意見書・決議(2007年2月議会) 日本共産党をはじめ各会派から提案された7件の意見書案、及び経済水道委員会で陳情が採択されたことに伴う意見書案を含め8件について議会運営委員会理事会で協議が行われ、4案件は共同提案の合意が得られ、3月16日に議決しました。
太字で表示された、セルの背景が黄色いものは可決された意見書
《採択された意見書》総合交通体系の確立に関する意見書現在の厳しい財政状況の中、効率的な社会資本整備が求められている。特に交通分野においては、各種交通手段の特性に応じた役割分担を図り、環境への負荷を低減した交通体系を確立することは極めて重要である。 また、すべての人が安全・円滑・快適に移動できる、利用しやすい公共交通機関の整備が求められており、これらの社会的要請にこたえ得る総合交通体系を構築することが喫緊の課題となっている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、環境への負荷が少なく、かつ、すべての人の移動の権利を保障する総合交通体系を確立するための法整備を行うよう強く要望する。 愛知厚生年金会館は、宿泊、会蔑、コンサート、演劇、学校公演及び地域の行事等現在まで多数の人々に利用されている。また、特にその大ホールは、多目的ホールとして高い評価を得ており、文化芸術の拠点として地域社会への貢献も大きいところ、同規模のホールを持つ愛知県勤労会館の廃止が示されたことから、この会館の必要性が一層高まっている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、愛知厚生年金会館の文化的役割等を十分に勘案し、その機能を存続するよう強く要望する。<
がん対策の推進に関する意見書我が国では、長年にわたってがんが死亡原因の第1位であり、現在では、死因の約3割を占めるに至っている。また、がんによる死亡数は、今後も増加するとの試算もある。 こうした中、がん対策基本法が制定され、我が国で対応がおくれている放射線治療の専門医等の育成や緩和ケアの充実などの方針が基本的施策の中に盛り込まれ、がん対策を戦略的に推進することが明示されたが、実効性のあるがん対策を大きく前進させるためには、早期にがん対策推進基本計画を策定し、具体的計画的な施策を早急に実施することが必要である。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、放射線治療の専門医等の育成研修及び連携する大学医学部の体制の充実や医療従事者への緩和ケアの研修の義務づけなどの具体的な施策を早期に実現するよう強く要望する。
大型商業施設の撤退対策に関する意見書少子高齢化の進展のもと、歩ける範囲で商業、文化、福祉等の都市機能を集中的に配置し、高齢者を初めすべての市民にとって便利で暮らしやすいコンパクトなまちづくりがさまざまな場で議論されている。 このような中、地域の商業において一定の役割を担ってきた大型商業施設が、営業・戦略の見直しなどにより撤退することになれば、住民の買い物の場の喪失などによって、町の活力は低下し、市民生活の全般にわたり多大な影響を受けるおそれがある。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、大型商業施設が撤退に至る場合には、事業者が早期に近隣住民・近憐商業者への情報提供を行うとともに、自治体との協議や施設の跡地活用及び周辺商店街の活性化への協力を行うなど、法制化を含め撤退時における具体的なルールを策定するよう強く要望する。
トンネルじん肺の根絶に関する意見書じん肺は、大量に粉じんを吸引することによって発症し、結核や気管支炎などの合併症を引き起こして死に至る危険性がある疾病であり、トンネル建設工事や鉱山等の現場において多くの患者が発生してきた。 このような中国においては、第6次粉じん障害防止総合対策を実施するなど一定の対策に取り組んできたところであるが、現在もなお、トンネル建設工事の現場において多くのじん肺患者が発生していることにかんがみ、その根絶に向けた取り組みの強化が必要である。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、トンネル建設工事の現場における実際の作業環境を把握するための粉じん濃度測定の義務づけや坑内労働者が粉じんに暴露される時間の短縮・規制など、トンネルじん肺の根絶に向けた抜本的な対策を講ずるよう強く要望する。
《日本共産党が提案したが、採択されなかった意見書》乳幼児医療など国民健康保険に係る国庫負担金の減額算定措置の廃止を求める意見書(案)少子化の進行が大きな社会問題となっており、子育て家庭の経済的負担を軽減するさまざまな施策が各自治体で取り組まれている。とりわけ医療費の一部負担を免除する乳幼児医療費助成制度は、すべての都道府県・政令市で単独事業として実施されている。 ところが、国民健康保険に係る国庫負担金の減額算定措置により、乳幼児医療など福祉医療制度を現物給付方式で実施している地方自治体では、国保に係る国庫負担金が減額されており、財政運営上の大きな支障となっている。これは政府が推進する少子化対策とも逆行する。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、乳幼児・子ども医療費助成を初め自治体の福祉医療制度に係る国保国庫負担金の減額算定措置を廃止するよう強く要望する。
介護予防に関する改善を緊急に求める意見書(案)「要支援」高齢者を対象にした介護予防ケアプランづくりは、地域包括支援センターでケアマネジャーなどの職員が担っているが、職員1人当たりの介護予防ケアプランの作成件数は、厚生労働省の調査をもとに推計すると、昨年9月から今年3月までで倍加するものと見込まれている。関係者からは「プランづくりに追われる現状から、これ以上、件数がふえたらプラン作成が間に合わず、必要なサービスを受けられなくなる高齢者が急増しかねない。国は職員の増員など抜本的な見直しを急ぐべきだ」との声が強く上がっている。 また、昨年4月から介護報酬が改定され、介護予防ケアプランの作成に係る介護報酬が約半額に引き下げられた上、プラン作成の委託にケアマネジャー1人当たり8件までという件数の制限が設けられたことなどにより、地域包括支援センターから委託を受けてプラン作成に当たっている居宅介護支援事業所の撤退も懸念されている。介護認定を受けてもサービスが利用できない人を1人も出さないよう、抜本的な改善策が緊急に必要となっている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。
柳澤伯夫厚生労働大臣の暴言に関する意見書(案)柳澤伯夫厚生労働大臣が、1月27日島根県松江市で行った講演の中で、少子化対策に触れ「女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と発言したことは、女性を侮辱し、人間としての人格と尊厳を否定するもので許されないことである。 この暴言に対し、安倍首相は反省と陳謝を繰り返すものの、罷免せずかばい続けており首相の人権感覚・憲法感覚が問われている。 我が国が1985年に批准した女子差別撤廃条約では、いつ、何人子どもを産むかを選ぶ自由、そのための情報と手段を得ることができる権利が、重要な人権として確立されている。 政府は、少子化対策を最重要課題としているが、安心して子どもを産み育てる環境をつくること、結婚したくてもできないワーキングプアをなくすことこそ政府の責任で行うことである。わけても、福祉・健康・労働における人格と尊厳、国民の人権を守る上で大きな障害となる今回の厚生労働大臣の発言は、特に許しがたいものである。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、柳澤伯夫厚生労働大臣を罷免するよう強く要望する。
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