2007年2月定例会 個人質問 かとう典子妊婦健診について質問するかとう議員 妊婦健診の公費助成の回数拡大を【かとう議員】 私は、市外から3年前に引っ越してきて、緑区で出産された若いお母さんからこんなご意見をお聞きしました。「妊婦健診が周りの市では3回から7回まで無料なのに、名古屋は2回だけと聞いてがっかりした。」と言われました。子どもを産むまでに経済的負担が大きく、とても子どもを産めないと悩んでいる若い夫婦がたくさんいます。妊婦健診費用は、健康保険適用外のため、一回5千円前後かかり、妊娠前期は月1回、妊娠後期になると隔週から更に毎週と、受診することになっているため、経済的に負担が大きいのです。子育て支援というなら、子どもが宿ったときからの支援が重要です。 これまでわが党は、妊婦健診の負担を軽くするために無料の回数を増やすよう求めてまいりました。これに対して、市当局は「他の指定都市も同様の実施回数なので、その動向を見守りたい」と消極的な態度を示してきました。 妊婦健診の拡大状況
※新年度実施予定を含む 本年1月16日付、厚生労働省から通知が出ましたが「妊婦健康診査の公費負担の望ましいあり方について、妊婦が受けるべき健康診査の回数は13回から14回程度となり、公費負担についても14回程度行われることが望ましい。財政厳しい折り、公費負担が困難な場合でも、最低限必要な健康診査5回程度の公費負担を実施することが原則」と書かれています。 こうした国の動きとともに、多くの自治体が、妊婦健診の無料の回数を増やしています。たとえば、大府市では、新年度から妊婦検診14回全部無料となります。知立市では10回、東海市では7回無料です。本市でも、当然、妊婦健診の公費負担の回数をもっと拡大して、若い夫婦を支えるべきです。そこでお尋ねします。 本市でも妊婦健診公費負担の回数を、厚生労働省のいう最低限5回以上に拡大することは当然やらなければならないことだと考えますが、午前中の議員の質問にたいして、他都市の動向や、財政状況を踏まえながら検討すると答弁されました。しかし、厚生労働省の通知では財政状況が厳しくても最低限5回が原則だといっているんです。速やかに妊婦検診の公費負担回数を5回以上に増やすべきではないでしょうか。
本市における多重債務者対策について相談窓口への誘導策を充実し啓蒙策をはかれ【かとう議員】 1点目は多重債務を負った市民を相談窓口に誘導することについてです。 複数の金融業者から借金をして、本人の支払い能力以上の借金を抱えてしまった人のこと多重債務者とをいいますが、私が市民の方からいろいろな相談をうけるなかで、多重債務者からの相談が多くあります。自分を責め、絶望のふちに立って多重債務の実情を打ち明ける方に、私は「話してくれてよかった。必ず解決できますよ」と言って相談にのり、また、弁護士や司法書士などの専門家など相談機関を紹介します。初めは青ざめていた方が、特定調停をして、法定金利で計算しなおし返済残高が減り、また、利息の過払いでお金が返ってくるなどして、解決ができたり、解決の見通しができると、この方たちは生きる姿勢を取り戻し笑顔になります。 名古屋市消費生活センター発行の「くらしのほっと通信」には「多重債務者へのアンケート結果によると、初めて借金をした理由の1位は「収入の減少」(25.6%)2位は「低収入」(20.0%)。半数近くの方が生活費のために借り入れをはじめていることからも、多重債務はちょっとしたきっかけで、誰もが陥る可能性がある」と書かれています。まさに借金をすると、高金利と厳しい取り立て、更に過剰融資で、ますます深みにはまります。格差と貧困の広がりのなか、貧困層を狙うサラ金業者の看板や店舗が目立ち、テレビにはにこやかなCMが流れています。多重債務者となった方たちは、現代社会の被害者といっても過言ではありません。 現在、全国では200万人以上いるといわれる多重債務者で、相談窓口にアクセスできている人は2割以下、残りの人たちはどうしているのでしょうか。 多くは、家族にも打ち明けられず、一人で悩んでいます。多重債務者が自殺して、死後、届いたサラ金からの督促状で、初めて遺族が借金に気付くということもまれではありません。 みずから命を絶つ事例があとをたちませんが、こうした悲劇を避けるためには、「どんな多額の借金でも必ず解決する方法はある」ということをもっと広く知らせ、多重債務解決のための相談窓口への誘導を図る必要があると思います。 そこでお尋ねいたします。 多重債務者の解決を、相談窓口へ誘導するために、相談窓口の広報啓発活動を、積極的に進めるべきではないでしょうか。「広報なごや」に毎月掲載したり、「町内会の回覧板」で定期的に知らせるとか、「市バス・地下鉄の全車両につり看板をかける」など、もっと知恵を駆使すべきと考えますが、お答えください。 2点目は相談窓口の充実についてです。 昨年末、国会で、多重債務者を減らす施策として「貸金業法」が成立し、付帯決議に「自治体の相談窓口の充実」が盛り込まれました。多重債務を抱える住民に対する支援体制を整備するというものです。自治体の各部署が連携して多重債務者問題に取り組めば、相談件数も増え、生活再建につながりやすくなります。多重債務者は、市民税、国民健康保険料、介護保険料の滞納はもちろん、市営住宅の使用料、保育料、給食費、公立高校の学費、上下水道料金まで、滞納していることがまれではないと思います。また、生活保護の受給申請、家庭内暴力や児童虐待などの情報も、多重債務との関係があることも多いと思われます。現在、市民の公的な支払いを受ける収納窓口は個々に独立していますが、本市内部で関係部署との連絡機関を立ち上げ、各種公共料金等が滞っている市民については、窓口での対応や家庭訪問などの中、多重債務を発見し、援助することが重要です。多重債務者は、税金や国保料など、払うべきお金を、サラ金などに払っているのですから、多重債務が解決すれば、市の収入も増えることにつながります。 特に行政の収納窓口に「借金の解決法と相談場所」を示した印刷物を置くとともに、窓口担当職員が多重債務のサインを見逃さないよう、多重債務に関する知識を身につけることが必要ではないでしょうか。そこでお尋ねします。 市民経済局から情報を発信し、職員、特に窓口担当職員に多重債務に関する知識及び意識啓発を図るべく、庁内各部署での研修会などを実施すべきと考えますが、答弁を求めます。 3点目は多重債務に関する青年向けの消費者教育についてです。 ある若い女性は、カードを作って、そのカードを使って買い物をすると、通帳に残金が無くても買い物ができる。気付いたときには200万円も使っていたと聞きました。あまりにお金に関する知識が無いまま、カードが簡単に手に入ることが問題です。また、青年の二人に一人は、非正規雇用といわれている中にあって、低賃金、不安定雇用で貧困から抜け出せない若者が借金に手を出すことが多くあると思います。 消費生活センターでは、消費者教育を積極的に進めているとお聞きしますが、高齢者向けの講座が多く、青年向けは、昨年は、専門学校など10箇所で行なわれているそうですが、青年向けの消費者教育がもっともっと必要です。青年対策を充実すべきではないでしょうか。 中学校、高校、大学、地域など青年向けに、お金に関する学習会や講習会など消費者教育を充実させ、多重債務者の予防教育に取り組むことが必要だと考えますが、当局の答弁を求めます。
全庁的なとりくみで解決を(要望)【かとう議員】 今、全国でも、多重債務者対策が進んできており、奄美市の庁内連携の実践は全国から注目されています。3月2日の政府の多重債務者対策有識者会議では岐阜県の取り組みでの意見が出され、「県が旗振りをして市町村に研修をするのは非常に効果的である。」「実際に多重債務者の声を聞けば、借金は自己責任などといっている人も、いやでも考え方が変わる」「多重債務者対策は住民のためだけでなく(税収などの面から)自治体のためになる。」などの意見が出されています。 本市でも多重債務に関するこの取り組みは、市民経済局は今まで以上のエネルギーが必要ですし、全庁的に、協力が必要です。しかし、市民の命がかかっている問題であり、先にも申しましたが、市民が払うべき税金や国保料など市の収入が増えることにもつながるのですから、ぜひ強力に進める事を要望いたします。
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