2008年9月定例会 議案外質疑 わしの恵子議員(9月18日)集中豪雨対策について
災害ゴミの収集改善を緊急に申し入れる(9月1日) ◆被害状況(消防局発表:9月2日現在)
民間事業者の被害状況の把握状況は【わしの議員】 8月末の集中豪雨は、新川の堤防が決壊し甚大な被害をもたらした2000年の東海豪雨からわずか8年でおきました。今回、激甚災害特別事業や緊急雨水整備事業が完了したところは、被害は少なくすみましたが、それ以外の北区や西区などの西部地域では、降雨量も東海豪雨時より多く、広い範囲で浸水が起こり、道路冠水もひどく車が走るたびに沿線のお店や家屋が水をかぶりガラスが割れるなど都市型水害ともいわれます。このような市街地での局地的な集中豪雨は、地球温暖化の影響もあるなど、今後たびたび起きると考えられますので、更なる抜本的な豪雨対策が求められます。 そこで質問します。 第一に、被害実態について、市全体では、半壊から床下まで1万件以上とありますが、被災地域を回ると、「玄関の方は床下だが、裏から水が入り風呂釜が壊れた」「ひどい雨漏りで家具や布団も使えなくなった」。私が、とくに心を痛めたのは、「商品が水に浸かり大変な損害だ」と途方にくれる小売店や事業所の方々からの訴えでした。また喫茶店など飲食店では、厨房が壊れて数日も営業できなかったところもあり、私が、訪ねただけでも大変な実態が分かりました。どんな被害を受けたのか、職員が現地に直接足を運んで調査をされることが必要だと思います。 今回のようなゲリラ的豪雨のもとで、とくに民間事業所などにどんな影響を及ぼしたのか、被害の実態把握について、どのように行われているのか市民経済局長にお聞きします。 税務事務の集約化で職員の非常配備へ影響しないか【わしの議員】 そこでさらに、2年後には区役所の市税事務が集約化される計画があると聞いています。こんなことが実施されるなら、区役所職員の4分の1にも相当する税務事務の職員が、区役所から切り離されることになり、災害時での職員の配備がいっそう手薄になって、住民の安心、安全が守られなくなるのではないかと懸念しますが、財政局長に答弁を求めます。 防災体制に万全を期すために調整を重ねる(局長)【財政局長】 これまでも、市税事務所の税務職員を区の災害対策本部へ参集させることや、市税事務所において家屋の被害状況調査を担当することなど、関係局と調整を進めてきた。 今回のように、道路の冠水等で職員の参集に時間がかかる場合もあるので、税務事務の集約化にあたっては、参集を命ぜられた職員が、住所地から速やかに、また、確実に参集できる体制についても、併せて検討しておく必要があるものと考えており、今後、さらに関係局と調整を続けたい。 参考
区役所で働く人を減らし、災害時だけ対応させるのは困難(意見)【わしの議員】 雨水流出抑制への助成など対策の強化を【わしの議員】 とくに、名古屋駅前に林立する超高層ビルに近い西区では、ヒートアイランド現象の影響もあるのではと思います。さらには便利だということでしょうか、古い民家が壊され、高層マンションやオフィスビルがどんどん建てられ、コンクリートの駐車場も増えるばかり、空き地もほとんどなくなり、雨の逃げ場所はさらになくなっています。だからこそ抜本的な雨水対策が必要です。 上下水道局長にうかがいます。学校などの公共施設はもちろん、ビルやマンション、各事業所や家庭等への雨水流出抑制の強化について、私ども党市議団は、これまでも雨水タンクの設置や透水性舗装等を積極的に普及すること、流出抑制を行う一般家庭や小規模事業所には、市からの助成も行うよう求めてきましたが、どんな対策をとるのかお聞きします。 雨水流出抑制を市民に広く知っていただくことが大事(局長)【上下水道局長】 貯留・浸透などによる雨水流出抑制が一般住宅に至るまで広く普及することは雨に強いまちづくりの一助になる。このため、推進会議では、助成制度を含めた普及促進方法につき検討を進めていますが、まずは、雨水流出抑制を市民に広く知っていただくことが大切と考え、市民や、建築関係団体・排水設備業者など施設を造る側に対してもPRの強化に努めている。こうしたPRをとおし、市民の関心が高まり、雨水流出抑施設の設置が普通であるような環境づくりを目指したい。 学校施設の修繕費カットが雨漏り続出に【わしの議員】 さらに、学校運営費も毎年カットされ、こまめな修繕を含めて、手が回らなくなっているのではと考えます。 学校というのは、子どもたちが安心して通い、楽しく過ごすところです。そこでこのような事故がおきることは許されません。さらに災害時の避難場所としても重要であるということはいうまでもありません。子どもたちにとっても、地域住民にとってもかけがえのない学校です。その学校運営費予算をカットして、さらに大規模改造事業の計画をストップさせるなど、十分な修繕ができないということは問題ではないですか。教育長の認識をお尋ねします。 耐震対策が完了したので、大規模改造事業に取り組む(教育長)【教育長】 学校における軽微な修繕工事は、各学校の運営費の中で対応しており、一定規模の修繕工事は、学校からの工事申請に基づき、教育委員会が予算を追加配分している。 こうした修繕工事予算も、厳しい財政状況の中、ここ数年、削減を行ってきたが、本年度は、何とか前年度以上の予算を確保した。今後とも、必要額の確保に努め、施設の維持管理に支障のないようにしたい。 また、老朽化対策としては、校舎や体育館の内外装などを全面改修する「大規模改造事業」を計画的に実施していくことが重要である。これまでは耐震対策を最優先に取り組んできたが、小中学校の耐震対策が昨年度で完了したので、今後は、「大規模改造事業」をスピードアップして推進していく必要がある。こうしたことにより、子どもたちの良好な教育環境を整備するとともに、地域の方々にも安心していただける学校づくりに努めたい。 来年度から計画を立てて早急に進めるのか【わしの議員】 アセットマネジメントの活用で【教育長】 無駄な公共事業より暮らしに、御殿より水害対策に予算を【わしの議員】 被災者を訪問しますと、「わしのさん、こんなときに本丸御殿をやるのか、そんなお金があるのなら水害対策に回して欲しい」と切々と訴えられました。また、私ども党市議団は、この夏、市政アンケート活動を行い、約4200通の回答がよせられましたが、「市が力を入れて取り組んでほしいこと」の第一位は、「無駄な公共事業の削減」で63.6%もありました。 さて、本丸御殿復元工事の入札が、この10月にも予定されていると聞いていますが、市民が水害により大きな痛手を受けているときに、立派な御殿のために税金をついやすことは地方自治体の使命からいっても問題だと思います。 私は、公共事業の最優先は、市民の安心・安全な街づくりだと思います。水害や地震対策に力を入れること。安心して通える学校施設づくりも必要です。いまこそ、公共事業は生活・地域経済優先に切り替えるべきです。公共事業の最優先は市民の安心・安全を守るための事業、水害、地震に強いまちづくりをすすめるべきだと考えますが、市長の見解を求めます。 2010の目標達成に向けて取り組む(市長)【市長】 名古屋新世紀計画2010においては、生活、環境、文化、産業のすべての分野にわたって調和のとれたまちづくりを目指しており、それぞれの分野で新たに生じた課題に的確に対応していくことが必要である。 今後とも、市政運営の指針である名古屋新世紀計画2010の目標達成に向けて、着実に取り組んでまいります。 被災者の深い苦しみを受けとめた市政運営を(意見)【わしの議員】
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416事業所、5億円の被害(局長)
【市民経済局長】
区役所や商工業団体から情報収集を行い、浸水の被害に遭われた工場や店舗などの中小企業者のうち、被害が集中した地域にある416事業所に対して職員が直接出向き、聞き取り調査を実施した。
その結果、416事業所の全体では、店舗や機械設備、商品などの被害額はおよそ5億円で、1事業所あたりの平均被害額はおよそ130万円でした。また、聞き取り調査の中で、「仕事が中断し、製品の納期の調整に手間取った」「店舗の消毒や清掃に時間や人手がかかった」などの声をいただいた。
被災された中小企業者に対し、通常の資金より金利・信用保証料を軽減した災害復旧資金融資制度を実施しているほか、中小企業振興センターにおいて、特別相談窓口を開設し、融資や経営に関する相談にきめ細かく対応している。