2007年11月定例会 議案外質問 くれまつ順子議員(2007年11月29日)

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妊婦の安全・安心について

妊婦健診の受診実態を把握しているのか


質問するくれまつ議員

【くれまつ議員】
市内では年間およそ2万人の赤ちゃんが生まれていますが、妊婦が安心してお産ができない、お産難民といわれる問題が起きています。市内の産科施設は年々減っています。その一方、奈良県で妊婦がタライまわしされて死産した事件以降、ハイリスク出産に対応する周産期母子医療センターの拡充が全国的に課題となっています。妊婦の安全・安心について、数点うかがいます。

奈良のケースでは妊婦が健診をうけていなかったそうですが、健診を受けずに、病院にかけこむ「飛び込み出産」が市内でも増えていると報道されました。胎児と妊婦の健康状態がわからない中で、出産をひき受ける医師は大変で、リスクが高くなります。母子ともに安全なお産をするには、健診をきちんとうけることが欠かせません。本市では妊婦健診の受診率はどのくらいなのでしょうか、また、受診の実態を把握するのにどういう方法をとっているのか。こども青少年局長に伺います。

医療機関からの健診報告票で把握(局長)

【局長】
2回の公費負担による妊婦検診は、医療機関からの健診報告票により受診者数を把握し、平成18年度の受診率は91%となっている。

最近、出産時のリスクが高いと言われるいわゆる「未受診妊婦」の救急搬送や「飛び込み出産」が問題となり、母体や胎児の健康確保を図るために、妊婦健康診査の受診勧奨に向けた積極的な取り組みが求められている。安全に、安心して妊娠・出産ができるよう支援していくことは重要な課題だ。

妊婦の無料健診回数の拡大を

【くれまつ議員】
私は、妊婦健診の実態を把握するためにも、無料妊婦健診の回数を現在の2回から14回すべてに拡大し、健診受診率を高めるべきと考えますが、こども青少年局長におたずねします。

来年度予算編成の中で検討したい(局長)

【局長】
妊婦健康診査の拡充は、国の考え方を踏まえ、平成20年度予算編成の中で検討したい。また、今後、妊娠初期からの受診を勧め、かかりつけ医を持たない未受診妊婦にならないよう、思春期を対象にした健康教育の中でさらに健全母性の育成に散り組み、広く市民に妊婦健康診査の重要性について、周知・広報に努めたい。

妊婦の医療費に助成を

【くれまつ議員】
妊婦の安全・安心のためには、健診に加えて、出産までの医療費助成も必要と思います。妊娠中に貧血や妊娠中毒症になる場合もあり、高血圧や糖尿病の治療が必要な方も少なくありません。健康な状態で出産に臨めるように医療費助成が必要ではないでしょうか。富山県、石川県、茨城県、栃木県、岩手県の5県、加えて愛知県では東海市で妊婦への医療費助成が行われています。本市でも妊婦の医療費助成制度を創設すべきと考えますが、こども青少年局長におたずねします。

極めて困難だ(局長)

【局長】
妊婦を対象とした新たな医療費助成制度の創設は、極めて困難な状況だ。

安心して出産できるような医療機関の拡充を

【くれまつ議員】
安心して出産するためには、受け入れてくれる医療機関が問題となります。

9月議会でも、出産を扱う医療機関が減少し、ハイリスクの分娩に対応する総合周産期母子医療センターが悲鳴を上げているという議論がありましたが、現在、事態はさらに深刻です。県下唯一の総合周産期母子医療センターである第一日赤病院ではこの10月から正常分娩の受け入れをひとつき70件に制限するようになりました。

国の研究班の報告では第一日赤規模の総合周産期母子医療センターを人口100万人に1か所必要としていますが、人口700万の愛知県で、複数ヶ所必要だという議論が始まりました。人口220万の名古屋市では、どんな医療体制をとれば、妊婦の健康を十分に保障できるのでしょうか。

消防局では、妊婦の救急搬送方法を改善し、愛知県周産期医療情報システムなどを活用し、できるだけ急いで、周産期のセンター病院へ搬送する仕組みにあらためようと検討されています。ところがセンター病院からは十分な受け入れ体制が保障できるか、危惧する声もあがっています。

やはり、出産に対応できる医療機関の絶対数が足りなければ、救急搬送システムの改善やセンター病院の充実だけでは、妊婦の安全・安心は保障できません。また、妊婦健診で発見された病気をすぐ治療に結びつけるためにも、総合病院に産科があることが重要です。そのことが、周産期のセンター病院の過剰負担の軽減につながります。

名古屋医療圏での医療体制は愛知県の所管ではありますが、市としても産科の医療供給体制についてしっかりと考えていくべきだと思います。そこでうかがいます。

妊婦の安全・安心を保障し、出産をしっかりとサポートするためには、名古屋市内に、出産を受け入れてくれる医療機関がどれだけ必要と考えていますか、市内の産科医療施設の充実について、健康福祉局長の見解をお聞きします。

医療施設の必要数は満たされている(局長)

【局長】
平成17年に厚生労働省が実施した医療施設調査では、市内の分娩可能な病院や有床診療所は56施設あり、政令指定都市では最も多い。また、平成19年6月に実施された愛知県医療実態調査等によると、これらの医療施設の病床稼働率は平均54パーセントであり、産科医療施設数は、現状では満たされている。

近年の高齢出産の増加傾向などをふまえ、適切な医療体制が図られるよう、引き続き愛知県周産期医療協議会等において県や医療機関とも協議したい。

産科の医療施設拡充に力をつくせ(要望)

【くれまつ議員】
病院の稼働率が低いといわれましたが、稼働率が低いのは、医師不足で、出産制限をしているからではありませんか。第一日赤の医師から周囲の産科が閉鎖され、センターの役割がはたせないといわれています。医療現場と認識のずれがあります。しっかり実情を把握していただきたい。

今、愛知県では新しい保健医療計画を策定中です。その中に、19年度出産可能な医療機関として守山や城西の市立病院が明記されています。市立病院の再編計画を見直し、20年度以降も守山や城西の産科を継続することも含め、産科の医療施設拡充に、力をつくしていただきたい。こども青少年局と健康福祉局が連携協力して、妊婦の安全・安心を守るために力をそそぐことを市長に要望します。

県営名古屋空港でのF−2航空機の事故について

自衛隊機炎上事故を導受け止めているのか

【くれまつ議員】
先月31日に県営名古屋空港で自衛隊のF2支援戦闘機炎上事故が起きました。空港周辺には住宅地があり、一歩まちがえば、大惨事になりかねないと、近隣住民に不安が広がりました。空港近くには保育園もあり、父母から、「自衛隊のヘリコプターの隊列が10数機で飛んで運動会が中断したこともあるが、事故ではすまされない」との声も聞きます。天候によっては、名古屋市内に向ってとびたつこともあり、名古屋市上空も訓練空域になっています。空港では自衛隊機の滑走路使用が増え、C130輸送機が離着陸訓練を頻繁に行っています。そうした中での自衛隊機事故は重大です。そこで、市民の安全を守る立場にある市長が、どのように自衛隊機炎上事故を受け止めておられるのか、伺います。

市民に不安を生じさせた(市長)

【市長】
今回のような事故は、もし市街地で発生すれば、大事故につながる可能性があった重大な事故であり、また空港の周辺に住む市民の方々に不安を生じさせたものと認識している。

事故の重大性に鑑み、市民の安心・安全を守る立場から、三菱重工業、航空自衛隊小牧基地、防衛省、愛知県に対し、二度とこのような事故が発生しないよう、申し入れた。

F-2支援戦闘機の着陸再開を許すな

【くれまつ議員】
防衛省は、今回の事故原因が明かになったとし、名古屋空港以外でのF2戦闘機の飛行訓練を再開し、空港への着陸を再開する方針を愛知県に説明し、県はこれを受け入れました。しかし、今回の事故原因は、「飛行を制御するコンピューターの配線を間違えた」ことによるとされていますが、専門家によれば、構造上、配線の長さが違い、誤配線がおきるはずがないのに、なぜ誤配線が起きたのか、原因があきらかではないといわれています。

原因究明が不十分なままでの、F2支援戦闘機の飛行再開を認めるわけにはまいりません。

そこで、市長にお尋ねします。F2支援戦闘機の着陸再開にあたって、防衛省から名古屋市にたいしても説明があったのか。また、名古屋市として防衛省と愛知県にたいして、F2支援戦闘機の着陸再開を撤回するよう求めるべきだと考えますが、市長の見解を伺います。

安全の確保がされたと聞く(市長)

【市長】
今回の事故の直後に、防衛省に事故調査委員会が設置され、11月15日には「航空機の機体を制御する壌置の配線が逆に接続されていた。」と発表された。

その後、防衛省は、16日からF−2航空機の配線取付位置の再確認及び事故に関する教育等を実施した上で、飛行を再開した。

また、21日には、名古屋空港への着陸にあたり、F−2航空機の飛行の安全性の確保等について、防衛省から愛知県はじめ本市にも説明があり、愛知県は、「名古屋空港への定期点検のための着陸等については、支障はない。」と発表した。

防衛省、愛知県が、それぞれの立場から、F-2航空機の安全の確保にあたり、対応をされた。

安全確認もせず自衛隊機の着陸再開を認めるな(要望)

【くれまつ議員】
市長は、防衛省と愛知県が了解したので受け入れたとのお答えでした。市民の安全をまもる立場で了解されたとは思えません。昨日も米軍機が緊急着陸する事態で空港が閉鎖されました。また、春日井市、小牧市、豊山町から合同で三菱重工に原因の徹底究明と点検体制の見直しを求める申し入れがなされました。本市も市民の安全を守る立場で事故の原因究明と対策を三菱重工や防衛省、愛知県にあらためて要望することをもとめます。

自衛隊徒歩訓練について

市内での徒歩行進訓練をやめさせよ

【くれまつ議員】
陸上自衛隊守山駐屯地では、今年に入って市内で14回の徒歩行進訓練が行われました。訓練区域は守山駐屯地を起点とし、市内の歩道を通り、矢田川や庄内川沿いの道路を経て駐屯地にもどるもので、迷彩服を着て小銃を携行し、白昼の街中でも、夕方から夜通しにかけてもと昼夜をわかたず行われています。行進する自衛隊員を見た市民からは、“銃をもって迷彩服姿で歩くのはとても怖い”、“こどもたちに見せたくない”“訓練するなら演習場の中でやってほしい”などと不安や反対の声が上がっています。自衛隊法が変えられ、海外活動が本来任務の一つとなり、海外での市街地作戦を準備しての徒歩行進訓練が強化されているといえます。市民の中で徒歩行進訓練に大きな不安がひろがっており、市街地での徒歩行進訓練は中止すべきと考えますが、市長の見解をおききします。

必要な手続きを経て実施されている(市長)

【市長】
自衛隊は、「国の防衛」「国際平和協力活動」「災害派遣」などの活動を行い、これらの活動のために、日頃から語学教育や演習場での訓練など、幅広い訓練を行っていると聞いている。

陸上自衛隊の徒歩行進訓練は、通常の訓練の一環として、徒歩行進能力の維持・向上を図ることを目的に行われ、時には、体験入隊の一般の方々も参加している。

徒歩行進訓練は、信号に従うなど一般的な交通ルールの中で、歩道や河川敷を行進するものであり、道路の使用許可申請書を警察署に提出するなど、必要な手続きを経て、行われている。

小銃をもつ重装備姿の隊員に街中を歩かせるな(要望)

【くれまつ議員】
市長はなんら問題ないとの答弁でしたが、きのうの朝刊にのった行進訓練の写真をみられませんでしたか。小銃をもつ重装備姿の隊員に一般市民は驚いてしまう。と書かれていました。これが普通の市民の声ではありませんか。市長は市民の代表として、市街地での訓練は中止するよう申し入れるべきです。

 

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