2007年6月定例会 議案外質問 くれまつ順子議員(2007年6月22日)

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守山市民病院について

質問するくれまつ議員

病院縮小計画の見直しを

【くれまつ議員】
4年前につくられた市立病院の再編計画では、守山市民病院を独立した総合病院から東市民病院のサテライト病院へとその機能を大幅に縮小します。ベッド数は200から95へ減らし、入院をともなう手術が基本的にできなくなり、産婦人科では外来は残るものの、出産はできなくなります。

これに対し、「市民の命綱の市民病院が縮小されては困る」「入院ができなくなったら困る」など再編計画の見直しを求める声がひろがっています。私は、4月の選挙で「守山市民病院を守ります」と訴えてまいりました。市民の命と健康がおびやかされることのないように、守山市民病院について4点お聞きします。

第一は、守山市民病院のベッド数を縮小し、入院をともなう手術ができなくなることについてです。守山で入院ができなくなると東市民病院に入院となります。「東市民病院に行くには、市バスを2回乗り継がないと行けない。片道1時間ぐらいかかり、家族に負担が増えるから、毎日看病には行けない。せめて区内で入院ができるようにしてほしい。」などの声をお聞きしました。お年寄りが市バスを2回も乗り継いで、家族の見舞いに行けるでしょうか?家族が病気になってしまうのではないでしょうか。守山区には入院できる総合病院は守山市民病院しかありません。

市長は、市民に負担をかけてまで、病院を縮小し、市民に入院は東市民病院へ行きなさいというのでしょうか。縮小計画の見直しを市長にもとめます。

市立病院整備基本計画を着実に進める(市長)

【市長】
現在の市立病院は、多額の累積欠損金を抱え、医師臨床研修制度の改正による医師不足の影響や、診療報酬制度の改定に伴う看護師不足の影響を受け、計画策定当初よりもさらに厳しい経営状況だ。

5つの市立病院の医療機能や人材を集約することで、高度専門医療や救急医療の充実を図り、効率的な経営にできる市立病院整備基本計画を着実に推進していく必要がある。

この計画に基づき、守山市民病院は、外来診療を主体とした基本的な診療機能で地域医療を担い、市立病院としての役割を果たしていく。併せて、緩和ケア医療やペインクリニックに取り組んでいく。

大地震などの災害時における災害医療活動拠点としての位置づけを

守山市民病院

【くれまつ議員】
東海地震が発生し、守山区の北と南を流れる庄内川と矢田川にかかる橋が万一落ちた場合には、守山区は陸の孤島になってしまいます。病院の機能が縮小されたら、守山市民病院では手術対応ができません。災害時に重症患者は6kmも離れた東市民病院に運べというのでしょうか。「道路が寸断されたら、東市民病院にも行けないのでは?」と、市民は大変不安に思っています。日常的に手術対応を行わなくなった病院が、災害時に十分な救急対応をできるとは思えません。これで市民の命を本当に守れるのですか。

守山市民病院は、引き続き災害医療活動拠点として位置づけるべきだと私は考えますが、市長の見解をうかがいます。

市全体として安全を考えている(市長)

【市長】
市立5病院は、名古屋市地域防災計画に基づき、災害医療活動拠点として、重症傷病者の治療・収容や、医療救護班等を設置し、災害時の医療救護活動を行うことになっている。

守山市民病院は、平成13年度に建物の耐震改修を終了し、今年度は、ライフライン耐震化のための実施設計を行っていく。市立病院整備基本計画では、東部医療センター中央病院及び西部医療センター中央病院で、災害時医療の中心的な役割を果たすことができるよう必要な整備をする。

再編後の守山市民病院の災害時における診療機能は、グループ化を図る東部医療センター中央病院と機能連携を図り、市民の皆様が安心して暮らせるような方策を検討する。

守山市民病院の産科入院を維持せよ

【くれまつ議員】
守山区は人口が急増し、市内で4番目の人口となり、子育て世代が増えています。守山区の合計特殊出生率は1.47(平成16年)と名古屋市内で最も高くなり、毎年2000人近くの赤ちゃんが生まれています。ところが、現在守山区内でお産のできるところは、2つの診療所と7つの助産所がありますが、病院はただひとつ守山市民病院だけです。市民病院は、この5年間で1000人近い出産をサポートするなど大きな役割を果たしています。

ところがいま市内では、出産可能な医療機関は年々減少傾向にあり、5年前と比べると1割も減少しています。こういう時だからこそ、公的な医療機関として、市民病院の役割が重要です。それなのに今の計画が実施されると、守山市民病院では子どもが産めなくなり、さらに子どもの手術や入院さえも基本的にできなくなります。

子育てするなら名古屋と、子育て支援に力を入れてこられた市長にお聞きします。子育て世代の守山の市民やこれからこどもを産もうという方は、市民病院が縮小されたら、どうすればよいのでしょうか?

入院施設と連携していく(市長)

【市長】
守山市民病院での産科入院は、ここ数年大幅な減少傾向にある。一方で、病院で勤務する産婦人科医師特有の厳しい労働環境などにより、産婦人科を希望する医師が減少し、その確保が困難な状況にある。

計画では、西部医療センター中央病院で、妊娠後期から生後1週間までの期間をみまもる周産期医療の充実や、民間医療では確保が困難な産婦人科の365日24時間二次救急医療に取り組む。これが、本市の次世代育成支援の一翼を担うことになる。

守山市民病院の産科は、外来診療は引き続き行い、入院診療は、守山市民病院とグループ化を図る東部医療センター中央病院や西部医療センター中央病院と連携を図り、安心して出産できる場の確保に努める。

手術もできない病院で災害拠点になる、というのか(再質問)

質問するくれまつ議員

【くれまつ議員】
災害時の拠点病院としての位置づけについて、再度、市長にうかがいます。

答弁では、再編後でも守山市民病院は、「市民の皆様が安心して暮らせるような方策を検討する」とおっしゃいましたが、それはどんな方策なのですか。

いまの市民病院は災害医療活動拠点として位置づけられています。ところが答弁では、守山市民病院は「外来診療を主体とする」として、入院機能は大きく縮小です。産科についても「安心して出産できる場の確保につとめる」といいながら、入院分娩はできなくなる、ということです。

病院の機能がここまで縮小されては、災害時の安心の拠点にはとうていなりえません。市民の不安を解消する、「市民の皆様が安心して暮らせるような方策」とは、守山市民病院を引き続き、災害医療活動拠点として位置づけ充実させることです。

このことについて約束していただきたい。市長に再度答弁を求めます。

東部医療センターとの連携で(市長)

【市長】
災害時に傷病者を迅速に収容し、必要な医療救護活動を行うことは、市立病院が担う当然の役割である。再編後の守山市民病院の災害時における診療機能は、グループ化を図る東部医療センター中央病院と機能連携を図り、市民が安心して暮らせるような方策を検討する。

具体的には、被災者に対する応急処置、一時的な重症傷病者の収容や被災者の中央病院への迅速な搬送など、災害時における東部医療センター中央病院との役割分担、体制などについて検討が必要である。

安心して暮らせるようにせよ(意見)

【くれまつ議員】
市長から、災害医療活動拠点として位置づけると約束いただけず、納得できません。守山に住む市民の不安は解消されません。

守山市民病院への市バス路線の充実を

【くれまつ議員】
守山市民病院の周囲半径400mには、バス停がありません。ほかの市立病院にはどこも病院の目の前にバス停があります。車を運転できない高齢者や子ども連れの若いおかあさんたちが市バス1本で病院に通えるように、市バスの路線整備が必要ではないかと考えます。せめて、病院の玄関前にバス停を設け、地域巡回バス路線も通すなど、区民が利用しやすいよう病院への交通アクセスを改善すべきです。お答えください。

構造上むつかしい(交通局長)

【交通局長】
名古屋市交通問題調査会の第四次答申の趣旨に沿って、500メートルでバス停に到達できることなどを基準に整備を進めてきた。

病院前へのバス停設置には、バスの運行に適した道路が整備されていることが前提となる。 守山市民病院南側周辺の道路は、病院正門まではバスの通行が可能な幅員はありが、その先はワンマンバスでは通行ができない幅員になる。また、一方通行のため折り返しが出来ず、仮に一方通行が解除されても、相互通行に必要な道路幅員が確保できないので、現況では、病院正門にバス停を設けバスを運行することができない。

病院玄関までバスを通すという立場で真剣な検討をせよ(意見)

【くれまつ議員】
病院のバス停は400m先にあり、杖をついた高齢者には遠い距離です。高齢者の方が、バス1本で行けるようにしていただきたい。小型のバスで、病院の敷地内に車道や回転場をつくって、病院の南側から玄関に通し、北側に出て行くことなど、どうしたらバスを通せるかという立場で、もっと知恵を出し、市バスを通すことをぜひ検討していただくよう、要望します。

マンション建設による子育て支援施設の日照被害に対する本市の対応について

大森保育園や発達センターあつたのおひさまをまもれ

大森保育園前のマンションに抗議する看板

【くれまつ議員】
マンション建設による子育て支援施設の日照被害の対応について質問します。守山区大森に14階建て地上41mのマンションを建てる計画が昨年明らかになりましたが、その北東には127人のこどもたちが通っている名古屋市立大森保育園があります。計画では、秋から冬にかけて一番日照が必要である午後2時から4時の間、園庭と園舎が日陰になります。父母のみなさんは、建設計画の見直しを求め、建築業者と話し合いを重ねてきました。しかし、建築業者からの提案は、父母の納得の得られるものではありませんでした。ところが、建設の合意がないまま、名古屋市は協議終了の報告を受け取ってしまい、工事が始まりました。日照被害をうける大森保育園の設置者は松原市長です。市長は、保育園の父母のみなさんに直接会って願いを聞き、建築主に対して保育園が日陰にならないように、自らの責任で毅然とした態度ではたらきかけるべきではありませんか。市長お答えください。

発達センターあつたを調査する市議団

さらに、熱田区神宮にある知的障害児通園施設の「発達センターあつた」でも隣接する真南の土地に高層住宅の建設計画がもちあがっています。冬至には、朝から園庭のほぼ全体が日陰になるといわれています。そもそも「発達センターあつた」は、市直営の「あつた学園」でした。学園廃止後に社会福祉法人の経営となりましたが、瑞穂区・熱田区の全域と、南区・緑区の一部に住む障害のある子どもたちが療育を受ける場所として定められています。こどもたちは、ここ「発達センターあつた」しか選べません。現在、当初の高層マンションから計画が変えられるようですが、市長、この機会に、こどもたちの日照が奪われることのないように、高層住宅の撤回または日陰を作らない計画に変更するよう働きかけるべきです。お答えください。

所管局が窓口となって話し合いを(市長)

【市長】
大森保育園では、設置者の所管局が窓口となり、保護者の要望を伺うとともに、児童の生活環境を良好に維持する観点から、建設業者に対して日影等についての配慮を直接要請している。また、保護者と建設業者との話し合いの場を設置し、双方の理解が得られるよう努力を続けてきた。昨年末には、守山区の公職者会からも同様の要請がされた。それぞれの立場からの努力にも関わらず、なお、双方の主張に開きがあり、解決に至っていない。

発達センターあつたでは、配慮の要請など同様の対応を実施しているが、先日、建設業者側から、8階建てから階数を減らした高齢者対応住宅へ大幅な計画変更が示された。

本市で、教育施設等との協議が行われた件数は、昨年度79件、そのうち、紛争に至ったのは3件であり、大半が、話し合いの中で解決している。こういった問題は、双方で誠意を持って話し合うことによりお互いの妥協点を見出していくことが大切だ。今後も、所管局が窓口となり、引き続き、児童の生活環境を良好に維持する観点を踏まえ、対応をしたい。

業者に厳しく指導せよ(意見)

【くれまつ議員】
大森保育園の日照確保について、市長は、「双方で誠意を持って話し合うことが大切」といいましたが、マンション建設業者は、19日深夜に、建設に抗議をし、現場で夜を徹して監視している保護者の方を30人からの業者が取り囲んで、工事用の重機を強引にもちこみました。深夜の大騒音に近隣住民にも大変な迷惑をかけているという異常なやり方です。こどもたちの生活環境を良好に維持するというのなら、このような業者に対し、きびしく抗議をし、指導すべきです。所管局の対応の強化を強く要望します。

国のBSE全頭検査への補助打ち切り問題に対する本市の考え方について

質問するくれまつ議員

全頭検査を続けよ

【くれまつ議員】
現在、名古屋市においては、市民の安全・安心を確保するためにBSE全頭検査が実施され、昨年度は7791頭について行われています。ところが5月下旬に「国は、都道府県が行っている生後20ヶ月以下の牛を対象にしたBSE検査への全額補助を来年打ち切ることを決めた」との報道がありました。輸入牛肉の受け入れ緩和の動きがありますが、国産牛についても、BSEへの不安は引き続き大きいものがあります。そこで健康福祉局長にうかがいます。

市民の食の安心・安全のために、BSE全頭検査への国の補助打ち切りについて、反対の意思を表明し、市として来年度以降も生後20ヶ月以下のすべての牛を対象にしたBSE検査を継続することを宣言すべきではないでしょうか。お答えください。

国の動向を見てから考える(健康福祉局長)

【健康福祉局長】
BSE検査は、平成17年7月「厚生労働省関係 牛海綿状脳症対策特別措置法 施行規則」が改正されたことにより、すべての牛が検査対象であったのが、月齢21ケ月以上の牛のみが対象となった。しかし、国は規則改正後もBSE検査に必要な検査キットの費用について、すべての牛の検査分を国庫補助の対象とし、各自治体においてBSE検査の全頭検査が引き続き行なわれている。

本市は、今年度も従来どおりすべての牛に対し、食肉衛生検査所においてBSE検査を実施している。平成20年度以降のBSE検査の対応は、国からの情報を踏まえたうえで、市民の食の安全・安心を確保する観点から検討したい。

市民の安心・安全を守ることが第一だ(意見)

【くれまつ議員】
BSE検査について、「国の情報をふまえてから検討」という答弁でしたが、市民の安全・安心を確保する観点に立つならば、全頭検査の継続をすべきです。

 

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