6月定例会 個人質問(6月28日) 田中せつ子議員 (答弁は傍聴者のメモをもとに作成しました。正確には10月頃にできあがる議事録をご覧下さい) 「公の施設の受益者負担」のあり方について(1)使用料の値上げが利用者減の悪循環につながる【田中議員】 東山動物園は、「うるおいとゆとりのある社会教育の場」とするため、1968年に動物園と植物園を一本化されました。東山動植物園の支出に対する収入の比率が2003年度決算で24.7%でした。これを受益者負担50%まで引き上げるとなると、支出の水準が現行のままとした単純計算で大人の入園料、現行500円が1000円となります。そうなると、報告書には「使用料をアップすることにより、利用者数、利用率が減少し、使用料収入が確保できないため使用料をアップしなければならなくなるという悪循環に陥る事態も想定できる」と意見が述べられていますが、利用者が減るようなことがあれば、「社会教育の場」という本来の設置目的からはずれてしまうことになります。こうしたことは、他の公の施設でも同じようなことがいえますが、公の施設の使用料について受益者負担を徹底することによって、使用料の値上げが利用者減につながることの悪循環について財政局長はどのようにお考えになりますか。
(2)受益者負担の考え方は「住民福祉の増進」から後退する【田中議員】 たとえば、身近にある名古屋市のスポーツセンターはレクリェーション的な役割と同時に健康維持の役割も果たしています。特に温水プールは働き盛りの方や高齢者にとっては生活に欠かせないスポーツとなっています。そのうえ安い料金で利用でき、喜ばれています。しかし残念なことに、2002年10月から「受益者負担」の名のもとにいち早く駐車場が有料化されてしまいました。その結果どうなったのか、2001年と2003年の各スポーツ施設の利用状況を比較してみました。 中、東、昭和のスポーツセンターは新設された時期なので除きますが、9施設のうち6施設で利用者数が減少していることがわかりました。私の住んでいる名東区でもスポーツセンターを利用する人が2000年度から2002年度までは毎年30万人を超え、全市でも利用率が高いほうでした。ところが2003年度は利用者が27万人となっていました。 なぜこの年に利用者が減ったのか。スポーツセンターを利用している人たちから「夜、仕事を終えて、健康のために毎週2〜3回通っていたが、駐車料金が300円、プールが500円、計800円かかるので今は週1回にしている。」「仕事が終わってから利用するので、公共交通を使っていたら、時間的に厳しくて利用できない」「腰痛があり医者に『プールで歩くといいよ』と言われたので、リハビリのために通っていたが、駐車料金がいるようになってからは、3回のところ1回にした」などのご意見をうかがいました。2002年10月からスポーツセンター駐車場が有料化となったことが影響していることは明らかです。 「受益者負担」の名のもとに一律に駐車場有料化が決まってからは、利用する人が3万人減ってしまったわけです。これから先、なおいっそう収益性を上げるために、使用料を上げたり、高齢者の減免制度をなくしたりすれば、ますます利用者が減ることは目に見えています。スポーツセンターを多くの名古屋市民が利用し、健康の増進を図ることができれば、そのことはまわりまわって、医療費の方で税金を使わないですむことにつながります。 「公の施設」とは地方自治法で「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設」と定義づけられています。公共の施設を利用する人をいかに増やすかということを考えるのが自治体の本来の仕事です。そうした考え方にたつならば、公の施設で、利用者に負担をもとめたり、さらに値上げをしたりする「受益者負担の適正化」の考え方は、「住民の福祉の増進」という自治体本来の目的から大きく後退することになると考えますが、財政局長の見解をお聞きします。
本来の自治体の仕事をなげすてるな(意見)【わしの議員】 万博開催中における諸問題について帰宅時における万博会場駅での滞留解消を(1)臨時バスやリニモの増発を【田中議員】 私どもは6月の3日間、夜9時からリニモ万博会場駅において実態を調査しました。いずれも30分ほどの待ち時間でした。八草駅方面に帰る万博客が万博会場駅の混雑をさけ、ひとつ前の駅(公園西駅)まで歩いて乗車していました。 市民の足の確保と安全性から考えて、万博会場駅から「藤が丘行き」「八草行き」両方面のリニモの増発、または臨時バスを出す必要があるのではないでしょうか。名古屋市として率先して万博協会はじめ関係機関に働きかけるべきと考えますが、総務局長いかがでしょうか。
(2)夜間学生の長時間待ちをやめさせよ【田中議員】 「毎日30分待ち」「ジャパンデイの日ははなみずき駅まで行くのに1時間もかかった」「5月のある日、乗車までに1時間以上。名鉄名古屋から豊橋間の終電に間に合わず、運賃1280円を自己負担してJRで帰宅しなければならなかった」「明日の仕事に差し支えるので、1時間講義を早退したこともある」などの話を聞きました。 そこでお尋ねします。毎日のように朝も帰りも、県大生や教職員が万博客と一緒に並んで平常時で30分、ピーク時は1時間待ちの状態は日常生活に支障をきたしているとみるべきです。リニモを利用する県大生は1000人、その多くが名古屋市在住です。県大の夏休みは8月からなので7月が一番心配だと大学側は言っています。 早急に何らかの対策を検討する必要があるのではないでしょうか。対策として大学側は県大側の入り口が夜になると閉められるが、今までどおり開けておいて欲しいと、県・万博協会、愛知高速交通に申し入れているがまだ対策が取られていないそうです。学生証や証明書を見せれば、優先的に大学側の入り口が通れるようにすることもひとつの方策だと思いますが、万博会場駅の滞留の解消にはなりません。そこで最初にお尋ねしたように、市として万博協会はじめ関連機関に働きかけ、シャトルバスを出し、リニモの定期券で、学生優先に乗ってもらうことが帰り客の滞留解消につながると考えます。いずれにしても名古屋市として、夜の滞留問題を真剣に考えなければならないと思いますが、総務局長の答弁を求めます。
夜間学生に特別の配慮を(意見)【田中議員】 香流川の水質悪化は許されない(1)万博の影響ではないのか【田中議員】 名古屋市を流れる香流川の香流橋付近で調査した今年4月と5月のBODの数値は、7.4mgと5.1mgでした。(昨年度の平均値は3.6)また全窒素の数値は今年の4月に10mg、昨年度の平均数値5.4mgと比較すると、倍の数値が出ています。全リンも4月の段階で0.43 mgと昨年度の平均値の0.31mgを超えています。 この調査場所は、下流で他の川からの水も流れてくるので、長久手浄化センターから放流された時より、かなり薄まってはいるものの、昨年の数値より、徐々に悪くなってきていることがわかりました。この原因は自然環境も影響していると思いますが、まず第1に万博による影響が大きいと私は思いますが、環境局長はどのようにお考えでしょうか。
(2)環境万博にふさわしい対応ではない【田中議員】 市長は6月定例会冒頭で、「環境の様々な側面から、この地球環境問題に積極的に取り組んでいく」ことを提案されました。それならば、たとえば万博期間中、レストランで使う油は直接、排水に流さないで処理するとか、洗剤も環境負荷の少ない石鹸に変えるなどの環境悪化をくいとめるための提案をされてはどうでしょう。 市長、あなたは万博協会の副会長です。「万博による環境悪化を絶対にさせない」この大原則を万博で生かすように働きかけていただきたいと思います。そうしたことに取り組んでこそ「自然との叡智」というテーマにふさわしい万博になり、世界にもアピールできるのではないでしょうか。
除去装置は全てのところについているのか(再質問)【田中議員】
環境悪化は絶対に認められない(意見)【田中議員】 |