1974年に、公立保育所における障害児保育が制度化された。2005年4月1日現在、公立保育所には364名、民間保育所には241名の障害児が入所している。
2002年に実施された文部科学省の全国実態調査では、知的発達に遅れがないものの、学習面や行動面で著しい困難を持っていると担任教師が回答した児童生徒の割合は約6.3%という結果が出た。これまでの特殊教育の対象者の割合は約1.5%であったことから、実態調査の結果はかなり高い数値と言える。
昨年度の障害児保育アンケートにおいても、公立保育所への入所希望者数が年々増加している。親が就労していたり、支援施設から発達援助で入所を勧められたりするなどの理由により、民間保育所を含めた保育所入所希望者数も年々増加している。また、出生児の3〜5%は何らかの障害を持って生まれてくると言われる中、1か所当たり3人という現在の名古屋市における入所枠は非常に少ないと言わざるを得ない。
そして、現在は名古屋市の方針で、公立保育所への3歳未満の障害乳幼児は入所が認められておらず、専門機関での集団生活が必要と言われているにもかかわらず、入所することができない。
また、療育施設の通園部では年齢の高い幼児の入所が優先され、乳児が入所することは難しくなっており、行き場を失っているのが現状である。
ついては、子どもは大人たちの豊かなっながりの中で守られて育つという理念から、次の事項の実現をお願いする。
- 集団生活が可能な障害乳幼児については、3人枠を外して、1人でも多くの障害乳幼児を受け入れること。
- 保育所生活が可能な3歳未満の障害乳幼児の保育所への入所を認めること。
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