意見書・決議(2007年6月議会) 日本共産党をはじめ各会派から提案された10件の意見書案について、議会運営委員会理事会で協議が行われ、6件は適切な修正や調整を行って5案件にまとめ、共同提案に合意し、成立しました。
太字で表示された、セルの背景が黄色いものは可決された意見書。意見書名を修正した場合は修正後の件名を掲載。 《採択された意見書》医師等の充実に関する意見書少子高齢化の進展などに伴い、医療を取り巻く社会環境は大きく変化しており、安心して利用できる医療サービスを実現するためには、医師、看護師等の充実が喫緊の課題となっている。 こうした中、本市においては、休日や夜間における小児科の救急受診が増加しているが、小児救急医療体制は十分なものとは言えず、その拡充が急務となっている。 また、一安全で行き届いた医療を実現するためには、医師のみならず、看護師、助産師の役割が重要であり、その充実を図るとともに、医療の高度化、多様化等に対応できる資質の向上が求められている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。
都市農業に関する意見書都市の農地は、農産物の生産のみにとどまらず、自然環境の維持や防災・治水などの多面的な機能を持っている。また、食の安全性に対する意識、我が国の低い食料自給率に対する危機感や食育への関心が高まる中、都市農業はますます重要になっている。 しかしながら、農業従事者の後継者不足や商齢化、低い収益性や租税負担による農業経営の圧迫などから、都市における農地、農家は減少している。こうした中、耕作放棄地の利用促進や持続可能な都市農業を実現する環境整備などが強く求められている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、相続税初め農業を取り巻く税制全般の見直しを図るとともに、さらなる振興が図られるよう都市農業に焦点を合わせた新しい振興施策を構築するよう強く要望する。 異常気象による災害への対策及び地球温暖化対策の充実に関する意見書近年、我が国においては猛烈な台風の襲来や局地的な集中豪雨の発生など、自然災害により甚大な被害が発生している。 こうした異常気象による災害と地球温暖化の関係はこれまでにも指摘されており、地球温暖化対策における各種の施策が実施されてきたところである。しかしながら、温室効果ガスの総排出量は今なお増加傾向にあり、異常気象による災害への対策や地球温暖化対策をより一層進める必要がある。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項について早期に実施するよう強く要望する。
銃器対策の充実強化に関する意見書本年4月の長崎市長銃撃事件に続き、5月には愛知県長久手町で拳銃立てこもり事件が発生し、相次ぐ銃器を使用した犯罪の発生に国民の間に不安感が高まっており、国においては新たな銃器対策に取り組んでいるところである。 警察庁によると、昨年中に発生した発砲事件の約7割が暴力団等によるとみられており、長崎市及び長久手町での発砲事件についても暴力団絡みであることから、銃器を使用した犯罪を根絶するためには、発砲事件の大部分を占める暴力団等を中心に銃器対策を一層強化する必要がある。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、銃器の密輸入防止対策の一層の強化等を図るとともに、銃器所持等の不法行為が判明した組員の所属する暴力団等の幹部に対する罰則を検討するなど、暴力団等を中心に徹底した銃器対策を早急に講ずるよう強く要望する。 子どもの医療費無料化に関する意見書我が国では急速に少子高齢化が進んでおり、このまま少子化の流れが続けば社会・経済に深刻な影響が出てくるものと思われる。 少子化の背景には様々な要因が挙げられるが、子育てにかかる経済的な負担の重さが大きな要因の一つと言われており、国においてはその軽減のために児童手当制度を拡充するなど、一定の対策に取り組んでいるところである。 一方、本市では子どもの医療費について、通院費は小学校就学前まで、入院費は小学校3年生までの助成を実施しており、他の地方公共団体でも独自に助成制度を設けているところは多いものの、国庫補助はなく、対象年齢など制度の内容が各地方公共団体で異なっているのが現状である。 しかし、少子化問題は我が国にとって最重要課題の一つであることから、子どもの医療費無料化についても国を挙げて取り組んでいくことが必要である。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、子どもの医療費無料化を実現するための財政措置を講ずるよう強く要望する。 《日本共産党が提案したが、採択されなかった意見書》最低賃金に関する意見書(案)働いても生活保護水準の収入さえ得られないワーキングプア(働く貧困層)が社会問題となる中、主要国で最低水準となっている最低賃金の引き上げを求める声が強まっている。 ILO(国際労働機関)の調査によると、全国一律最低賃金制を法律で定めている国は、調査対象国101カ国中、59カ国と約60%に上り、先進諸国ではほとんど全国一律最低賃金制となっている。また、ヨーロッパ諸国では、最低賃金が大幅に引き上げられ、平均貸金の46〜50%に引き上げられ、将来的には60%にまで引き上げる運びと言われている。 これに対し我が国では、全国一律最低賃金制度が未確立であり、産業別・地域別最低賃金制度が続けられている。しかし、2006年度の地域別最低賃金は、愛知では694円となっており、フルタイムで働いても月収11万円台であり、日本の最低賃金は労働者の平均賃金のわずか32%にとどまっているのが実態である。したがって、国内の労働組合でも労働者の平均賃金の約50%に当たる「時給1000円以上」の要求が掲げられている。日本でも世界の水準におくれをとることなく、暮らしが成り立つ貸金が十分保障されなければならない。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、最低賃金を引き上げるよう強く要望する。 政府の責任で年金記録の調査を求める意見書(案)10年前に行われた「基礎年金番号」制度の導入時に番号の統合ができなかった年金記録が5000万件を超えるとして、大きな社会問題になっている。年金の記録が宙に浮き、もらえるはずの年金が減額されたり、もらえなかったりする事例が相次いで発覚し、国民の年金制度に対する信頼が大きく揺らいでいる。 政府は「氏名、性別、生年月日」の3条件が一致したものだけに連絡するとしているが、実効性が低いと言わざるを得ない。また、政府は年金記録の訂正について本人が証明することを求めているが、年金制度を信頼して納付をした国民が何十年も前に納付した記録をきちんと保存しているはずもなく、被害者に責任を押しつけるものである。政府の責任で、国民の不安を解消することこそが今求められている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、政府の責任によって宙に浮いた年金記録を調査し、その解決を図るために次の事項について特段の配慮をするよう強く要望する。
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