発達障害者支援法では、学童保育の利用について適切な配慮をすることが規定され、学童保育の障害児に果たす役割が大きくなった。障害児の発達保障のためには、何より指導員の関わりが大変重要である。
2003年に制定された次世代育成支援対策推進法に基づき名古屋市で策定された「なごや 子ども・子育てわくわくプラン(名古屋市次世代育成行動計画)」において、2009年度には児童館16館で留守家庭児童クラブを実施し、留守家庭児童育成会198か所に運営費の助成を行うとする目標が出されている。しかし、現状の施策では、そのつくり手は地域に委ねられており、毎年2、3か所の学童保育所が土地探しに奔走している。何より今、子どもを取り巻く環境で大きな問題である安全を考えれば、公園を含む学校近くの公用地に、1小学校区に1学童保育所をつくることが必要であるし、このことが学童保育所を増やすことにつながる。
土地を借りる場合、多くは3年契約である。土地の貸し手が年々少なくなってきている今、公の責任がないまま土地を借りることは大変難しくなっている。また、このことが、子どもの生活場所となっている学童保育所の多くをプレハブのままにしていることにもつながっている。埼玉県所沢市では、名古屋市をモデルにしてプレハブで学童保育所を始めたがこ現在は子どもの生活場所という観点から、市が借地人になり、学童保育所を木造の建物にしている。子どもの生活環境からも、耐震性能を含む安全面からも、仮設プレハブではなく、本建築の施設であることが保護者の願いである。
また、対象児童が20人以上の学童保育所について助成されている人件費は、午後5時までは2人分であるが、午後5時から6時までの1時間は1人分である。理由は午後5時以降は子どもの数が減るからということであるが、減るのは子どもを保護者に引き渡す時間帯だからである。この時間帯は、子どもの学童保育所での姿を保護者に伝える重要な時間帯でもあり、1人が伝え1人が子どもを保育するなど、最低でも2人が必要である。特に安仝面からも2人分の助成が必要である。
指導員に関して名古屋市から支給される金額は、13政令指定都市中、人件費を換算しない大阪市を除くと神戸市に次いで低い金額である。子どもの命を守る指導員には、それにふさわしい単価が必要である。現在は多くの所で保護者負担等により指導員の保障をしているが、限界がある。経験加給を付けるなどして、単価を切り上げることが、学童保育施策を充実させる重要なことである。
ついては、次世代を生み育てていく社会の一環として、学童保育を必要とする子どもが全員入所できるよう学童保育施策を充実させるため、次の事項の実現をお願いする。
- 保護者負担を軽減し、学童保育を必要とする家庭の子どもが学童保育を利用できるよう、現行制度を改善すること。
- 国の制度にならい、障害児受入れ1人から補助金を交付するとともに、補助金を増額すること。
- 保育室確保のために、国・県・市の公的な財産(施設・土地)の積極的な利用促進を図り、その土地の確保を名古屋市の責任において行うこと。また、民間の土地を有償で借りる場合は補助金を出すこと。
- 指導員の人件費1人分となっている午後6時までの時間延長手当を、大規模育成会には2人分助成すること。
- 学童保育の指導員の補助単価を上げること。
※紹介議員
黒田二郎 うめはら紀美子 わしの恵子 さとう典生 山口きよあき 村瀬たつじ かとう典子 田中せつ子 田口かずと(以上共産) 吉田伸五 うえぞのふさえ 梅村邦子 梅村麻美子 おくむら文洋 鎌倉安男 久野浩平 郡司照三 斎藤亮人 須原章 田中里佳 ちかざわ昌行 服部将也 諸限修身 山本久樹(以上民主) 伊神邦彦 稲本和仁 岡地邦夫 工藤彰三 斉藤実 中川貴元 中田ちづこ 坂野公壽 村松ひとし 横井利明 渡辺義郎(以上自民) 冨田勝三(ロ) のりたけ勅仁(民ク) 西村建二(自ク) |