意見書・決議日本共産党をはじめ各会派から提案された11件の意見書案について、議会運営委員会理事会で協議が行われ、4案件は適切な修正を行って合意し、成立しました。 日本共産党の提案した3案件のうち、出資法の上限金利の引き下げ等を求める意見書(案)は、同趣旨の請願が出されたことに配慮して取り下げました。他の2件は他党派が反対し議案として本会議に上程することはできませんでした。
太字で表示された、セルの背景が黄色いものは可決された意見書
《採択された意見書》愛知厚生年金会館の存続に関する意見書政府は、年金・健康保険福祉施設の整理合理化を進めることとし、全施設を譲渡または廃止するとしている。 愛知厚生年金会館は、宿泊、会蔑、コンサート、演劇、学校公演及び地域の行事等現在まで多数の人々に利用されている。また、特にその大ホールは、多目的ホールとして高い評価を得ており、文化芸術の拠点として地域社会への貢献も大きいところ、同規模のホールを持つ愛知県勤労会館の廃止が示されたことから、この会館の必要性が一層高まっている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、愛知厚生年金会館の文化的役割等を十分に勘案し、その機能を存続するよう強く要望する。 少子化対策に関する意見書我が国は、急速な少子化の進行により、合計特殊出生率が過去最低の水準とならている。 政府においてはこれまでも少子化対策を推進しているが、大きな成果が得られていないのが現状である。こうした中、少子化の主な要因として子育てにかかる経済的負担の重さや仕事と子育ての両立の難しさなどが挙げられていることから、これらの問題に対して今まで以上に積極的に取り組んでいく必要がある。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、少子化対策をより一層推進するために、次の事項の実現を図るよう強く要望する。
インターネットを利用した選挙運動に関する意見書昨今、インターネットの普及は目覚ましく、社会経済活動に広く浸透し、国民生活の向上にも大きく寄与している。 こうした中、公職選挙法では、選挙運動に使用する文書図画の頒布・掲示についてインターネットの利用が禁止されているが、インターネットを選挙運動の手段として位置づけることにより、候補者情報の充実や国民の政治参加の促進等の効果が期待できることから、インターネットを利用した選挙運動の解禁が強く求められている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、公職選挙法を改正し、インターネットを利用した選挙運動を解禁するよう強く要望する。 C型肝炎対策の推進に関する意見書国民に感染が広がっていると言われるC型肝炎は、本人が感染を自覚しないことが多く、気づかないうちに慢性肝炎から肝硬変や肝がんへ進行する可能性があるため、早急な対応が課題となっている。 こうした中、国はC型肝炎検査を行う体制の整備を図るなど、総合的な対策に取り組んでいるが、さらに、その根絶に向けて、低迷する検診率や感染の一因とされる未処理のフイブリノゲン製剤(止血剤)の使用追跡調査などの問題を解決するとともに、安心して診療等を受けられる体制を整備することが必要である。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、C型肝炎対策の一層の推進を図るため、次の事項を実現するよう強く要望する。
《日本共産党が提案し、採択されなかった意見書(案)》出資法の上限金利の引き下げ等を求める意見書(案)消費者金融・クレジット・商工ローン等で多額の債務を負い返済困難に陥った多重債務者や中小零細事業者は、リストラ・倒産による失業や収入減・生活苦・低所得などで自己破産を強いられており、多重債務者を生み出す大きな要因の一つに高金利が挙げられる。 現在、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(以下「出資法」という)での上限金利は年29.2%であり、ほとんどの貸金業者等がこの出資法の上限金利で営業している。厳しい経済情勢の中であえぐ一般市民が多重債務に陥らないためには、出資法の上限金利を少なくとも利息制限法の制限金利まで早急に引き下げることが必要である。 また、出資法附則に定める日賦貸金業者(日掛け金融)についての、年54.75%という特例金利は直ちに廃止する必要がある。同様に、電話加入権が財産的価値をなくしつつある今日、電話担保金融の年54.75%という特例金利についても直ちに廃止すべきである。 一方、貸金業の規制等に関する法律(以下「貸金業規制法」という)では、この利息制限法の例外を認める、いわゆる「みなし弁済規定」の存在が貸金業者等の利息制限法違反金利(民事上無効)での貸し付けを助長し、さらに多くの多重債務者を生み出していることから、その撤廃が必要となっている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項について、出資法及び貸金業規制法の改正を行うよう強く要望する。
薬物依存者とその家族への支援に関する意見書(案)薬物乱用者は200万人を超えるとされ、薬物再犯率は60%に上がり、深刻な社会問題になっている。「薬物依存は病気である」という認知が少なく、薬物依存は犯罪的行為として扱われ、その中で依存者本人とその家族は孤立・疎外を味わい家族崩壊、自殺も後を絶たない。この苦しみから一刻も早く救い出すことが行政に求められている。 政府は平成15年に「薬物乱用防止新玉か年戦略」を打ち出し、「薬物依存・中毒者の治療、社会復帰の支援によって再乱用を防止するとともに、薬物依存・中毒者の家族への支援を充実する」と明記した。しかしながら、依存者と家族らのよりどころは公的には設けられておらず、家族会や民間リハビリテーション施設(ダルク、DARC=Drug Addict Rehabilitation Cerlter)がその役割を果たしているのが現状である。問題はそれへの公的な援助が全く行われておらず、その運営に大変な苦労を家族らが重ねていることである。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、薬物依存者とその家族への支援を推進するため、次の事項について実現を図るよう強く要望する。
患者負担の増大を招く医療制度改革の中止を求める意見書(案)政府は、開会中の第164回国会に「医療制度改革大綱」に基づく医療制度改革関連法案を提出した。医療分野の構造改革を進めるというこの法案は、高齢者の負担を現在の原則1割から70歳から74歳までは2割へ所得によっては3割へと引き上げる、長期入院の高齢患者に食費と居住費の負担を新たに求める、さらに高齢者医療制度を創設し75歳以上の高齢者から新たに保険料を徴収するなど、高齢者に多くの負担を強いるものとなっている。 また中長期の医療費抑制策として都道府県ごとに医療費の抑制目標の設定などを義務づけ、国が抑制不寸分とみなせば診療報酬によるぺナルティーを課す仕組みを導入しようとしているが、これは医療への国の責任を地方に転嫁し、医療制度の地域格差を広げかねず認められない。さらに「大綱」では混合診療の拡大なども検討されているが、これらは国民皆保険制度の土台を掘り崩すものであり容認しがたい。 日本の医療費水準は、経済水準に比して決して過大ではない。高齢者、低所得者が増大しつつある中でのこのような負担増は、市民の暮らしと健康保持にとって重大な影響を及ぼすおそれが大きい。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、医療制度改革を中止するよう強く要望する。
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