名古屋港管理組合議会 一般質問(2006年11月13日)
山口きよあき議員

飛島ふ頭及び新宝ふ頭における土地等の売買について

山口議員

民間の土地のままで整備を進めた飛島ふ頭南側コンテナターミナル

【山口議員】
補正予算案ではトヨタとの土地の売買が最大の案件となっています。飛島ふ頭南側のコンテナターミナル用地をトヨタから44億円で購入する一方で、新宝ふ頭の公共岸壁及び土地を45億7千万円でトヨタに売却するというものですが、公共ふ頭の整備に要した国庫補助金や起債について返還や繰上げ償還が必要となり、その関連で14億円の歳出が加わります。一方で、飛島ふ頭南側の用地の一部を国に11億8千万円を売却することもあわせて計上されており、歳入歳出のバランスはほぼとれているように見えますが、見過ごせない点がいくつかあります。(資料A 参照

名古屋港整備の最大の目玉、スーパー中枢港湾のモデルバースの建設事業が、民間の土地のままで上物の整備を進めてきたのはどういう経緯なのでしょうか。資料を見ると第3バース予定地もほとんどが民間の土地です。公共事業を進めるときは用地確保から始めるのが普通ですが無責任ではありませんか。他のコンテナターミナルでこんな土地所有の所はありません。すべて管理組合などの所有地です。今回買い入れる土地は、平方メートル単価4万4500円でトヨタから買う提案ですが、4年前に第一バース造成のためトヨタから買った土地は当時の平方メートル単価が4万3900円とうかがいました。今回より安い価格です。企業の土地に税金を投入してターミナル整備を進め、土地の価値を高めてあげて買い上げる。これではまるでトヨタの土地の付加価値を高めるために、管理組合は仕事をしてきたようなものではありませんか。

管理組合は背後地の整備のためといってトヨタから土地を買わされるのに、完成したターミナルは国から、トヨタ物流サービスが30%出資し最大の出資者になっているTCB(飛島コンテナふ頭株式会社)に直貸しされ、名古屋港管理組合は、この岸壁の管理運営にも事実上関与できません。トヨタから土地を買い、整備したターミナルを事実上トヨタ資本の会社に貸し出す。まさにトヨタのための港湾整備と言わなければなりません。そして国の直轄事業だからと、岸壁だけでなくコンテナターミナル用地も国が買い取り整備できるというのならば、奥行き500メートルのトヨタ所有の土地もふくめて、管理組合ではなく国に直接、取得させるべきではありませんか。飛島ふ頭南側のコンテナターミナルはこれで管理組合の公共岸壁と言えますか。トヨタの専用岸壁か国有岸壁じゃありませんか。国直轄事業の下で、管理組合の存在理由はどこにあるのか明らかにしてください。

150mまでは国、500mは組合が整備する

【企画調整室長】
飛島ふ頭南側コンテナターミナルは公共埠頭であり、背後ヤードの土地取得を交渉したが、一部は賃借で整備を進めた。

直轄工事の対象は港湾法できまる。スーパー中枢港湾に指定され、飛島ふ頭南側コンテナターミナル第2バースの施工範囲は岸壁法線から150mとなり、その範囲を国が取得する。

飛島ふ頭南側コンテナターミナルはモデルバースの使命として、国際競争力を高めることが求められ、国は直轄工事の岸壁、本組合は背後用地を一体となって、長期にターミナルオペレーターに貸付けて、国際競争力の強化を支援する。

公費でつくった新宝ふ頭をトヨタへ売却

【山口議員】
トヨタに新宝ふ頭を専用ふ頭として売却する問題です。(資料B 参照

名古屋港には新日鉄をはじめ数々の専用ふ頭、企業用地がありますが、そういうところでは岸壁の整備もふくめて企業が負担してきたのではありませんか。土地代等に含まれているとは思いますが、公共岸壁整備のための国庫補助事業の経費返還分、11億円は土地代とは別に、専用ふ頭として使用するトヨタが負担するのが当然ではありませんか。配布された要求資料では、土地代は造成費用をのぞくとあります。岸壁整備も原価償却があるとはいえ公的に整備された価格以下で売却されます。これでいいのでしょうか。公共事業で税金を投入し、土地を造成し、岸壁の整備を進めてきたのはある特定の企業のためではなかったはずです。

このままでは結果的に税金を使って、トヨタ専用の港づくりを進めているとの批判は免れません。答えてください。

ほとんどトヨタが使っているから

【企画調整室長】
補助事業の国庫還付金はトヨタ自動車株式会社への岸壁売払費に含まれる。

新宝ふ頭公共岸壁及び荷さばき地は、完成自動車を中心に鉄鋼、化学薬品などを取り扱う公共埠頭として整備したが、現在ほとんどがトヨタ自動車株式会社の完成自動車の取扱いだ。

今後も他の利用が見込めず、専用化による更なる荷役の効率化で名古屋港への集荷の拡大に寄与し、「ものづくり中部」を物流面からより一層支援できることなどを総合的に勘案し、名古屋港港湾計画で専用埠頭として位置付けた。

トヨタの思惑にふりまわされた港湾整備だ〈再質問〉

【山口議員】
新宝ふ頭に関する国庫補助の還付金はトヨタが負担すると言うことですね。それでも安いのではありませんか。

答弁をきいていると、管理組合は、国とトヨタの思惑にふりまわされながら右往左往しているように思えました。とくに飛島ふ頭南側のコンテナターミナルについてです。公共事業なのに、土地も取得しきらずに民間から土地を借りて、税金を注ぎこんで整備を進め、価値があがった時点で土地を買う。買ったと思ったら、そのターミナルはトヨタ資本の会社に直貸しされて、管理組合は運営にはタッチできない。岸壁の使用許可権限すらないのです。だったら最初からすべてトヨタ資本で整備させれば済む話じゃないですか。

しかも、そこでは社会実験といいながら港湾で労使の努力で形成されてきた労働のルールもコスト削減の名の下で、くずされてきています。それで公共の岸壁と言えますか。公共のものだからと管理組合が権限を発揮するのは、有事のとき、国民保護業務計画が発動されるときだけですか。

専用ふ頭と公共岸壁のちがいが飛島ではあいまいになっています。名古屋港の公共岸壁というのなら、相手がトヨタだろうと国だろうと、自治体としてもっと主体性をもって交渉すべきです。負担だけさせられていてはダメじゃないですか。

港湾法とスパ中の指定によって、第1バースの時より第2バースの方が、国が責任もつ事業範囲が広がったという答弁でした。それならば本来、国の直轄事業であるスーパー中枢港湾の計画に該当する整備事業は岸壁部分だけでなくコンテナヤードも含めて100%国の責任で行うべきと考えますが、いかがでしょうか。再度、見解をうかがいたい。

国、組合、トヨタは一丸になって取り組む

【副管理者】
効率的な管理運営を目指し、国、港湾管理者、民間事業者一丸となった取り組みが不可欠であり、これにより、ものづくり中部を物流面で強力に支援したい。

言うべきことは言え(要望)

【山口議員】
一丸となって取り組むとの答弁でした。お金だけ出すのではなくて、言うべきことはしっかり言うということだと受け止めておきます。スーパー中枢港湾のモデルバースの運営にも、積極的に関与していただきたい。とくに港湾で働くルールが壊されることのないように強く要望しておきます。

高潮・津波対策について

スーパー伊勢湾台風規模の襲来予測に対する対策を

【山口議員】
私は、これまでにも何度か名古屋港の地震津波対策について、質問を重ねてきました。とくに阪神淡路大震災で現実に起きたように、地震による液状化で堤防や防波堤、防潮壁が沈み込み、そこへ高潮や津波が襲ってきたらどうなるのかと質問し、複合災害への備えを強めるように訴えてきましたが、今年8月の防災訓練では、地震・台風の同時複合災害への備えが訓練のテーマになりました。これは名古屋港における防災対策が一歩前進したものとして評価したいと思います。

しかしまだまだ十分に安全が確保されたとは言いがたい状況があります。今年6月、国土交通省中部地方整備局は、学識経験者らでつくる「中部地方の天変地異を考える会」で「スーパー伊勢湾台風」による浸水予測を発表しました。地球温暖化による台風の規模の巨大化を考慮し、起こりうる最悪のケースを想定したというこの被害想定では、高潮が最大5.17mの高さに達すると予測していますがこの5.17mは東京湾の平均水面を基準としており、名古屋港ではこれより1.4m高い6.57mの高さになります。高潮防波堤は6.5m、防潮壁も6mから6.5mですから、この高潮は、名古屋港の堤防をゆうに越え、港区では最大4mの深さまで浸水し、浸水被害は名駅周辺まで広がるという深刻な被害想定となっています。(資料C 参照

管理組合として、この国交省のスーパー伊勢湾台風規模の襲来予測をどう受け止めたのでしょうか、そしてどう必要な対策をとるのでしょうか。

被害想定に注目している

【防災・危機管理担当部長】
「スーパー伊勢湾台風」は「中部地方の天変地異を考える会」において、過去最大の台風が、この地方における最悪のコースをたどった場合を想定し、検討している台風だが、今後、被害想定の精度を高め、具体的な対処方法が提言される予定だ。この提言の内容について注目している。

高潮防波堤の耐震対策を働きかけよ

【山口議員】
次に高潮防波堤の耐震性能は万全か、という問題です。3年前に質問した際、国交省中部地方整備局でうかがった話では、高潮防波堤の知多半島側数百メートルは地盤が液状化するおそれがあり、耐震診断が必要かどうかもふくめて調査検討する、ということでした。当局は「高潮防波堤は国の管轄ですから国の調査検討を見守る」との答弁でした。ところが国に問い合わせたところ、3年たった現在もいまだ調査検討中とのことでした。高潮防波堤は名古屋港の防災計画全体の要です。そこでうかがいます。国任せにするのではなく管理組合として、至急、高潮防潮堤の耐震診断、耐震補強対策を進めるように強く国に迫るべきではありませんか。

液状化が想定され、対策等の検討中

【建設部長】
高潮防波堤の耐震対策は、現在、国土交通省中部地方整備局において調査をすすめており、「一部において液状化が想定されていることから対策等、詳細について検討を進めている状況である」と聞く。

防災計画の見直しを

【山口議員】
以上をふまえ、あらためて名古屋港の防災計画を見直す必要があると思いますがいかがでしょうか。

スーパー伊勢湾台風に関する動向をみる

【防災・危機管理担当部長】
「スーパー伊勢湾台風」に関する提言の内容と国の動向を、しっかりと見極め、適当な対応を図りたい。

主体性を持って防災対策を(要望)

【山口議員】
地震による津波と台風による高潮、どちらもこれまでの被害想定をくつがえすような研究が進んでいます。同時にハリケーン「カトリーナ」やジャワ島沖の地震と津波など、現実に大きな災害が発生しています。

先週の火曜日(11月7日)には、新潟東港コンテナターミナルで風速30メートルの強風でガントリークレーンが倒壊し、作業員休憩所(マリンハウス)を直撃し、3人が負傷した事故も起きました。原因はまだ調査中ですが、いままでの想定をこえる事態が相次いでいます。

一方で、名古屋港の高潮防波堤は築40年をこえ、いざというときに役に立つのか、不安の声が少なくありません。被害をこうむるのは国土交通省ではなく名古屋港であり、市民・県民、とりわけ港区民にとっては死活問題です。防災機能の総点検が必要と思いますが、せめて高潮防波堤の耐震改修、必要な補強工事を急ぐよう、港の管理者として主体性を持って行動してください。強く要望しておきます。

庁舎の移転新築問題について

まちづくり計画との整合性はあるか

【山口議員】
耐震性能を高め、防災拠点として機能できる新庁舎を建設する必要性はよく理解しているつもりです。問題を複雑にしているのは、PFI方式にこだわるあまり本庁舎跡地と港湾会館跡地の利用計画も事業者に一体的に提案させること、と新庁舎に港湾会館機能をあわせて建設するという二つの点です。

まず、まちづくりのプランとPFI事業の整合性についてうかがいます。この地区のまちづくりは「築地ポートタウン計画」に沿って行われてきました。「築地ポートタウン計画との整合性に配慮した利用計画を事業者に求めていく」と6月議会で答弁ありましたが、この計画の総括と次期計画が明らかにならねば、庁舎の新築移転計画も立てられないということになるのでしょうか。この関連はタイムスケジュール的にはどうなっているのか。明らかにしてください。

築地ポートタウン計画の策定作業の中で本庁舎等の整備も議論する

【総合開発担当部長】
名古屋市と共同で策定した「築地ポートタウン計画」に基づいて、築地地区のまちづくりを進めており、本組合は臨海部の開発を担い、これまで親しまれる諸施設の整備、民間施設の誘致を行ってきた。

築地ポートタウン計画は目標年次を平成19年としており、平成19年前半には新たな計画を策定するよう作業を進めている。同計画の策定作業の中で本庁舎等の整備も議論をお願いしており、地域の皆様の意見を十分に反映して進めている。(資料D 参照

港湾会館の福利厚生機能を維持すべきだ

【山口議員】
港湾会館についてうかがいます。港湾会館機能を新庁舎にどう盛り込むのか、まず港湾会館の果たしてきた福利厚生機能をどう評価しているのか、PFIの特定目的会社の管理運営になったとしてもこの福利厚生機能はしっかり維持すべきと考えますがいかがですか。先日の特別委員会の答弁では、会議室の低廉な料金設定は見直されるような答弁でしたが、そうなれば港湾会館の機能が変質するのではありませんか。

福利厚生機能は時代により変化する

【港営部長答弁】
港湾会館は、昭和46年に結婚式場、ホール、会議室等の機能を持つ総合福利厚生施設として建設したが、その時代に要求された福利厚生機能の役割は、果たして来た。

しかし、時代の変遷で同会館に要求される福利厚生機能は変化している。本庁舎との合築に際しては、会議室を整備する。

ホールは存続を

【山口議員】
現在のプランではホールは廃止し、会議室はつくると言いますが、ガーデンふ頭地区には、ポートビルにも会議室はあります。また年間数日しか利用しない議場を多目的に使えば会議室機能も代替できる、との意見もあります。

新庁舎をガーデンふ頭のにぎわいづくり、親しまれる港づくりに役立つものにするというのなら、文化的催しで大勢の人々が集えるホールをつくる方が、地元やガーデンふ頭の諸施設にとっても波及効果が高いと私は考えますがいかがですか。

ホール建設には、それこそ関連企業からの寄付を募ったりと方法はいろいろ考えられます。イタリア村が成功したと言われますが、地元には渋滞だけが押しつけられたという声も少なくありません。仮に港湾会館や現庁舎跡地に大型店が出店するとなれば、地元商店にとっては、にぎわいどころではないのです。

代わりの施設はいろいろある

【総合開発担当部長】
名古屋港湾会館ホールは、老朽化や設備の陳腐化で利用率の低下が著しく、赤字による財政負担も増加し、福利厚生施設としての使命時終えたものとの認識から、廃止を検討している。

港湾会館ホールに代わる施設としては、名古屋市港文化小劇場等の類似施設も整備されており、また、ガーデンふ頭においても従来から文化的な催しの場として、ポートハウスを開放している。

新たに整備する港湾会館の大会議室は、300人程度の催しであれば対応可能予定であり、金城ふ頭には、民間による2,500席から3,100席の多目的利用も可能なフットサルスタジアムの整備も予定されており、ホールの代替機能は確保できる。

市民県民が参加する議論の場をつくれ

【山口議員】
どんな開発計画がふさわしいのか、どんな庁舎をつくるのか、港湾会館のホールをどうするのか、こういった問題について、事業者の提案を待つのではなく、市民・県民の参加で幅広く議論することが必要ではありませんか。

ホールを利用していた文化団体もふくめ、幅広い市民県民参加で新庁舎づくりを議論すべきです。県市負担金を財源に新築するというのならなおのこと、市民県民が意見を出し合い、みなとのまちづくりを議論しあう機会をつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

地元・港湾関係団体には説明

【総合開発担当部長】
これまでに、地元団体で構成される「みなとまちづくり連絡会」及び港湾関係団体に説明しているほか、地元学区住民へのアンケートも検討している。

また、本庁舎等の整備事業のPFI手続きである実施方針公表時には、幅広く県民市民の質問・意見を受け付ける機会もある。

庁舎等の整備と新たな築地ポートタウン計画の策定は、順番が逆ではないか〈再質問〉

【山口議員】
港湾会館の福利厚生機能について、会議室以外はもう役割は終わった、ホールもいらない、という答弁でした。

港湾会館条例第一条は「港湾関係者、船員その他海事関係者の文化及び教養の向上と福祉の増進を図るため・・・港湾会館を設置する」となっています。条例変更の議論もせずに、建て替えのドサクサにまぎれて変更するのですか。求められる機能が変わるというのなら、なおさらホール利用者をふくめた市民県民、港湾関係者と意見交換する機会を設けるべきではありませんか。会議室はそれこそポートビルにあり、コミセンや労組の会館もできている。300人規模の大会議室を設けるといいますが文化小劇場も同様の規模です。ホール機能こそ必要ではありませんか。

シンプルな庁舎の建て替えだけなら、私はそんなにこだわりませんが、庁舎建て替えの話を港湾会館やまちづくりの問題とセットで言い出したのは、あなたがたですよ。大きなプロジェクトにするになら、それにふさわしい市民県民参加の場を設けるべきではありませんか。

築地ポートタウン計画に見合った事業プランの提出でなければ、いままでの説明と矛盾するではありませんか。PFI事業の実施方針公表時に意見を受け付けるとの答弁でしたがそれは今月の予定でしたね、まだポートタウン計画の改訂できていませんよ。募集要項等の公表は3月の予定でしたね、でも答弁では新たなポートタウン計画は19年度前半とのことです。順番があべこべではありませんか。

事業者の提案に沿って、まちづくりをするのですか。ちがうでしょ。築地ポートタウン計画をしっかりつくり、それに見合った事業を提案するのが筋じゃありませんか。いまの答弁では納得できません。再度、責任ある答弁を求めます。

築地ポートタウン計画をしっかりつくり、それに見合った事業を提案すべきだ

【副管理者】
「築地ポートタウン計画」は、計画の目標年次、土地利用の方向や整備構想等を示すものだ。一方、事業プランである本庁舎等の整備につきましては、現計画を踏まえて計画の具体化を図るもので、段階的に手順を踏んで進めている。

築地ポートタウン計画との整合性や広く県民・市民の意見をお聞きして事業を進めていくことは、重要であり、これまでも、そのような認識で対応したし、今後も同様に進める。

庁舎について(要望)

【山口議員】
再答弁を聞いても、やはり順番、事業の進め方はおかしい、と言わねばなりません。そして住民の意見をしっかり反映させるまちづくりの事業には、PFIはなじまないと思います。

庁舎の建て替えは、管理組合の仕事を、市民県民に理解していただくチャンスでもある、と6月議会で言いました。そのチャンスを活かしてほしいのです。

事業者まかせやまちづくりの計画がないまま、事業者の提案待ちでは、まちづくり、地域開発はうまくいきません。金城ふ頭はどうなっていますか。アウトレットモールの先行きは不透明、野外音楽場ができたと思ったら、今度はフットサル場、行き当たりばったりです。ガーデンふ頭、築地地区のまちづくりは、そんなことでは困ります。ポートタウン計画の議論が始まっていますが、ホールは必要だ、ワンルームマンションはダメだ、などいろいろな意見が住民から出ています。意見をしっかり聴き、市民県民参加の議論が進み、新庁舎建設に市民県民の後押しができて初めて、庁舎建設の負担を市と県に胸をはって要望できるようになるのです。

港湾会館の問題をふくめて、しっかり議論できる機会を設けることを重ねて要望して、質問を終わります。

国民保護業務計画について

守るべき利用者とは誰か

【山口議員】
業務計画の素案が示されました。この素案に出てくる、管理組合が守るべき「利用者」とは誰のことなのでしょうか、管理組合職員ではない民間の港湾労働者は含まれるのですか、またTCB(飛島ふ頭株式会社)やNCB(名古屋コンテナふ頭株式会社)が運営するふ頭やいわゆる企業の専用ふ頭などで働いている人たちは保護業務の対象となるのでしょうか、お答えください。

水族館の入館者や港湾で働く人々など

【防災・危機管理担当部長】
業務計画の対象者は、基本的には本組合の管理する施設の利用者等であり、水族館の入館者や、港湾で働く人々などを対象としている。

企業の専用埠頭で働く人々は、愛知県及び隣接市村の国民保護計画により、安全確保措置を実施することとなっているが、TCBやNGBなどコンテナターミナルで働く人々は、公共に準じた施設として、必要な措置を講じていきたい。

国民の保護と自衛隊・米軍の港の使用とどう両立するのか。

【山口議員】
現実には、国民の保護、避難誘導を目的とする国民保護法と、軍艦に港湾施設の優先使用などを定めた特定公共施設利用法や米軍行動関連措置法などが、同時に発動される事態が予想されます。その時は、保護業務計画では保護し避難させる対象となる職員や港湾労働者が、軍事目的のための動員対象になるのではありませんか。管理組合が作成する保護業務計画でうたう国民の保護と自衛隊・米軍による名古屋港の利用は両立しないと思いますがいかがですか。

保護のためだから相容れるものだ

【防災・危機管理担当部長】
国民保護法に基づく避難誘導等にかかる安全確保と、特定公共施設利用法に基づく米軍や自衛隊への港湾の提供は、ともに「国民の生命、身体、もしくは財産の保護、又は武力攻撃の排除を図るため、特に必要が有ると認めるとき」であり、相容れるものと考えております。

憲法の精神を踏まえた平和外交を(要望)

【山口議員】
戦争のための米軍・自衛隊の港湾利用と港湾従事者の避難誘導と、ほんとうに両立すると考えているのですか。岸壁は軍艦にお貸しするが、職員、労働者は先に避難させました。あとはどうぞ勝手に使ってください、となりますか。もともとの法律に無理があると私は思いますが、今日は国民保護計画そのものの議論はしません。こんな法律は発動しないのがいちばんです。港湾管理者として、名古屋港も加盟している国際港湾協会の「交易を通じて世界の平和を!港湾を通じて世界の交易を!」というモットーと日本国憲法の精神を踏まえた平和外交を積極的に展開するよう要望します。

 

 

資料A

コンテナターミナル・新宝ふ頭の場所

飛島ふ頭の第2バース南側の150m国直轄部分
組合から国へ売却 11億8021万円(51,500円/m2 22,916.76m2
飛島ふ頭南側コンテナターミナルの北の部分 99,943.03m2
1967年10月31日 組合から大昭和製紙へ売却 5億7,137万円(5,700円/m2
  大昭和製紙からトヨタ自動車へ売却  
2006年度補正予算 トヨタ自動車から組合へ売却 44億4,746万円(44,500円/m2
(参考) 飛島ふ頭南側コンテナターミナルの南の部分
今回供入する隣接地 99,943.03m2
1999年 トヨタから組合へ等価交換(新宝ふ頭の北方) (43,900円/m2
トヨタに売却される新宝ふ頭の整備費と売却額
  整備費 売却額
岸壁 35億868万円 28億1,842万円
土地 3億2,247万円(造成費は除く) 17億4,764万円(68,500円/m2

資料B

飛島ふ頭南側コンテナターミナル

コンテナターミナル詳細

新宝ふ頭

新宝ふ頭詳細

資料C

スーパー伊勢湾台風による高潮災害予測図

資料D

ポートタウン計画のゾーニング

 

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