2007年6月定例会 議案外質問 かとう典子議員(2007年6月25日)録画中継を別サイトにて配信しております。 子育て支援について
保育所の待機児童解消を急げ【かとう議員】 私の住んでいる、緑区の実態を見ますと、0歳から、5歳までの児童数が、14,000人余り、区内の保育園の定員は、超過入所児童数を加えても、3,300人足らずです。昨年、区内の保育園に入れなくて、他の区の保育園に、通っていた児童数は、南区へは258人、天白区へは183人、瑞穂区へは59人など、合わせて550人を超えていたという事です。その上に、待機児童数は、昨年発表した数で、88人にのぼります。 区画整理事業などで、新築住宅や、マンションに住む、若い家族が増えています。「就労予定という理由でも、入所できることになっているのに、働いてないからと、後回しにされた」という声を聞きました。ローンを抱えて、経済的に厳しいから、夫婦で働きたいと希望しても、保育園に入れないと困っているのです。
また、「緑区の保育園に入れなくて、南区まで通っているが、私が病気のときは、送って行けない」という声が、寄せられています。小さな子どもを、自宅から遠く離れたところにある、保育園に入れるということは、毎日の、子どもの送迎だけでも、子育て家庭にとって、大きな負担です。住んでいる地域に、保育園が必要です。 また、子どもが1日過ごす環境が問題です。保育園の、部屋の広さ、庭の広さ、職員の資格、体制などの、条件が整っていることが必要です。児童福祉法で定められた、人的、物的環境などの、条件を満たしている認可保育園で、受け入れるべきと考えます。 そこで、お尋ねいたします。働きたくても、子どもを預ける保育園がなく、困っている市民が多い地域に、認可保育園の増設を、早急に進めなければならないと思いますが、対策について、お答えください。 子どもは待てません。急いで認可園の増設を(意見)【かとう議員】 今の答弁でも、保育所の整備と合わせて、既設保育所の、定員増・超過入所等進めると、「超過入所」を繰り返し言われました。超過入所に頼るのは、もう限界です。基準の範囲内とはいえ、いつまで、子どもたちを、すし詰め状態にしておくつもりですか。ただでさえ、保育園の整備が追いつかず、預ける保育園が遠くなり、子どもたちが、保育園で過ごす時間が、延びているのです。子どもたちの、良好な生活環境を維持するためにも、待機児問題の解消は、超過入所に頼ることなく、認可保育園の新設と定員増を、基本にすべきです。 そして、計画の7ヶ所の新設、9ヶ所の増築を、急いでください。2010年まで待てません。特に、待機児童の多い地域での、対応を急ぐよう、強く要望しておきます。 中学校卒業までの子どもの医療費無料化を【かとう議員】 先の一斉地方選挙では、多くの候補者が、子育て支援として、子どもの医療費無料化を、訴えたと思います。子どもの、医療費の無料化の、拡大は、市民から、要望の多い課題です。愛知県下でも、大府市では、今年10月から実施するなど、近隣の市町村で、中学校卒業までの、医療費の無料化が、大きくすすみ、名古屋市民の関心も、強くなっています。いまや、医療費無料制度は、中学校卒業までが、当たり前の、情勢です。また、ある市民からは「豊明市から引っ越してきて、所得制限がある事に、驚いています。名古屋市は、子育て家庭に、冷たい」という声まで、寄せられています。 そこで、お尋ねいたします。子育て支援策の、重要な課題である、子どもの医療費無料化を、所得制限を撤廃し、入院も通院も、中学校卒業まで拡大し、早急に実施すべきと考えますが、お答えください。 多額の経費増を伴うので、慎重に検討していく必要がある(子ども青少年局長)【子ども青少年局長】 「入院・通院とも中学校卒業まで拡大し、所得制限を撤廃する」という制度の拡充には、多額の経費増を伴うので、慎重に検討していく必要がある。子どもの医療費助成制度の拡充は、平成20年度を目途に、県と十分調整を図りつつ、検討を進めたい。 子育て支援に、本気で取り組むつもりなら、すぐできる(意見)【かとう議員】 2月議会では、中学校卒業まで、所得制限なしに、制度を拡充するための所要額は、50億2千万円と、試算が示されています。しかし、この金額は現行制度のままの数字です。 来年度からは、どうでしょう。今まで3歳までの患者負担は、3割から2割に軽減されていましたが、国は、来年度から、これを、就学前まで拡大します。県でも、中学校卒業まで、入院の無料化を進め、通院も、就学前まで、補助を拡大する予定です。国や、県の動向を踏まえれば、本市の負担は、かなり少なくなります。 仮に、50億円としても、今年度の一般会計9,792億円の、わずか0.5%ですよ。子育て支援に、本気で取り組むつもりなら、市長の決断しだいで、十分可能な問題だと、指摘しておきます。 青年の働き方の実態調査を
若い世代の雇用が、深刻な問題だ【かとう議員】 今、若い世代の雇用が、深刻な問題です。平成14年就業構造基本調査は、少し古い統計ですが、名古屋市分の結果をみても、正規職員は減少、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託は、増加傾向にあることが、現れています。 マスコミでも「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」など、若い世代の貧困問題が、大きな社会問題となっています。ネットカフェに、寝泊りする青年からの、聞き取りによると、地方から、働きに来ている人も多く、「あまりに、仕事がきつすぎて、辞めてしまったが、次の仕事が見つからず、実家には帰りづらい。短期の請負はあるが、今月働いても、給料は、来月の末まで、もらえない。だから、日雇いのような仕事しかできない」とか「派遣の仕事は、6ヶ月経つと、次の仕事に変わらされて、キャリアを積むことができない」また「働いても、今の時給では、貧困から抜け出せない」など、不安定雇用、低賃金で、住む所がないという人たちの声です。 ところが、それだけでなく、「早朝からの仕事なので、ここで寝泊りしている」「終電がなくなれば、いつもネットカフェ」など、一方で、長時間労働など、働かせ方も、ネットカフェ難民を作り出す一つの要因となっています。青年の雇用現場では、労働基準法はそっちのけで、深夜までの労働、生活できない給料など、ひどい状況が少なくありません。 青年は、「正規雇用にしてほしい」「生活できる給料がほしい」「残業代を払ってほしい」「住むところがほしい」「人間らしい生活がしたい」などの、願いを持っています。青年が、未来に希望を持って、生きていけるようにすることは、本市にとっても、大切なことではないでしょうか。 そこで、お尋ねします。青年の置かれている状況を、リアルに見れば、今や大都市での、社会的弱者となっている青年も、多くいると思います。市当局は、この点を、認識されているでしょうか。この認識に立って、たとえば、青年の雇用・労働実態の「青年1000人聞き取り調査」を行ない、未来を担う、青年の願いによりそった、本市独自の、積極的な対策をとるべきと思いますが、お答えください。 国の各種調査統計や本の勤労者意識調査などで把握に努めている(市民経済局長)【市民経済局長】 青年の雇用の確保と安定は、持続的な経済発展を実現するうえでも大切であり、そのために、仕事と生活のバランスがとれ、青年が希望をもって働ける環境づくりを進めることが重要である。青年の生活や取り巻く環境は、国が行う各種調査統計や本市が実施する勤労者意識調査などで把握に努めており、引き続き機会を得て、的確な実態把握に努める。 「青年1,000人からの聞き取り調査」の実施を(意見)【かとう議員】 市長は、子ども青少年局を作り、次世代育成に、力を入れておられると聞いています。次代を担う青年に、安定した雇用を確保することは、次世代育成の、事業の中でも、大変、重要な課題だという、認識を持って、取り組んで、いただきたいと思います。 市民会館のネーミングライツはやめよ市民の猛反発があるのに文化振興に寄与できるのか
【かとう議員】 1963年に、劇団関係者や、音楽家、舞踊家らの、団体や個人が、市民会館建設を求めて、運動に立ち上がり、多くの、あらゆる層の市民の、声と運動が大きく広がりました。そして、市民局が設置された1972年、市民会館は、名古屋市民200万人突破記念として、建設されたという、歴史をもっています。 そして、これまで、市民会館は、長く多くの市民に親しまれ、市民の殿堂として、存在してきました。市民会館と言う名前も、市民の財産として、愛着を持たれてきたと思います。市民にとって、大切な施設です。
ところが、ネーミングライツ導入で、市民会館は「中京大学文化市民会館」と決まったとの事です。しかし、新聞報道では、「入学式を市民会館で行なう機会の多い愛知大。来年4月も、既に予約していたが、梅村学園が、同会館の命名権を買うという、一報が入った際、「愛知大学の入学式を中京大の名前がつく会館でやるのはおかしい」と急遽会場を変更した。」とありました。他にも、入学式や、卒業式、文化祭などで、市民会館を利用する、高校や大学も少なくなく、利用を差し控える学校が、増えかねません。どんな市民でも利用しやすいのが、市民会館のはずなのに、ネーミングライツを導入したために、市民の利用が、制限されようとしているのです。 そこで、市長にお尋ねします。市民会館の歴史や名称からみても、市民の財産であり、愛着を持たれてきた、市民会館のネーミングライツ導入は、やめるべきと考えますが、お答えください。 新たな財源を生かし、施設整備による機能向上や文化事業を充実する(市長)【市長】 中京大学からは、今後、ネーミングライツ・パートナーとして、文化振興に協力し、積極的に地域貢献を果たしていきたいと申し出をいただき、ありがたいことと思っている。市民を対象とした公開講座や、地域と共同して講演会や音楽発表などの文化交流事業に取り組まれる。こうした取り組みは、ネーミングライツ導入の効果と考える。 市民会館の名称が代わるが、新たな財源を生かし、施設整備による機能向上や文化事業を充実するなど、さらに、市民に魅力ある施設として利用できるよう、努力する。 理解と納得が得られないまま強行するな(再質問)【かとう議員】 市長の答弁では、市側の利益と、中京大学が、今後どのように利用しようとしているかということは、わかりましたが、市民の思いについては、何も言われません。市民会館の、名称変更を知った市民は、市民会館が、中京大学のものになったように感じたのです。市民会館の、設立に至る経過や、その後の、35年間の歴史、市民会館への、市民の愛着の深さを、市長は、どのように認識していますか。 多くの、市民や、文化関係者が、名称変更に、反対を表明しています。理解と納得が得られないままでの、名称変更は、問題がありすぎます。報道でも指摘されているように、少なくない利用者が、市民会館を、敬遠するような事態が広がれば、中京大学にとっても、イメージダウンにならないかと、私は心配です。 変更は、7月と聞いていますが、今からでも、遅くはありません。「中京大学文化市民会館」への、名称変更は、やめるべきです。再度、市長の答弁を求めます。 スポンサーの申し出はありがたい(市長)【市長】 市民の財産を、市民が使いたくなくなる名前にするな(意見)【かとう議員】 「公の施設の、利用の支障」となる恐れのある、市民会館への、ネーミングライツ導入は、やめるべきであると、強く申し上げ、私の質問を、終わります。
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保育所の増設や増改築のほか、定員超過入所をすすめる(子ども青少年局長)
【子ども青少年局長】
保育所に入所できない待機児童は、平成18年4月現在、362人となっている。待機児童の解消を図るため、保育需要が多い地域で、保育所の整備や既設保育所の定員増・超過入所等を進めており、全体的には待機児童数は減少している。
仕事と家庭の両立支援を図り、子どもと子育て家庭にやさしいまちづくりを進めるために、保育所の待機児童の解消は、大変重要である。保育所の整備は、名古屋新世紀計画2010第3次実施計画でも、新設7か所・改築9か所の目標を掲げて、19年度は、新設1か所、改築2か所を予定している。
今後も、地域の保育需要の動向を踏まえ、保育所の増設や増改築のほか、定員超過入所などの柔軟な対応により、保育所の待機児童の解消を図る。