9月議会に受理された請願・陳情

9月定例会には下記の請願・陳情が受理されました。審議は10月〜11月の閉会中委員会で行われます。

◆請願

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成16年
第17号
平成16年
9月17日
教育基本法改正ではなく、教育基本法に基づく施策を進めることを求める意見書提出に関する請願 自由法曹団愛知支部 黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産)

2003年3月20日、中央教育審議会は、「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について(答申)」を遠山文部科学大臣に提出した。また、2004年6月16日、自民党、公明党の与党教育基本法改正に関する協議会は、「教育基本法に盛り込むべき項目と内容について(中間報告)」を発表した。

しかし、教育基本法は、憲法の保障する教育にかかわる権利を実現するために定められた教育法規の根本法であり、準憲法的な性格を持つ法であると考える。戦後、さまざまな問題を抱えながらも、義務教育の保障、僻地教育や定時制・通信制教育、障害児教育の改善等がなされたのは、同法の理念を実現すべく努力が積み重ねられてきたからであり、改正には慎重であるべきである。

しかるに、与党の中間報告は、前文の「憲法の精神に則り」という文言を削除する方向を示し、教育の目的から「平和的な国家及び社会の形成者」という文言を意識的に削除し、教育の目標に新しく「公共」及び「郷土と国を愛し」あるいは「大切にし」という文言を盛り込むなど、愛国主義・国家主義を盛り込もうとするものであり、憲法の理念とは相入れないものである。このような改正がなされれば、教育のなされる過程において、、憲法第19条の保障する内心の自由に抵触するおそれは大きい。また、教育の中立性を教育行政の中立性に改正することは、国家及び地方自治体権力の教育への介入を許容するものであって、到底認めることはできない。

本来の教育の目標は、子どもたち一人一人の人格の全面的な発展を実現することにあり、そのためには、子どもたちの学習権と人権を学校内で尊重すること、一人一人の子どもの自律性と人格が大切にされることが最も大切である。このような視点は、まさに教育基本法の理念・視点であって、ここからも教育基本法の正当性は明らかであり、そのためには、教育の中立性確保が不可欠である。

今求められているのは、拙速な教育基本法の改正ではなく、教育基 本法の理念や精神を十分に生かした教育を実施すること、すなわち子どもの権利を基本に据えて、少人数学級の実現、教育施設の充実、財政的援助の拡充等の諸条件の整備を行うことである。

ついては、貴議会が次の事項を内容とする意見書を政府、国会及び関係行政庁に提出されるようお願いする。

  1. 教育基本法の見直し・改正を拙速に行わないこと。
  2. 教育基本法を学校や社会に生かす施策を進めること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成16年
第18号
平成16年
9月29日
小規模作業所、小規模適所授産施設の充実及び成人期障害者施策の充実を求める請願 きょうされん愛知支部 黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産)

障害のある人たちの地域生活や労働と活動の拠点として大きな役 割を果たしている小規模作業所に対する名古屋市の補助は、2年連続の削減となった。

また、法に基づく施設である小規模適所授産施設については、加算が実現されたものの支援費施設との大きな格差は解消されていない。

これでは、地域で小規模作業所運営に努力する関係者は希望を持つことができない。

支援費制度が施行されてから1年余が経過し、制度的な問題はあるび成人期障害者施策の充実を求めるものの、障害のある人たちは居宅支援を利用して生活の幅を広げ、地域での自立的な生活を実現しつつある。しかし、国においては財政間題のみが強調され、介護保険との統合が進められつつあり、制度的な後退への危倶が増大している。

さらに、平成16年度に予定していた施設整備に国庫補助がつかないといった事態が判明するにつれ、障害のある人々、家族、関係者の不安と怒りは頂点に達している。

ついては、障害のある人たちも同じ市民として、安心してこの名古屋で生活することができるよう、次の事項の実現をお願いする。

  1. 新設作業所への運営費補助を12カ月分に回復すること。
  2. 支援費施設に対する市単独の補助について、減額することなく、平成15年度の水準を維持すること。
  3. 平成16年度に予定していた施設整備について、協議したすべての補助を採択することを求める意見書を貴議会が国に提出すること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成16年
第19号
平成16年
9月29日
堀川の浄化促進と堀川掘削に関する福島正則の功績の周知を求める請願 港区住民 山本久樹(民主)

平成22年(2010年)に名古屋城は築城開始400年を迎える。現在市内の中心部を流れる堀川は、名古屋城築城工事の着手の際に福島正則が徳川家康の命を受けて掘削工事を担当し、完成させた。

福島正則は、肖像画が東京大学に所蔵されており、また福島正則にゆかりのある日本号という名槍が福岡市博物館に展示されるなど、全国的に知名度の高い武将であるが、名古屋市においては、堀川掘削における功績等について市民への周知が不十分であるように感じる。

現在、市では堀川の総合的な整備を進めているが、これにあわせて堀川の浄化を促進するとともに、こうした歴史的経緯を踏まえて堀川擬制における福島正則の功績のより一層の周知を図るべきと考える。

ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 堀川の浄化対策の一方法として、堀川の水を公園等のスペースを利用して簡易浄化処理すること。
  2. 堀川の総合的な整備に取り組むに当たって、堀川掘削における福島正則の功績のより一層の市民へのPRを図ること。
  3. 堀川の総合的な整備の一環として、堀川掘削における功績の周知を図るため、例えば市民の寄付等により銅像を設置するなど、福島正則の功績を顕彰するものを堀川沿いに設置すること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成16年
第20号
平成16年
10月13日
向陽高校夜間定時制の平成17年度からの募集停止を延期することを求める請願 向陽高校夜間定時制を守る生徒・卒業生・保護者・教職員および市民の会 黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産) 冨田勝三(ロ) 斉藤亮人(と) のりたけ勅仁(ク)

名古屋市教育委員会は、平成15年6月3日、平成17年度から中央高校昼間定時制を拡充して、向陽高校夜間定時制の募集を停止すると発表した。今回の決定は、向陽高校夜間定時制で学ぼうとする生徒の人権を侵害するものである。

この間、教育委員会は廃校理由として、12月の中学校3年生の進路希望調査の結果、向陽高校夜間定時制の入学希望者は9人であり、定員である40人前後の入学者は元来昼間定時制希望者であるため、向陽高校夜間定時制が廃校になっても問題はないし、県立高校夜間定時制もあると一貫して答弁している。しかし、向陽高校夜間定時制入学者の内訳を見ると、12月の中学校3年生の進路希望調査の対象者には含まれていない不登校経験者、高校中退者などの中学校に通っていない子どもや高年齢の人など、多様な学習歴を持つ人が大半を占めている。進路希望調査に基づき把握したニーズをもって、向陽高校夜間定時制廃校の根拠とすることには無理がある。また、県立高校夜間定時制においても、定員割れが少ないため吸収しきれないと考えられる。平成17年度から募集停止になることがわかっているにもかかわらず、ことしも38人の子どもたちが入学して学んでいる。この学校で学びたいという子どもがいる限り、門戸を開くのが教育行政の仕事である。

中央高校昼間定時制の定員を80人ふやすから、定員40人の向陽高校夜間定時制の募集を停止し、中央高校夜間定時制の定員を40人減らすという計算には疑問がある。5年前中央高校に昼間定時制が開設されたときも、夜間定時制の入学者は減るどころか逆に増加した。

夜間定時制に入学して生き生きと学び、この学校に入学できてよかったといえる生徒がたくさんおり、いまだ夜間定時制が必要とされているにもかかわらず、納得できる説明がないまま廃校にされることには同意できない。教育委員会は、机上の数字だけでなく、夜間定時制で行われている教育、子どもたちの生の姿をしっかり見てほしい。

ついては、夜間定時制の廃校によって行き場のない生徒を出さないために、次の事項の実現をお願いする。

  1. 地域に根ざした向陽高校夜間定時制の平成17年度からの募集停止を延期すること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成16年
第21号
平成16年
10月13日
乳幼児医療無料制度の対象年齢拡大を求める請願 新日本婦人の会愛知県本部 黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産)

今、子どもをめぐる情勢は深刻である。孤立した子育て、生活の困窮、仕事の不安、管理と競争の学校教育、命の軽視の風潮の広がりの中で子どもの虐待など痛ましい事件が後を絶たない。確かで、温かな子育て支援が求められている。

今、一人の女性が生涯に産む子どもの数は平均1.29人で、戦後最低になっている。少子化の背景の一つには、子育てにお金がかかることがある。日本の子どもにかかる医療費負担は先進諸国の中でも重く、長引く不況と不安定な雇用のもとで収入の低い若い世代にとって、医療費は大きな負担である。乳幼児医療費への助成は、子育て支援の重要な施策の一つとなっている。

ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 乳幼児医療無料制度の対象年齢を義務教育終了までに順次引き上げること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成16年
第22号
平成16年
6月25日
小規模作業所、小規模適所授産施設の充実及び成人期障害者施策の充実を求める請願 きょうされん愛知支部 梅原紀美子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産)

障害のある人たちの地域生活や労働と活動の拠点として大きな役割を果たしている小規模作業所に対する名古屋市の補助は、2年連続の削減となった。

また、法に基づく施設である小規模適所授産施設については、加算が実現されたものの支援費施設との大きな格差は解消されていない。これでは、地域で小規模作業所運営に努力する関係者は希望を持つことができない。

支援費制度が施行されてから1年余が経過し、制度的な問題はあるものの、障害のある人たちは居宅支援を利用して生活の幅を広げ、地域での自立的な生活を実現しつつある。しかし、国においては財政問題のみが強調され、介護保険との統合が進められつつあり、制度的な後退への危惧が増大している。

ついては、障害のある人たちも同じ市民として、安心してこの名古屋で生活することができるよう、次の事項の実現をお願いする。

  1. 小規模作業所の削減された人件費補助単価を回復すること。
  2. 小規模通所授産施設に対する補助額を支援費施設と同水準に拡充すること。

◆陳情

陳情番号 受理年月日 陳情名 陳情者者
平成16年
第11号
平成16年
9月29
安全安心で快適なまちづくりを求める陳情 南区住民

平成12年9月12日の東海豪雨では、せせらぎ水路(大同排水路)の側道が600ミリ程度冠水した。せせらぎ水路については、断面を二、三倍にするよう要望してきたが、工事によって水路の幅が縮小されて 排水が少なくなった。これにより、雨水が住宅地に流れ込み、道路が500ミリ程度冠水することが予想されるため、雨水の有効な排水対策が必要と考える。

ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 雨水の排水対策として、せせらぎ水路を排水路として位置づけた上で、その断面を二、三倍にすること。