業により、中小小売店は大きな打撃を受け、商店街も衰退の一途であります。これは、安心して住みつづけられることのできる街づくりという点から見ても、重大な事態です。今や高齢者が増え、車に乗らなくなった高齢者世帯の人々は近くに小売店がなくなり、日々の買い物にも大変不便を強いられているところも、少なくありません。私は、先日、経済産業省へ要望を持って行ってまいりました。国も立地法ができて5年経ち、大型店が地域に社会的な影響を与えていることは認識しており、大型店がどのようにしたら地域と共存できるか について、指針見直し作業を進めているといわれました。
そういう時にこそ、市独自の規制を 早急に行うべきではないでしょうか。
法の趣旨に反する規制はできない
【松原市長】大型店問題について、大型店の周辺地域、生活環境の保持を目指した大規模小売店舗立地法が施行されている。本市は、その法律に基づき交通問題や騒音などの生活環境への配慮について、大型店の出店規制は、この法律の趣旨に反するため行うことが出来ない。
有松駅前市街地再開発事業について
商業棟への地元商店街利用者の駐車スペースの確保を
【かとう議員】有松駅前は、市の施行の第1種市街地再開発事業であり、総事業費280億円という巨大な資金を投入して進められてきました。しかも権利変換者はごくわずかであり、住民の多くは 新たな土地に移転を余儀なくさせられたというのが この間の経過であります。このような状況の中で今回駅前ビルに入る 大型店の出店の申請がなされました。売り場面積は15000平方メートル余。営業時間は午前5時から深夜1時までというものです。このような長時間の営業は、地域の既存の商店の営業を圧迫するのみでなく、青少年への影響といった点からも 問題が生じやすいのではないかと懸念されるところです。
そこで第1点目に、有松の名鉄沿線には歴史ある古い町並や、新しい商店街などが取り巻いております。しかし、これらの商店街には駐車場のスペースがほとんどありません。地域からも要望が出ていますが、地域の商店街の活性化を図るためにも、こうした駐車場のスペースを持たない地元のお店や商店街を利用する方々に 再開発ビルの駐車スペースを確保するべきと考えますが、この点について、本市はどのように考えるか答弁を求めます。
運営者との協議しだい(市民経済局長)
【市民経済局長】有松駅前市街地再開発事業では、キーテナントの撤退で、地元組織による駐車場の取得・運営が困難となった。これに伴い、後継キーテナントに賃貸する予定にしている。地元の皆様方の要望は、運営者側との協議事項であると考える。
周辺道路の渋滞解決策を
【かとう議員】公共交通の未整備な緑区においては、移動手段は自家用車が多く、有松駅前周辺の朝夕のラッシュは、渋滞が続いているような状態です。名鉄の踏み切りは、高架の予定もなく、周辺は生活道路ですから、大型店が出店した時には、いっそう交通渋滞に拍車をかけ、環境悪化になるのは明らかです.
こうした問題について、本市はどのような対策を考えているのか。
経路案内で緩和する(住宅都市局長)
【住宅都市局長】都市計画道路有松線は、現状においても時間帯によっては車の滞留が見受けられ、商業施設のオープンや土日などの混雑時には、さらに増加するものと思わる。有松駅前再開発ビルは、歩行者連絡橋の設置などにより、鉄道利用者にとっても利便性の高い施設となっていることから、車以外の利用者の需要が見込まれる。有松地区は、市街地再開発事業や土地区画整理事業の他、周辺の道路網等の整備など一体的な都市計画事業として施行されており、車利用者へは経路案内等を行うことにより渋滞を緩和させることができると考えております。
《シックスクール問題について》
実態調査の実施を
【かとう議員】私は昨年の夏、あるお母さんからこんな相談を受けました。
昨年4月に新設された小学校に転校した4年生のお子さんのことです。それまで元気いっぱいであったお子さんが、重い咳症状から、喘息になり、頭が痛い、気持ちが悪い、体がだるいと訴え、夏なのに手足が冷え、体温が下がってしまい35度にもならなかったりで、寒い寒いと青ざめる子どもをあわててコタツで温めたり、寒い冬でも寝汗をびっしょりかいたり、友達と遊んでも息切れするほど体力がなくなるという症状になり、医者に行っても原因がわからず、途方にくれていたところ、シックスクールではないかとお母さんは気づいたそうです。そのお子さんのご両親は、学校や教育委員会に相談され、一定の対応をされてきたところであります。
シックスクール問題とは、学校施設に起因する、ホルムアルデヒド等の化学物質に汚染された室内空気にさらされることによる健康被害で、シックハウス症候群と呼ばれる病気であり、学校に通えなくなった子どもの、教育を受ける権利に関わるとして、いま全国各地で問題になっています。
このお子さんは、身の回りのあらゆる化学物質にも反応し、気持ちが悪くなるようになり、化学物質過敏症になってしまって、東京まで専門の医師に診断を下していただき、学校を転校することができました。しかし、転校しても、新しい教科書やドリルのインクのにおいにも弱く、今は、古い教科書を上級生から貸してもらい、ドリルはコピーをして使っています。その上、有害な化学物質が含まれている床ワックスや樹木消毒薬、においのきついトイレのクレゾールによって、学校の敷地にも入れない事態にまでなっています。
学校内での空気調査の安全基準値は、学校保険法に基づく、学校環境衛生基準で定められていますが、建築基準法における化学物質の安全基準の数値と同じで、大人の男性の基準です。大人の基準を子どもに当てはめることが、健康への負荷もそれだけ大きいのではないでしょうか。
こうしたシックハウス症候群、化学物質過敏症にかかったのは、一人だけでしょうか。緑区内の小学校には、他にもアトピー性皮膚炎が大変ひどくなり強い抗生物質の薬も効かない程だという子、鼻血が頻繁に出る子、ヘルペス皮膚炎になって直らない子などいると聞いています。
原因が特定されないとか、症状の現れ方はそれぞれ違うとかで、シックスクール症候群と特定することは大変難しく、専門の医師も名古屋にはいないので、東京まで検査、治療に行かなければなりませんが、これこそ子どもの健康に関する重大な問題です。一旦、化学物質過敏症になってしまうと、大人になってもずっと苦しまなければならないのです。子どもたちの将来の仕事の選択にもおおきな影響があります。
そこで教育長に3点質問いたします。
名古屋市では、すでに教室等の空気について、全校検査を実施されていますが、学校で、化学物質に過敏に反応する子ども、原因がわからないが体調不良で苦しんでいる子どもたちが、存在すると考えます。空気の検査だけでなく、子どもたちの被害についても、実態調査をすべきですが、当局の答弁を求めます。
個々に対応している(教育長)
【教育長】各学校におきまして、担任が日ごろから健康観察を行うとともに、全職員で情報交換をしております。また、保護者と学校との間で連絡帳を活用したり、児童生徒個票で子どもたちの生育歴等の様子を確認したりするなど、様々な場面で健康状態の把握に努めている。
床ワックスと消毒薬は安全なものを
【かとう議員】又、有害な化学物質を含む床ワックスや樹木消毒薬は、化学物質過敏症の子どもの居場所を無くすものです。また、今は症状の出ていない子どもたちの健康を守り、すべての子どもに教育を受ける権利を守るために、有害な化学物質を含まない安全なものに替えるべきと考えますが、答弁を求めます。
厚生省基準の物を使っている(教育長)
【教育長】教室等の床ワックスや 便所清掃などの消毒などに使用する製品や薬品は、厚生労働省が示す基準に適合したものを使用しているところです。なお、こうした薬品の使用に 際しては、使用する時間や時期、その範囲などを配慮することも肝要であると考えております。
マニュアル策定と教職員への周知徹底を
【かとう議員】さらに、埼玉県などでは、県独自でマニュアルを策定し、子供たちの対応に当たっています。本市でも、マニュアルを策定し、教職員の方々に研修やPRなどにより、周知徹底を図るべきではないでしょうか。
文科省の「学校環境衛生管理マニュアル」を配布(教育長)
【教育長】マニュアル策定と教職員への周知につきましては、文部科学省発行の「学校環境衛生管理マニュアル」に、空気中の揮発性化学物質についての留意事項等の記載がございますので、本年度それを全校に配布して周知を図っております。また、現在改訂を進めております「名古屋市学校保健の手引き」には、シックハウス症候群の対応についての内容を書き加え、教職員の理解が一層深まるよう働きかけてまいります。
同級生や職員の努力をいかせ(再質問)
【かとう議員】有害な床ワックスを使ったために、子どもさんは教室に入れなくなりました。その後1人だけでもいいと、自分だけ別の教室に行くからと、そのお子さんは言って、1人で勉強していました。それを見た担任の先生や子どもたちは、そちらの教室に移動してその部屋で過ごしています。その間、子どものお母さんは教室に行ってワックスをとるために教室の水ぶきに通いました。それを見て先生方も協力して水ぶきをするという苦労をされています。有害な化学物質を含まない床ワックスはあります。あるのですから、ぜひ安全な床ワックスを使っていただきたい。
きめ細かい対応をしたい(教育長)
【教育長】床ワックスについては、先ほども答弁したように、使用している製品薬品は厚生労働省が示す基準に適合している物なので使用している。議員から化学物質を含まない物を使用すべきとの指摘を受けたが、使用する時間・時期、その範囲などに配慮するよう、学校に指導したい。いずれにしても、きめ細かく対応していくよう配慮していきたい。
有害物質のないものを使用しなさい(要望)
【かとう議員】基準に合っているといっても、大人の体に合う基準でしかありません。それでは、子どもの体は守れません。有害化学物質を含んでいては、子どもの体にいいわけはありません。含んでいないものについてぜひ、検討することを要望します。
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