6月議会に受理された請願・陳情

6月定例会には下記の請願・陳情が受理されました。審議は7月〜9月の閉会中委員会で行われます。

◆請願

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第11号
平成17年
7月6日
障害者自立支援法案に関する請願 きょうされん愛知支部 黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産) 富田勝三(ロ) 斉藤亮人(と) のりたけ勅仁(民ク)

現在国会で審議中の障害者自立支援法案は、障害保健福祉施策を根幹から変える大変重要な中身を持つにもかかわらず、障害当事者を始め、関係者への十分な説明がないまま上程される等、その拙速とも思えるような取扱いに大きな戸惑いと不安の声が噴出している。中でも、十分な所得保障制度がない中での応益負担(定率負担)制度の導入は、障害のある人たちが作業所で働くこと、グループホームで暮らすこと、買物に出掛けること、精神科に通院することを妨げることにつながりかねない。また、具体的な内容は、200を超える政令や省令で定めることになっており、不安をさらに増大させている。

ついては、障害者自立支援法案が、ノーマライゼーション社会を発展させ、障害のある人の安心で安定した地域生活を支えるものとなるよう、貴議会が次の事項を内容とする意見書を国に提出されるようお願いする。

  1. 応益負担(定率負担)制度(精神障害者通院医療費公費負担等への定率負担制度の導入を含む。)を撤回すること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第12号
平成17年
7月6日
消費税の税率引上げ中止を求める意見書提出に関する請願 愛知県消費者団体連絡会 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産) のりたけ勅仁(民ク)

小泉内閣の下で、私たちの暮らしは、倒産、就職難、リストラ、社会保障制度の連続改悪等による家計負担の増大と所得格差の広がり等、先の見通しが立たない不安で、とても深刻な状況になっている。平成17年3月に日本銀行が実施した生活意識に関するアンケート調査によると、1年前と比べて支出を減らしている理由の約6割が、将来の仕事や収入に不安があるからというものや、今後は年金や社会保険の給付が少なくなるのではないかとの不安からというものであった。個人消費が落ち込めば企業業績に跳ね返り、リストラを進めれば雇用が悪化し、所得が減り、個人消費を冷やすという悪循環の繰返しになる。

消費税率引上げや定率減税の廃止、各種控除の廃止などの大増税は、住民の暮らしを破壊してしまうものである。

国内総生産の約6割を占める個人消費を伸ばすために消費税率を引き下げることが、景気回復をもたらすと考える。税金の使い方を改めて、大企業や高額所得者の優遇税制を見直せば、大増税をしなくても高齢化社会を支えることができる。また、将来の税制度の在り方は、広く国民の意見を反映する中で論議を行うべきと考える。

ついては、貴議会が次の事項を内容とする意見書を国に捏出されるようお願いする。

  1. 消費税の税率引上げを中止すること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第13号
平成17年
7月6日
政務調査費等の議会経費の見直しに関する請願 名古屋・革新市政の会ほか 黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産)

政務調査費をめぐり、平成17年4月下旬以降、自由民主党の前市議団長による架空領収書を使った支払請求や不明朗支出疑惑が相次いで表面化した。財源が税金でありながら使途が公開されない制度そのものに対し、市民の批判が高まっている。

政務調査費の収支報告書に領収書を添付し、議長に提出するよう義務付け、それを市民に公開すべきである。

本会議や委員会等への出席は議員本来の務めであり、また、月数回程自家用車やバス、地下鉄で登庁する程度であることから、議員報酬とは別に費用を弁償する必要はない。

議員の任期中1人1回が慣例となっている海外視察(議員1人当たり120万円以内)は、税金の使われ方としてふさわしくない。

ついては、政務調査費等の議会経費の見直しを進めるため、次の事項の実現をお願いする。

  1. 政務調査費については、収支報告書に領収書等を添付し、公開すること。
  2. 議員が会議等に出席した場合に支給される日額1万円の費用弁償を廃止すること。
  3. 慣例となっている議員の任期中1回の海外視察を廃止すること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第14号
平成17年
7月6日
名古屋市の施設の使用料・入場料の値上げに反対する請願 名古屋・革新市政の会 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ、さとう典生 かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産)

名古屋市は、名古屋城や東山動植物園、プール等の公の施設の使用料や入場料について、利用者の負担の在り方の統一的な基準の策定やそれぞれの料金の見直しを進めている。

受益者負担の名の下に使用料や入場料を値上げすることは、自治体の本来の目的である住民の福祉の増進に反する。また、ランの館を除き65歳以上の高齢者について無料としている使用料減免制度は、元気な高齢者の社会参加を支援し、福祉の増進を図る上で大きな役割を果たしており、その継続が求められる。

ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 名古屋城や東山動植物園、プール等の公の施設の使用料や入場料について、受益者負担の名の下に、値上げにつながるような基準の策定はしないこと。
  2. 現在無料となっている65歳以上の高齢者の使用料・入場料について、受益者負担の名の下に有料化する基準の策定はしないこと。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第15号
平成17年
7月6日
子どもたちが健やかに育つために保育と学童保育施策の拡充を求める請願 北区住民 梅原紀美子(共産) 岡地邦夫 渡辺義郎(以上自民)

現在、父母の実態から様々な保育サービスが求められている。

2004年度に行った北区内の延長保育未実施の公立保育園の父母へのアンケート結果でも、51%の方が延長保育が実施されたら利用したいと答えており、利用するかもしれないとの答えを合わせると81%になっている。このように、延長保育実施園の拡大要求はまだまだ強く、早急な実施が求められている。

一時保育実施園を増やしてほしいとの声もたくさんある。

また、休日保育は北区でも実施されているが、公的助成制度が求められている。

学童保育所では、延長保育や障害児の受入れ等が積極的に行われており、期待されているが、運営は厳しく、実態に合わせた助成金の増額が求められている。

ついては、子どもたちが健やかに育つために、次の事項の実現をお願いする。

  1. 延長保育実施園を拡大すること。
  2. 一時保育実施園を拡大すること。
  3. 休日保育の助成制度をつくること。
  4. 学童保育を必要とするすべての子どもが入所できるように学童保育の助成金を実態に合わせて大幅に増額すること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第16号
平成17年
7月6日
学童保育制度の拡充を求める請願 名古屋市学童保育連絡協議会 共産9人、民主20人、自民11人、諸派3人の計43人(詳細別項)

学校が週5日制になり、土曜日は多くの学童保育所が午前中から開設している。厚生労働省は、土曜日に開設することを前提に補助の基本額を増額したが、名古屋市では、夏休み期間中等を除き、多くの土曜日について、いまだに学校が土曜日に授業を行っていたときのままの午後1時からの補助となっている。

小学校4年生・5年生・6年生を放課後児童健全育成事業の対象児童にすることに関して、2001年12月20日に厚生労働省雇用均等・児童家庭局育成環境課長が、「放課後児童のおかれている実情を勘案し、小学校(盲・聾・養護学校も含む。)に就学している4年生以上の児童も積極的に受け入れるよう配慮されたい。」という通知を出している。これを肯定するように、国への補助金申請の対象に高学年を含めることが認められている。しかし、名古屋市は、国の要綱が改正されていないという理由で、いまだに助成要綱を改正していないという状況である。社会環境の変化により、高学年になったからといって、安心して子どもだけで留守番することができなくなっている。学童保育所のような安全な所で、安心して生活することが重要な課題である。

ひとり親家庭等自立支援計画の中には、留守家庭児童健全育成事業の充実という内容が含まれている。子どもの安全と成長.発達を保障するには、現行の助成制度では保護者負担が必要である。その保護者負担のために学童保育が必要でも、入れない家庭があるということは問題である。ひとり親家庭で学童保育所を必要とする子どもが、全員学童保育所に入れるために、今以上の何らかの助成を行うことが有効な施策である。

ついては、子どもが安全に安心して継続的な生活をし、保護者が安心して働き続けられるようにするという学童保育の本来の事業目的を反映し、より充実した学童保育施策が行われるよう、次の事項の実現をお願いする。

  1. すべての土曜日について、長期休業日と同様に、実態に即して午前中から補助すること。
  2. 助成対象児童を小学校の4年生・5年生・6年生まで拡大すること。
  3. ひとり親家庭の子どもが、学童保育所に入所しやすいよう助成制度を新設すること

※紹介議員・・・・黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産) うえぞのふさえ 梅村邦子 梅村麻美子 おくむら文洋 加藤一登 鎌倉安男 久野浩平 郡司照三 須原章 杉山ひとし 田中里佳 ちかざわ昌行 中田ちづこ 橋本静友 服部将也 早川良行 諸隈修身 山本久樹 吉田伸五 渡辺房一(以上民主) 浅井日出雄 稲本和仁 岡地邦夫 岡本善博 工藤彰三 中川貴元 西川ひさし 坂野公寿 村松ひとし 横井利明 渡辺義郎(以上自民) 冨田勝三(ロ) 斎藤亮人(と) のりたけ勅仁(民ク)


請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第17号
平成17年
7月6日
民生委員・児童委員の改選手続の見直しを求める請願 緑区住民 冨田勝三(ロ) のりたけ勅仁(ク)

3年に1回の民生委員・児童委員の改選に当たっては、厚生労働省の通知及び民生委員・児童委員推薦事務の手引きによることとされている。

しかし、民生委員・児童委員の推薦事務を行う末端組織である学区民生委員推薦準備会の委員のほとんどは充て職である。その他一部の学識経験者については、区政協力委員長が独断と偏見で選任している地域もある。また、委員長は、委員の互選によることになっているが、区政協力委員長が務めていることが多い。

学区民生委員推薦準備会の委員長は、新任・再任委員の候補者を会議に諮るが、協議もせず提出された民生委員・児童委員身上書に印鑑を押すのが通常である。

推薦に関係のない組織が推薦を行ったり、独断で推薦を行わない例もある。また、学区によっては、地域の古いしきたりや年功序列により推薦を行ったり、学区民生委員推薦準備会で協議もせず町内会長が推薦を行ったり、退任委員に後任委員の人選を義務付けている学区もある。

昨年の民生委員・児童委員の改選期には、全国的に多数の欠員が生じたほか、市内でも改選後3箇月の間に辞めた人が数人いる。

ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 民生委員・児童委員の改選に当たり、厚生労働省の通知及び名古屋市の民生委員・児童委員推薦事務の手引きに基づいて適切に推薦事務が行われているか調査し、指導すること。
  2. 民生委員・児童委員の改選に当たり、地域の声を聞き、適切に推薦されるように指導し、地域住民に不信感を与えないように配慮すること。
  3. 民生委員の選任が難しくなりつつある時期に対応でき、また個人情報保護等で民生委員の活動も困難な時代に対応できるような名古屋市独自の新しい制度の検討に取り組むこと。
  4. 昨年の改選により著しく傷ついた方から申出があった場合、行政から推薦の経過を説明する等の対応をすること。

◆陳情

陳情番号 受理年月日 陳情名 陳情者者
平成17年
第6号
平成17年
4月25日
社会福祉法人中央有隣学院に関する諸問題の改善を求める陳情 緑区住民

社会福祉法人中央有隣学院が設置運営する児童養護施設中央有隣学院については、平成12年ころより諸問題があり、これまで、健康福祉局に対し、話し合い、文書等により改善をお願いしてきたところである。

平成17年3月には、施設職員2名から、元理事あてに一部の施設職員に関する書面が提出された。それによると、一部の施設職員が、職務上知り得たことを無断で外部に漏らしていること、出勤せず、出勤してもほとんど私用をしていること、子どもたちが使用する部屋を占領し、子どもたちの行事を妨げること、私用でも宿直や出張扱いとし、手当の支給を受けていること、私用を勤務中の職員にさせるなど公私混同が甚だしいこと、公用車を無断で使用していること、寄附金を個人の旅行に使用するなどの金銭問題があること、施設職員の有給休暇をなかなか認めないことなどの諸問題があり、施設職員が施設長に相談しても改善されない状況にあるとのことである。

施設職員は苦境に追い込まれており、子どもたちも荒れている。

このままの状態では次々に退職者が出るが、職員の短期入替わりで指導能力が低下し、福祉の重大問題となると考える。

また、当該法人に対しては、出勤簿や超過勤務命令薄が整理されていないとして、平成13年10月に、監事から監査不承知の通知が出されたが、いまだに改善されていない。

このような社会福祉法人の不正については、基本的な監査に問題があると考えられ、速やかに調査し、理事会・監事に責任を問う必要があると考える。

ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 社会福祉法人中央有隣学院が設置運営する児童養護施設中央有隣学院に関する諸問題に関し速やかに改善すること。

陳情番号 受理年月日 陳情名 陳情者者
平成17年
第7号
平成17年
7月6日
民間児童養護施設等への名古屋市の補助、運営指導等に関する陳情 緑区住民

民間社会福祉施設運営費補給金制度は、昭和49年度から現在のような制度になったが、措置費での運営が困難であるため市に補給金制度を要望したにもかかわらず、ある児童養護施設の平成15年度の決算書によると、多額の繰越金、引当金が出ている上、市の補助を受けている管理費及び人件費についても不用額がかなり出ている。また、市の補助金交付額より不用額の方が多いのであれば、当該補助は税金の無駄遣いと考える。一つの施設で補助金の削減が可能ならば、他の施設も努力すれば削減が可能と考える。

民間児童養護施設11箇所のうち、数施設が改築を必要としている。しかし、財政難の折、多額の施設整備費を掛けるより、里親制度の普及に努め、家庭環境に近い里親家庭での育成指導をする方が、少額で効果を上げることができる。里親制度の普及が遅れているため、養育里親の必要性、里親の喜び、福祉への貢献等を市民全般にアピールするとともに、里親制度の長期計画等の方針を出して、普及させてほしい。

被虐待児等の施設入所が必要な時代となり、施設も定員一杯のようだが、子どもは施設を選ぶことができず、本当に健全に育成されているか疑問である。深夜俳回、無断外出、万引き、喫煙、暴力等の問題があり、施設がある地域や学校等から情報を受けて指導を強化すべきである。同時に、施設長の施設運営の姿勢・取組みについて、勤務状態、施設長不在時の緊急体制等も調査し、福祉専門職としてふさわしいかも確認すべきである。

ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 民間児童養護施設等への名古屋市の民間社会福祉施設運営費補給金に係る管理費改善費の全額を削減すること。
  2. 民間児童養護施設等への名古屋市の民間社会福祉施設運営費補給金に係る人件費改善費の一部について、不用額、繰越金、引当金等を調査し、不用分を削減すること。
  3. 民間児童養護施設等の改築整備等の補助の見直しをすること。
  4. 民間児童養護施設等への指導内容を強化すること。
  5. 里親制度を普及させること。

陳情番号 受理年月日 陳情名 陳情者者
平成17年
第8号
平成17年
7月6日
民生委員等に係る諸問題についての改善等に関する陳情 緑区住民

大高民生委員児童委員協議会では、会長を無視して会議の開催や経費の執行が行われ、内容のない理由で会長に休職を言い渡した後、解職した。この解職は、民生委員法及び大高民生委員児童委員協議会の規約に適合していない。その後も正規の連絡がなされないこと等があり、これらの諸問題については、文書等で健康福祉局等に改善を求めたが、具体的な対応をしなかった。

大高学童クラブの運営委員名簿については、修正箇所の筆跡が遠い、委員長の2箇所の印鑑も違っており、適切でないものがあった。

緑区社会福祉協議会の学区敬老事業助成金が、対象の団体とは別の団休に交付されていたことが新聞で報道された。その後、評議員会が開催され、理事を解任したが、解任の経緯を明確にせず、評議員の発言内容にいささか問題が感じられるような感情的な会議であった。評議員は、地域で共同募金をお願いする立場にある一方で、共同募金の配分金を使用する立場にあり、意識改革が必要である。

緑区共同募金委員会では、決算報告が過去一度もされておらず、今後の共同募金活動に影響を及ぼすおそれがある。ほとんどの人が募金は人件費には使われていないと思っているが、愛知県共同募金会の報告書では、事務費や人件費に充てられている。

ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 民生委員法等に基づき、大高民生委員児童委員協議会に所属する民生委員全員の解任の手続をすること。
  2. 大高学童クラブの運営委員名簿について納得のいく処理を行い、当時の運営委員全員に対し、その処理についての報告書を区役所に提出するよう求めること。
  3. 学区敬老事業助成に関する緑区社会福祉協議会会長の責任を間い、評議員の意識改革の働き掛けをすること。
  4. 緑区社会福祉協議会会長と緑区共同募金委員会会長に今後の姿勢を問い、各会長に対し、今後の決算処理の方法に関する説明書を緑区社会福祉協議会事務局長に提出するよう求めること。

陳情番号 受理年月日 陳情名 陳情者者
平成17年
第9号
平成17年
7月6日
義務教育費国庫負担制度の堅持を求める陳情 名古屋市学校事務職員労働組合

義務教育費国庫負担制度は、1953年に、憲法・教育基本法で保障された教育の機会均等とその水準の維持向上を図ることを目的として制定され、公教育の発展に大きく寄与してきた。しかし、政府は三位一体改革により、国庫補助負担金の削減を推し進めており、義務教育費負担金も削減対象となっている。2006年度までに8500億円削減する方針の下、2005年度は4250億円の削減にとどまり、国庫負担制度存廃の判断は、2005年秋の中央教育審議会にゆだねられたが、財源保障をなくせば、自治体の財政力に差が生じ、子どもたちに均等に学校教育を保障する上でも大きな影響を及ぼすことは必至である。

また、学校事務職員・栄養職員がこの制度から除外されるならば、学校事務・業務の共同実施(センター的組織・複数校兼務)が急速に進むことになり、兼務等により学校事務職員が学校にいない時間が増え、子どもの実態に沿った仕事が困難となり、学校事務の多忙・煩雑化の中で、子ども・保護者・教職員の要望への即応性が阻害されることは明らかである。また、このような方向で新たな教職員定数改善計画が策定されるのであれば、学校事務職員・栄養職員にとどまらず、教員も同制度から除外され、均等に学校教育を保障する上で大きな影響を及ぼすことは必至である。

学校事務職員は、学校予算の効率的執行、施設・教材教具の整備充実等、学校栄養職貞は、食文化を継承させながら、子どもたちに行き届いた教育を保障する上で、大きな役割を担っている。文部科学省は学校事務職員を基幹職員と位置付けてきた。教育をめぐる困難さが社会問題化している今日、子どもへのかかわり方に違いはあっても、学校で働く教職員がそれぞれの職種、役割により、協働してその成長発達に責任を持っていくことは極めて重要になっている。私たちの願いは、どの子どもたちにも豊かな教育条件を整備していくことであり、これは国民の願いでもある。

ついては、義務教育費国庫負担制度の趣旨をゆがめることなく、教職員定数を充実・改善させるため、次の事項を内容とする意見書を提出するなど、貴議会が国及び関係機関に働き掛けるようお願いする。

  1. 義務教育費国庫負担制度を堅持し、さらに職種枠の撤廃及び定数の弾力化をしないこと。
  2. 義務教育諸学校での30人学級実現、学校事務職員の全校複数配置等、実質的な定数改善となる方法で、速やかに新たな教職員定数改善計画を策定すること。
  3. 学校教育法第28条第1項ただし書にある、特別の事情のあるときは、事務職員を置かないことができるとの文言を削除すること。

陳情番号 受理年月日 陳情名 陳情者者
平成17年
第10号
平成17年
7月6日
港区名港一丁目の場外舟券売場設置計画の白紙撤回を求める陳情 子どもたちの未来を守る、場外舟券売り場建設反対の会

港区名港一丁目の場外舟券売場設置計画は、地元住民の建設しないでほしいという意思が全く反映されないまま形だけ整えられてきている。住民を始め、通勤・通学で築地口を利用する一般市民が安全で安心して暮らせる社会を実現するために、この場外舟券売場の設置には、次の理由により同意できない。

第1に、名古屋市医師会看護専門学校は、建設予定地の東側100メートルの場所にあり、生徒は地下鉄築地。駅から建設予定地の横を通って通学することになるため、通学への悪影響が考えられ、生徒の安全な学校生活が脅かされるおそれがある。

第2に、建設予定地は公設市場・市営住宅のある商店街の隣で西築地学区民の生活の場所であり、半径500メートル以内には、ほかにも小学校、幼稚園、保育園、病院、老人保健施設等の施設もある。地元住民や築地口周辺にある会社に勤務する会社員にとって、生活環境の悪化、交通渋滞による混乱を招くおそれがある。生活面だけではなく、東側には港消防署があり、道路の渋滞により緊急時の出動に支障を来す。

第3に、名古屋港は、名古屋市が誇る名古屋港水族館、ガーデン埠頭の整備、イタリア村のオープンで大いに発展しており、毎年7月には名古屋の風物詩ともいえるみなと祭りが行われ、現在は愛知万博関連の行事もあり、年中多くの観光客が訪れるようになった。1日に2000人の客が予想され、年間350日営業し、ナイター営業もする賭博施設である場外舟券売場は、文化商業地域を目指している名古屋港とは共存できない施設である。

第4に、建設予定地のある商店街は空き店舗が目立ち、そこにはギャンブル場近辺には必ずできるといわれる不良金融業者の乱立や広域暴力団の進出のおそれがあり、青少年の射幸心をあおるようなことにならないかと大変懸念している。

第5に、相次ぐマンション建設により、西築地学区は住宅地として発展していこうとしている。場外舟券売場建設は西築地学区を賭博の町と化し、新たな住民の参入を阻害し、地域の少子高齢化に拍車をかけ、西築地小学校の存続を危うくするものである。

ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 港区名港一丁目の場外舟券売場設置計画を白紙撤回すること。