9月議会に受理された請願・陳情

9月定例会には下記の請願・陳情が受理されました。審議は11月の閉会中委員会で行われます。

◆請願

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第18号
平成17年
10月13日
小規模作業所、小規模通所授産施設の充実及び成人期障害者施策の充実を求める請願 きょうされん愛知支部 黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産)

障害のある人たちの地域生活や労働と活動の拠点として大きな役割を果たしている小規模作業所に対する名古屋市の補助は、2年連続で削減され、今年度も増額はされていない。また、小規模適所授産施設に対する補助については、加算が実現されたものの、支援費施設との大きな格差は解消されていない。これでは、地域で小規模作業所の運営に努力する関係者は希望を持つことができない。

また、昨年に続き、平成17年度に予定していた施設整備についての国庫補助が不採択になった。さらに、全国の当事者の強い反対運動と国会解散により廃案となった障害者自立支援法実の特別国会への再上程が決定され、応益負担による利用負担が増大することなどに対する当事者や作業所関係者の不安と怒りは頂点に達しているといっても過言ではない。

ついては、障害のある人たちも同じ市民として、安心してこの名古屋で生活することができるよう、次の事項の実現をお願いする。

  1. 小規模作業所や重症心身障害児小規模適所援護事業について、削減された人件費補助単価を回復し、新設作業所への補助を12か月分に回復すること。
  2. 小規模適所授産施設に対する補助額を支援費施設と同水準に拡充すること。
  3. 支援費施設に対する市単独の補助について、安定した運営と実践の水準の確保のため、平成15年魔の水準に回復すること。
  4. 平成17年度に予定していた施設整備について、協議したすべての補助を採択することを求める意見書を貴議会が国に提出すること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第19号
平成17年
10月13日
障害者施策の拡充に関する意見書提出を求める請願 これでいいのか?!障害者(児)福祉〜愛知集会〜 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産) 斉藤亮人(と)

「今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」及び障害者自立支援法案について、不安を訴える声が高まっているにもかかわらず、政府・厚生労働省は、障害当事者や支援者を始め国民の声に耳を貸すことなく、廃案となった障害者自立支援法案をほぼ原案のまま9月21日から始まった特別国会に再上程するとしている。私たちは、国の財政事情の悪化やニーズの把握が不十分だったことに起因する支援費制度の財源不足の責任を社会的弱者である障害者に転嫁し、その生存権をも脅かす制度改革を受け入れることはできない。少なくとも国会では、当事者や関係者の意見を再度聴く機会を設け、十分な審議・検討を経た上で、障害当事者が人間としての尊厳を守られ、安心して生活できる法案となるよう見直しをする必要がある。

また、現状での制度導入が市町村に大きな混乱を招くことは、必至である。この混乱は、利用者である障害当事者の生活にも混乱を招くものである。

ついては、貴議会が次の事項を内容とする意見書を国に提出されるようお願いする。

  1. 障害者自立支援法実については、拙速に審議することなく、全国からの不安と反対の声を踏まえ、当事者・関係団体との十分な協議、意見反映の場を設けること。内容はもとより実施時期等も含め、抜本的な見直しを図ること。特に、定率(応益)負担の考え方については、これを改めること。
  2. 今年度計上されていない2か月分の支援費予算の補正予算での確保及び支援費・施設整備の拡充を図る来年度予算の確保に向け、政府・厚生労働省が全力を挙げること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第20号
平成17年
10月13日
地下鉄日比野駅西側出入口(2番出入口、3番出入口)に上りエスカレーターを設置することを求める請願 熱田区住民(8800名) 早川良行、小林秀美(以上民主)工藤彰三(自民)

地下鉄日比野駅西側出入口(2番出入口、3番出入口)は、熱田区野立学区・大宝学区、中川区八幡学区・八熊学区といった広範囲のエリアからの通勤・通学など住民2万人余りに利用されており、特に利用客が多い出入口である。日比野駅西地区は市内屈指の高齢者地区でもある。地下鉄名港線は堀川の下を通って建設されているため日比野駅も深い場所にあり、改札口フロアから地上に出るまでに約70段の階段を上らなければならない。また、名古屋高速道路高速4号東海線の本格工事も間近に迫っており、市道江川線日比野交差点の幅が現在の24.5メートルから50メートルに拡幅され、それに伴う地域の交通事情悪化、事故の増加等は明白である。西側出入口は、老人、子どもへの安全対策としても将来にわたり必ずエスカレーターを設置しなければならない箇所である。

ついては、次の事項の実現をお願いする。

  1. 地下鉄日比野駅2番出入口、3番出入口に上りエスカレーターを早急に設置すること。

◆陳情

陳情番号 受理年月日 陳情名 陳情者者
平成17年
第10号
平成17年
7月6日
地方の財政力を強化し、義務教育費国庫負担制度を維持することを求める意見書提出に関する陳情 南区住民

1985年度予算編成以来、大蔵省(当時)の削減方針により、義務教育費国庫負担金は旅費・施設費・教材費・恩給費・共済費追加費用等が削減され、教職員給与費のみとなった。この21年間、学校事務職員・栄養職員の給与費については、予算編成の度に削減の対象としてあげられてきたが、地方自治体の財政負担増大に対する懸念、学校教育にもたらす影響の大きさから、貴議会を始め地方自治体、教育関係団体等からの広範な反対の声により、そして国会においても衆参両院で請願が採択され、現行国庫負担制度が維持されてきた。

地方税財政の構造改革として三位一体改革が議論される中、昨年8月24日に政府の要請に応じて地方6団体が提出した国庫補助負担金等に関する改革案には、第1期改革分として中学校教職員給与費相当分の8500億円を削減し、第2期改革分として小学校教職員給与費相当分も削減するなど、最終的に義務教育費国庫負担制度を全面廃止することが含まれている。地方6団体の主張は、税源移譲により地方の財政基盤を確立し、国の不必要な関与を排し、自主的な行財政運営を進めるとするものであるが、同制度は学校運営に必要な制度として定着しており、その廃止は理解に窮するものである。文部科学省は総額裁量制の導入により地方の裁量は拡大しているとし、同制度の廃止に反対している。

2005年度予算編成では、2006年度までの2年間で義務教育費国庫負担金を暫定的に8500億円削減することが決定され、2005年度予算では4250億円が削減された。義務教育費国庫負担制度存廃の結論は中央教育審議会に委ねられ、義務教育特別部会で議論が進められている。7月19日の中間報告では存廃両論併記になったが、多数意見は制度堅持と明記されており、最終答申は10月末に出されることになっている。

一方、地方では三位一体改革の実態は地方への負担転嫁による国の財政再建策に過ぎないと指摘する声が強くなっている。昨年度、地方交付税・臨時財政対策債が一挙に減り、予算編成に苦慮する地方自治体が続出したが、財務省は地方交付税の一層の削減を図ろうとしている。

仮に義務教育費国庫負担制度が廃止され、それに見合う税源移譲が実現したとしても、地方交付税に大なたが振るわれるのであれば、地方の財源は縮小し、学校教育予算も削減されざるを得ない。

学校教育予算の削減は学校現場に計り知れない混乱をもたらし、教育水準の低下を招き、将来にわたって取返しのつかない問題を呼び起こすことは必至である。

ついては、教育の向上に最も強い意志と責任を持つ貴議会が、内閣総理大臣、財務大臣、総務大臣及び文部科学大臣に対して、次の事項を内容とする意見書を提出されるようお願いする。

  1. 2006年度予算に向けて、地方の財政力を強化し、義務教育費国庫負担制度を維持すること。