意見書・決議(2008年2月議会)日本共産党をはじめ各会派から提案された15件の意見書案について議会運営委員会理事会で協議が行われ、4案件は共同提案の合意が得られ、3月19日に議決しました。
太字で表示された、セルの背景が黄色いものは可決された意見書。 《採択された意見書》地球温暖化対策の推進に関する意見書京都議定書で定める温室効果ガス削減の第一約束期間が始まり、また、北海道洞爺湖サミットにおいても気候変動問題が主要議題となることが報道されるなど、地球温暖化対策は最も重要な課題となっている。 しかしながら、昨今の我が国の温室効果ガス総排出量は、京都議定書の規定による基準年の総排出量を上回っており、より一層の地球温暖化対策を推進しなければならない。さらに、次世代にわたって地球環境を保全していくためには、我が国の温室効果ガスの中長期削減目標を策定し、温室効果ガス削減のための具体的な施策を強力に展開していく必要がある。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、温室効果ガスの中長期削減目標を明記した基本計画を策定するとともに、政府と経済界との公的な削減協定の締結、国内における排出量取引制度や地球温暖化対策の推進に当たって必要な税制の導入、ODAの環境分野へのさらなる集中特化などの具体的な施策を早急に実施するよう強く要望する。 中小企業対策の充実に関する意見書近年の原油や原材料価格等の高騰により、製品等への価格転嫁を行うことが難しい下請中小企業の経営は非常に厳しい状況にある。 このような中、国においては昨年12月に、原油価格高騰の影響を受ける中小企業等に対する緊急対策を取りまとめたところである。 しかし、我が国経済の根幹は中小企業が担っており、その経営環境の改善が地域経済活性化にとって重要であることにかんがみ、今回国が打ち出した緊急対策の早急な実行に加えて、売掛金債権の早期現金化支援など、必要な法整備を含め総合的な支援を行っていく必要がある。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、中小・小規模企業者の金融支援を総合的に行うための法整備など、中小企業対策をより一層充実するよう強く要望する。 バイオマス活用の推進に関する意見書政府は、バイオマス・ニッポン総合戦略を策定し、温室効果ガスの削減政策として再生可能なバイオマスエネルギーの利用促進を図り、低炭素・循環型社会への移行を進めている。 しかしながら、温室効果ガスのさらなる削減のためには、食料と競合しないバイオマス資源の利用促進を含め、より積極的なバイオマスの利用を図らなければならない。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、国が進めるバイオマス戦略を総合的かつ計画的に進めるための法整備を行うよう強く要望する。 地上デジタルテレビジョン放送の受信対策の推進に関する意見書現行の地上アナログテレビジョン放送は平成23年7月に終了する計画で、既に放送が開始されている地上デジタルテレビジョン放送が取ってかわる予定となっている。 しかしながら、デジタル放送を視聴するためには受信機器の購入等、視聴者に新たな負担が発生するため、低所得者への十分な配慮を行うとともに新たに発生する受信障害への対応など、円滑な移行に向けた環境の整備が求められている。 また、今後増加するデジタル放送に関する相談に対し、きめ細かな対応ができる体制が必要になる。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、地上デジタルテレビジョン放送への円滑な移行を図るため、次の事項を実現するよう強く要望する。
《日本共産党が提案したものの、採択されなかった意見書》輸入食品の検査体制の抜本的強化に関する意見書(案)中国製ギョーザによる薬物中毒事件が発覚し、輸入食品に対する国民の不安が広がっている。今回の事件は、被害者が重体の状況に置かれているだけでなく、被害を申告する人が全国に広がり、近年まれに見る輸入食品を起因とする全国的な薬物中毒事件となっている。それだけに、この事件に対する徹底的な原因の究明と被害者救済、事件を防ぎ得なかった行政上の不備の解明とそれに基づく食の安全・安心体制の再確立が必要である。 今回の事件は、国民に食の安全に対するショックを与えたが、その背景には、日本の食料自給率が 39%と、6割以上の食料を輸入に依存している一方、食品衛生法に基づく国の輸入食品の検査率が1割という輸入食品検査体制の貧弱さがある。今回のような輸入加工食品についても、残留農薬基準が適用されるにもかかわらず、残留農薬の検査が全くなされていなかった。国民の食の安心・安全に対する信頼を回復するには、輸入食品の検査体制を抜本的に強化することが求められている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、輸入食品の検査体制を抜本的に強化し、食の安心・安全を確保するために、次の事項を実現するよう強く要望する。
都市再生機構の賃貸住宅居住者の居住の安定に関する意見書(案)昨年12月24日に閣議決定された「独立行政法人整理合理化計画」を踏まえて、独立行政法大都市再生機構は同月26日、「UR賃貸住宅ストック再生・再編方針」を発表した。同方針では、現在の77万戸の賃貸住宅について、平成30年度までに約10万戸の再編に着手し、約5万戸を削減することを目標に、団地ごとの再生・活用方針の類型(案)が示された。この中で本市内にある都市再生機構の賃貸住宅では、土地所有者等への譲渡・返還等の対象となる住宅が33団地、建替事業等の団地再生を行う住宅が3団地、都市再生機構の賃貸住宅以外の用途に転換する住宅が1団地となっており、再編対象とされた住宅の居住者の中では、居住の安定が脅かされるのではないかとの不安が広がっている。 居住者の高齢化が進み、公営住宅階層の割合が高くなっている都市再生機構の賃貸住宅には、国民の住宅に関するセーフティーネットとしての役割があり、良好なまちづくりを推進することが期待されている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、都市再生機構の賃貸住宅居住者の居住の安定を図るために、次の事項を実現するよう強く要望する。
道路特定財源の見直しに関する意見書(案)ガソリン税等の道路特定財源の見直しが、開会中の通常国会の焦点の一つになっているが、政府は、ガソリン税等の本則税率に上乗せした暫定税率を10年間延長し、「道路中期計画」を策定して総額59兆円もの道路整備を進めようとしている。 「道路中期計画」には、生活道路関連も盛り込まれているが、「国際競争力の確保」のための「基幹ネットワークの整備」として高規格道路や物流関係の大型道路建設が約4割を占めている。同計画は、国民生活に必要な道路建設の予算を積み上げるのではなく、まず59兆円を確保し、それを使い切るというものである。 ガソリン税等の暫定税率は、むだな道路をつくることを加速する役割を果たしている。暫定税率を廃止し、道路特定財源を一般財源化しても、「道路中期計画」を撤回してむだな高規格道路計画を中止すれば、真に必要な地方の道路整備を進めることは可能である。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、道路特定財源の見直しに関して、次の事項を実現するよう強く要望する。
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