議案外質問(10月5日) かとう典子議員 DV対策における外国籍女性への対応について外国人女性のDVへの名古屋市の責任は【かとう議員】ドメスティックバイオレンス、DVとは、夫や元夫、交際相手から心身を問わず、支配され、暴力を受けることを言います。 2001年のDV法成立によって、夫や交際相手からの暴力に対して我慢したり、夫婦げんかだからとして問題にされないなど、泣き寝入りしてきた被害者女性を守るために、加害者を犯罪者と位置付ける対策が始まりました。 そして昨年、DV法が改正されました。その内容の一つが外国籍DV被害者への保護支援です。 私は、DV問題で苦しんでいる女性のうち、特に人権の守られない外国籍女性への対応について質問いたします。 外国人女性、特にアジアや中南米からくる女性の問題は、言葉や文化、在留資格など法律、また人身売買など組織的なあっせん業者に絡んだ問題にまでおよび、大変深刻です。特に人身売買は、刑法改正など昨年来、政府の対策が始まったところであり、今後自治体としても対応が求められています。 名古屋のフィリピン人支援団体に相談があった、あるフィリピン人女性は、興行ビザで入国し、福岡で働いていました。しかし、事前に聞いていた仕事とは違い、売春を強要されるなどしたため、我慢ができず、名古屋まで逃げてきました。その後、名古屋のスナックで働く中で、お客として知り合った男性と結婚の約束をし、妊娠しました。ところが男性の暴力に耐えられずに、知人から口コミで聞いたこの支援団体を頼って逃げ出してきました。 彼女の場合もそうですが、故郷の家族を支えるためにも、日本で働きたいという外国人が多くいます。そのために、在留資格が必要なため、離婚できず、暴力があっても我慢している女性も多くいます。こうした十分お互いを理解しあわない結婚で、言葉や文化の違いでも意思の疎通ができないことからも、DVにつながっていくのです。 こうした外国人女性のDV対策は、本市にとっても、重要な課題です。たとえば、名古屋市に外国人登録されているフィリピン国籍の人は、2004年度で6,849人、韓国・朝鮮、中国に続いて3番目ですが、そのうち2,000人以上が中区に集中しています。しかも、この多くが、歓楽街で働いている女性たちです。また、登録されている数と同程度の未登録の人たちがいるともいわれています。 そこで総務局長におたずねします。DV被害者、なかでも、外国籍女性へのDVの対策について、名古屋市としての責任をどのように認識していますか。お答えください。
支援体制を確立せよ【かとう議員】改正DV法に基づいて、名古屋市でも、配偶者暴力相談支援センターを設置することができることになっており、これまでわが党も議会で求めてきました。また昨年11月の、名古屋市男女平等参画審議会の答申でも、名古屋市が率先して取り組む事項に挙げられています。 配偶者暴力相談支援センターの設置には、通訳体制の確保、入管法の問題を含めた職員への研修、タガログ語、タイ語など含めた多言語での情報提供など、外国籍女性への対策を重視するべきと考えますが、これらの点を含めた配偶者暴力相談支援センターの設置に向けた検討状況をお答えください。
民間支援団体との連携支援を【かとう議員】外国人女性の支援は、外国語や入管制度などに対応できる専門的な蓄積が必要であり、現在多くの女性たちが民間支援団体を頼っています。この支援団体では、昨年265件の相談を受け、そのうちDVが115件でした。中には国際センターなど他機関に相談に行った際に、この支援団体を紹介されたケースもあり、実際に行政を補完する役割を果たしています。しかし、この人たちは全くの手弁当で活動しているのが実態です。 そこで総務局長にお尋ねします。 こういった活動を行なっている民間支援団体の蓄積した知識やノウハウを活用することが大変有効であり、財政的支援をふくめて、連携を進めるべきであると考えますが、お答えください。
福祉事務所の機能強化を【かとう議員】シェルターを持たない支援団体に、DV被害者が相談に駆け込んできた場合、支援団体は、被害女性の一時保護のために福祉事務所に相談に行きます。しかし、各区の福祉事務所によって対応がマチマチである上に、保護までに1〜2日待たされるとのことです。その場合、被害者は支援団体のつながりで知人の部屋に泊まらせてもらうか、支援団体の事務所に寝泊りすることもあるようです。 このようなDV被害者の中で、各区の福祉事務所の対応することが必要な人には、福祉事務所でのDV対策の、位置づけと体制の強化が、必要だとかんがえます。弱者を守る福祉の立場から、お答えください。
押し付け合いをやめて被害者の立場で考えてね(要望)【かとう議員】総務局と健康福祉局の両者が積極的に取り組まないと、困るのは当局でなく、被害者だということを忘れないでいただきたいと思います。 《大型店問題について》犯罪増加への認識は【かとう議員】大型店進出に伴う社会的弊害、中でも犯罪の増加について市長の認識と対応をお伺いいたします。 大店法から大店立地法に変わって以来、大型ショッピングセンターなど大規模商業娯楽施設の進出が市内でも相次いでいます。私たちはこれまで大型店の出店ラッシュの一方で既存商店街が衰退していく深刻な状況をとりあげ、対策を求めてきました。また、名古屋市商店街振興組合連合会、名商連は、今年9月、商店街を疲弊させる大型店の出店に反対の決議をあげました。大型店の進出地域では、商店街の問題のみならず自動車の渋滞と騒音、深夜までの騒がしさ、犯罪の増加など多様な弊害が社会問題化し、事業者と行政の責任が厳しく問われています。 中でも犯罪の増加は重大であり、大型店と犯罪の関係について、専門家から「大型店が匿名性の強い空間となり、犯罪増加の温床となっている」との指摘があります。 去る9月16日東区のイオン大曽根ショッピングセンター建設計画に関する説明会が行なわれ、私も参加しました。出席した市民から、大型店の進出に伴う犯罪の増加を危惧する声が出ました。学区の防犯協会の役員さんからも犯罪の増加を懸念する声が上がりました。 市内でも、ジャスコ名古屋みなと店のある学区では、開店前の1998年には犯罪件数99件(内万引き0)だったのが、開店後の2004年には331件(内万引き110件)と大幅に増えています。 最近では2002年10月に開店したイオン熱田ショッピングセンターでも、熱田区全体では犯罪件数が減っているにもかかわらず、この学区の犯罪件数は、2003年の219件から2004年は263件に増えています。万引きは28件から54件と2倍です。この数は警察に届出のあった件数だけであり、届出の無いものも相当あると思われます。こうしたことを見れば、大型店そのものが無秩序な社会環境を作る要因となっていることは明白です。これでは子どもたちを安心して育てる地域の環境が守れません。 今まで出店した大型店に対して、犯罪の増加への対策の、意見や勧告をされたのでしょうか。勧告もせずに出店させてきた結果、犯罪の増加を招いたとすれば、市長の言う、安心安全で快適なまちづくり名古屋、にも逆行する事態だと思いますが、市長はどのように認識されているのでしょうか。
住友電工跡地の開発はあまりに身勝手ではないか【かとう議員】ダイヤモンドシティが、南区の住友電工、旧名古屋製作所跡地に大型ショッピングセンター建設を計画している問題について質問いたします。 住友電工から跡地を買い取ったダイヤモンドシティは6月9日、大型ショッピングセンター建設計画を発表しました。 商業施設の敷地面積は、約5万8,860平方メートル、駐車台数は、約2800台以上です。ダイヤモンドシティが住民に配布した資料によりますと、出入りする自動車を1日1万台と予想し、この対策として、住宅地域側に自動車の出入り口を設け、狭い生活道路を拡張し、直進車優先の環状線の交差点を、右折可能に変え、路面や路肩の弱い河川堤防道路を使用するなど、まさに勝手放題の計画です。 そこで市民経済局長に伺います。 こんな勝手放題の道路使用計画など含めた、大型ショッピングセンター建設計画である「名古屋住友電工跡地開発プロジェクト」という資料、これですが、(資料参考)今年6月に住民に知らせていることをご存知ですか。お答えください。
汚染浄化が完了しないのに開発をさせるのか【かとう議員】問題の住友電工跡地では、1998年に環境基準値の7500倍ものテトラクロロエチレンが地下水から検出されるなど、有害化学物質による土壌・地下水汚染が発覚しました。それ以来、土壌地下水浄化工事が行なわれてきましたが、さらに、今年の3月には、基準の185倍の四塩化炭素が検出され、さらに8月には、環境基準を最高23倍も上回る発がん性物質のベンゼンが8箇所の地下水から検出されました。 土壌・地下水汚染といえば、8年前に判明した西区の東芝工場跡地については、現在も土壌浄化が続けられていますが、いまだに環境基準をクリアしていません。クリアするには長い年月が必要といわれています。また仮に、浄化工事が効を奏して、有害科学物質がいったん基準以下になったとしても、その後2年間は環境モニターが必要とされます。だからいまだに暫定利用しているところであり、開発計画に着手していません。 そこで環境局長に質問いたします。 市には、土壌・地下水浄化を完遂させる行政責任があります。浄化工事を進め、環境基準以下になるまで、跡地の開発はすべきではないと思いますが、お答えください。
事前協議のないのに勝手放題に開発しようというやり方は許せない(意見)【かとう議員】住友電工跡地のダイヤモンドシティについてですが、先程お見せした『名古屋住友電工跡地開発プロジェクト』のスケジュール表を見ると、今年6月から来年2月にかけて、行政の許認可を得ることになっており、来年3月には着工するとあります。しかし、市との事前協議すらまだ行なっていません。それにもかかわらず、住民に「行政の許認可がすすんでいるなあ」とか 「汚染問題はもういいのかなあ」という印象を与えるような進め方は、問題であり、こんな勝手放題なことはやめさせるべきです。このことを市長に強く求めて質問を終わります。
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