11月議会に受理された請願・陳情

11月定例会には下記の請願・陳情が受理されました。審議は12月〜2月の閉会中委員会で行われます。

◆請願

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第21号
平成17年
11月28日
保育所生活が可能な障害乳幼児の保育所入所枠の拡大を求める請願 名古屋市公立保育園父母の会 黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産) 西村けんじ(自ク) 冨田勝三(ロ) のりたけ勅仁(民ク)

1974年に、公立保育所における障害児保育が制度化された。2005年4月1日現在、公立保育所には364名、民間保育所には241名の障害児が入所している。

2002年に実施された文部科学省の全国実態調査では、知的発達に遅れがないものの、学習面や行動面で著しい困難を持っていると担任教師が回答した児童生徒の割合は約6.3%という結果が出た。これまでの特殊教育の対象者の割合は約1.5%であったことから、実態調査の結果はかなり高い数値と言える。

昨年度の障害児保育アンケートにおいても、公立保育所への入所希望者数が年々増加している。親が就労していたり、支援施設から発達援助で入所を勧められたりするなどの理由により、民間保育所を含めた保育所入所希望者数も年々増加している。また、出生児の3〜5%は何らかの障害を持って生まれてくると言われる中、1か所当たり3人という現在の名古屋市における入所枠は非常に少ないと言わざるを得ない。

そして、現在は名古屋市の方針で、公立保育所への3歳未満の障害乳幼児は入所が認められておらず、専門機関での集団生活が必要と言われているにもかかわらず、入所することができない。

また、療育施設の通園部では年齢の高い幼児の入所が優先され、乳児が入所することは難しくなっており、行き場を失っているのが現状である。

ついては、子どもは大人たちの豊かなっながりの中で守られて育つという理念から、次の事項の実現をお願いする。

  1. 集団生活が可能な障害乳幼児については、3人枠を外して、1人でも多くの障害乳幼児を受け入れること。
  2. 保育所生活が可能な3歳未満の障害乳幼児の保育所への入所を認めること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第22号
平成17年
11月28日
障害者自立支援法の施行に際して、障害福祉サービスの拡充を求める請願 きょうされん愛知支部 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産)

2005年10月31日、障害者自立支援法が第163回特別国会の衆議院本会議にて可決、成立した。しかし、二度の国会での審議を費やしたにもかかわらず、障害当事者、家族及び関係者はその内容について明るい希望を持つことができない。

介護給付費等の支給決定については、審査会の審査判定や障害程度区分の認定において、当事者の望む地域生活に必要な判断がなされるのかどうかが不明である。応益(定率)負担については、普通の生活をするための支援を「益」とすることについて、当事者への納得できる説明はなく、様々な減免措置があるというものの、移行措置でしかなく、負担増がなくなることはない。施設・サービス体系の見直しに至っては、運営基準等、判断するのに必要な内容がほとんど示されなかった。障害者自立支援法によって、現在のサービス水準が少しでも低下することや、施設運営の不安定化が進むことを容認することはできない。

ついては、度重なる制度変更により名古屋前の障害者福祉が後退することのないよう、次の事項の実現をお願いする。

  1. 2006年4月より予定している福祉サービス利用料の定率負担分を市として補填し、利用者負担の増額を行わないこと。そのための予算措置を2006年度予算において行うこと。
  2. 障害者自立支援法について、障害当事者、家族及び事業者への説明会を早急に市の責任において実施すること。また、市民の不安や疑問の声に対し、即応できる体制を特別につくること。
  3. 小規模作業所の新制度への移行に関して、説明や要望を聴く場をつくるとともに、移行に関しては、事業主体の意向に配慮し、現行の公費水準を引き上げ、運営の安定化が図られるよう、市として十分な加算を行うこと。
  4. 小規模作業所及び重症心身障害児小規模通所援護事業の補助制度について、制度を維持し、拡充を図ること。
  5. 地域活動支援センターは、最低定員を5名とし、障害程度区分による利用制限はせず、介護給付と同水準の補助とすること。
  6. 現行法定施設(授産、更生、療護)の新体系への移行に関して、説明や要望を聴く場をつくるとともに、現行の支援費水準を維持するよう、市として加算を行うこと。
  7. 現行グループホームの新体系への移行に関して、入居者や事業者の要望を十分つかみ、これまでの生活を維持できるようにすること。また、現行の市の加算措置を継続すること。

請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第23号
平成17年
11月28日
公的保育制度の堅持を求める請願 天白区保育団体連絡協議会 黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産)

天白区の保育所では、長年課題になっている待機児童問題と並行して、延長保育、障害児保育、休日・年末保育、一時保育、病児・病後児保育等子育てに関する要望が次々に出されている。また、学童保育所は、親の就労を支援するとともに児童に適切な遊びと生活の場を与えるところであり、なくてはならないところであるが、公的な責任、財政保障は限られたものであり、必要があっても利用できない実態がある。

ついては、未来を担う子どもたちが健やかに育っ環境・地域づくりのため、次の事項の実現をお願いする。

  1. 営利企業の保育への参入を認めないこと。
    1. 名古屋市の優れている保育水準をさらに進めること。
    2. 公私間格差是正制度を守ること。
    3. 保育所で育つ子どもにとってとても大切な給食について、正規職員による給食を守ること。
  2. 保育所の待機児童解消のために、待機の多い3歳児の枠を拡大したり、必要な施設改善費と人件費を拠出すること。
  3. 学童保育所を守り、発展させること。
    1. 助成対象児童を4年生・5年生・6年生まで拡大すること。
    2. すべての土曜日を長期休業中と同様に、実態に即して午前中から補助すること。
    3. 午後6時までの時間延長手当てを実態に見合った基準単価にして助成すること。
    4. 障害児受入れ1人ごとに補助金を交付すること。
    5. ひとり親世帯の児童が学童保育所に入所しやすいように、助成制度を新設すること。
  4. 安心して働くことができるような保育制度を充実させること。
    1. 一時保育実施園を増やすこと。
    2. 病児・病後児保育を制度化すること。
    3. 休日・年末保育を実施すること。
    4. 公立保育所の保育開始時間を午前7時30分にすること。
    5. 障害児保育を充実させること。
      ア 3歳未満児も障害児認定をし、入所を希望する子どもたちが入所できるようにすること。
      イ 障寄児保育の受入人数及び受入時間を増やすこと。

 


請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第24号
平成17年
12月6日
働きながら安心して子どもを産み育てられるよう保育の公的責任の堅持と保育・学童保育施策の拡充を求める請願 愛知県保育団体連絡協議会 黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産) のりたけ勅仁(民ク)

少子化の進行にもかかわらず保育所入所児童数は毎年増加しているところ、生活様式や雇用形態の変化等の社会状況が子どもの育ちや発達に大きく影響を及ぼしており、今日の保育所には、保育だけでなく、地域での家庭の支援等複雑な役割も求められている。

このような中、政府は少子化の克服を課題として国を挙げて次世代育成支援施策を進めるとしているが、地方と企業に次世代育成行動計画の策定を求める一方で、保育予算の一般財源化・交付金化や保育所と幼稚園の現行水準以下でよしとする総合施設の創設を図るなど、保育の公的責任とナショナルミニマムを大きく後退させようとしている。

名古屋市でも、既設保育所への超過入所や認可外保育施設への吸収で待機児童の解消を図っている上、社会環境の変化に対応した保育サービスの実施も遅れているのが実情であり、次世代育成支援を進める立場から、抜本的な子育て支援対策が求められている。

ついては、働きながら安心して子どもを産み育てられるという基本的立場から、市の公的責任の名において子どもたちの人権を尊重し、その健やかな育ちを最大限保障しうる保育施策が速やかに実現されるよう、次の事項の実現をお願いする。

  1. 営利企業の保育所への参入を認めないこと。
  2. 名古屋市の公的責任を堅持し、公立保育所甲民営化をしないこと。
  3. 次の項目を最低必要な保育・学童保育施策として緊急に行うこと。
    1. 一般財源化や交付金化により保育所予算を削減しないこと。今日の保育所の役割を踏まえ、それらの役割を果たせるよう予算を増額すること。
    2. 保育所入所待機児童を解消すること。待機児童の解消は、詰込みではなく、保育所の新設や増設により定員を増やして行うこと。
    3. 平成16年度から有料化されたB階層の保育料を無料にすること。
      子育て世代の経済的な負担を減らすために保育料を値下げすること。
    4. 障害児保育の拡充を図ること。
    5. 公立保育所の給食業務は正規職員で行うことを原則とし、嘱託化を見直すこと。
    6. 民間社会福祉施設運営費補給金制度を継続。拡充すること。
    7. 病後児保育の定員を増やし、実施施設を広げること。また、現在、病後児保育を実施している施設には補助を行うこと。
    8. 休日保育を実施している保育所に対して早急に補助を行うこと。
    9. 託児室への補助を家庭保育室と同額とすること。
    10. 託児室の認可を進めるために公有地の貸与等の検討をすること。
    11. 認可外保育施設に通うすべての子どもたちが安全に保育を受けられるよう最低基準を守らせること。また、認可保育所に通う子どもたちとの処遇の格差を埋めるような施策を検討すること。
    12. 学童保育を必要とするすべての子どもたちが入所できるように学童保育所の助成金を実態に合わせて増額すること。
    13. 学童保育所の多くは午後6時を越えて開所しており、また、指導員は準備を含め午前中から仕事をしていることを踏まえ、現行の午後1時からの補助ではなく、せめて午後0時からの補助にすること。
  4. 保育所・幼稚園のそれぞれの機能と役割を低下させる総合施設はやめること。

 


請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第25号
平成17年
12月6日
介護保険での施設及び通所系サービス利用者の食費補助等の制度化を求める請願 愛知県社会保障推進協議会 黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産)

介護保険法が改正され、それまで介護保険から出されていた居住費や食費が全額保険給付の対象外とされた。

施設入所については、補足給付によって低所得者の負担は軽減されるものの、利用者負担第3段階では、多床室で月1万5000円の負担増になり、利用者負担第4段階では、施設との契約により設定されるが、月2万4000円以上の引上げになった。また、通所系サービスであるデイサービス・デイケアについては、介護サービス費用の1割負担のほかに、1食300円〜400円程度の食材料費相当額を負担していたが、これに食事提供加算の廃止で調理費相当額が上乗せされることになり、1食700円〜800円程度と従来の2倍近くに負担が増すことになる。しかも、入所系サービスと違い、通所系サービスの食費には低所得者の軽減措置はなく、過当競争にある通所事業所では利用者に負担を転嫁しきれず、通所事業所が負担することによって1食500円〜600円に抑えているのが実態である。

通所系サービスは高齢者の閉じこもり防止や機能回復等に大きな効果があり、厚生労働省も介護予防の推進の中で大きな位置付けをしている。食費の負担増によって利用の抑制も既に始まっている。今後、税制度の改正や介護保険料の引上げ、医療費の負担増等負担がますます増える中で、一層の利用抑制が予測される。

ついては、介護予防を充実させるため、次の事項の実現をお願いする。

  1. 平成17年10月からの食費・居住費の負担増を緩和するため独自の補助制度をつくること。
  2. 在宅要介護者の閉じこもり防止と栄養改善のため、通所系サービス利用者の食費補助を制度化すること。

 


請願番号 受理年月日 請願名 請願者 紹介議員
平成17年
第26号
平成17年
12月6日
国の責任を患者・地方自治体に転嫁する医療制度構造改革に反対する意見書提出を求める請願 愛知県社会保障推進協議会 黒田二郎 梅原紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口清明 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口一登(以上共産)

政府は、2006年の通常国会に医療制度構造改革案の提出を準備している。その内容は、第一に、高齢者医療に関し、70歳から74歳までの負担割合を現行の原則1割から原則2割に引き上げるなど、高齢者に大幅な負担増となるものである。また、75歳以上の高齢者医療を別立てとする制度は、介護保険に倣って運営主体を都道府県単位にしようとするものである。第二に、都道府県単位に医療保険を再編しようとしているが、これは国の責任を地方に転嫁し、その付けを住民に押し付けるものである。特に、都道府県単位で医療費抑制を競わせ、都道府県ごとに保険料や診療報酬単価に幅を持たせることは、全国民に等しく安心・安全な医療を保障する公的医療保険の役割から認められるものではない。

小泉内閣になってからこれまでの医療改革によって、我が国の医療保障制度は国際的にも患者の実効負担率は際立って高いものとなり、国民所得に占める国民医療費は先進国中で最低レベルとなった。既に、必要な医療が受けられない人々は増加しており、また、医療機関経営の困難による医療機能・地域医療の弱体化が進行した。

もし、また2006年に医療改革が強行されれば、一層国の責任が患者・地方自治体に転嫁され、地域医療の混乱は明白である。

ついては、貴議会が次の事項を内容とする意見書を国会及び政府に提出されるようお願いする。

  1. 2006年通常国会に提出される医療制度構造改革案に反対すること。