意見書・決議(2008年11月議会)日本共産党をはじめ各会派から提案された14件の意見書案について、議会運営委員会理事会で協議が行われ、日本共産党の提案した意見書案2件も含め、9案件が適切な修正や調整を行って共同提案の合意が得られ、12月4日に議決しました。
結果が「可決」となっている、セルの背景が黄色いものは可決された意見書。 議運に提案された段階での態度です。○=賛成 ●=反対 △=保留 会派名 共産:日本共産党 民主:民主党 自民:自民党 公明:公明党 名自:名古屋市会自民党 《採択された意見書》公契約に関する基本法の制定を求める意見書厳しい財政状況を背景に国や地方自治体では、公共サービスの効率化、コストダウンが求められ、公共工事や委託事業などの公契約の価格は過当競争と相まって低価格・低単価の契約や受注が増大している。このため、受注先である民間企業の経営悪化と労働者の貸金・労働条件の低下を招くという問題が生じている。 さらに、労働基準法や最低賃金法等の遵守について、発注者が関与しにくい構造となっており、公共工事や委託業務を担う労働者は社会保険の不適用、貸下げや解雇の脅威にさらされている。 このような中、国や地方公共団体等が行う公共工事の入札・契約の適正化の促進を目的とした「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」が平成12年に制定され、また、本市においても来年4月から最低制限価格に満たない入札について、自動的に失格とする最低制限価格制度を導入する予定となっている。 しかしながら、こうした状況を根本的に打開し、透明・公正な取引関係を確立して良質で安全なサービスを提供するとともに、労働を通じて真の豊かさを実感できるよりよい社会を実現するためには、法律の遵守にあっては民間の模範となるべき行政が公契約の発注において、公正労働基準の確保や労働関係法の遵守はもとより、社会保険や雇用保険の全面適用を徹底させ、労働者の保護を図るための対策が必要である。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。
生物多様性基本法の厳正な執行等による自然と共生する社会の実現に関する意見書自然と共生する持続可能な社会の実現を図るために、生物多様性の保全は必要不可欠である。 政府は、これまでにも第三次生物多様性国家戦略を策定し、生物多様性に向けた方向性を示してきたものの、環境省版レッドデータブックに掲載されている鳥獣が、鳥獣保護法では狩猟鳥獣に指定されており、生物多様性の保全に関する施策での連携体制の強化が必要である。 こうした中、生物多様性の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を目的とした生物多様性基本法が制定され、今後は、生物多様性基本法の厳正な執行等による総合的な施策の推進を図り、自然と共生する社会の実現に取り組むことが求められている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。
消防救急無線のデジタル化に関する意見書消防救急無線については、災害時などにおける消防救急活動上の重要な情報伝達手段として、重要な役割を果たしており、市民の安心・安全を確保する上で必要不可欠なものとなっている。 このような中、国は、消防・救急通信の高度化や電波の有効活用を推進するため、消防救急無線のデジタル化を推進することとし、平成28年をめどにすべての消防本部がデジタル化することとならているものの、消防救急無線のデジタル化には非常に大きな財政負担が生じるものであることから、消防救急無線のデジタル化に向けた国の財政措置が強く求められている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、消防救急活動の円滑な実施を確保するため、自治体の意向も尊重しながら消防救急無線のデジタル化に必要な財政措置を講ずるよう強く要望する。 容器包装リサイクル法に関する意見書家庭から一般廃棄物として排出される容器包装廃棄物のリサイクルシステムを構築することを目的に制定された容器包装リサイクル法は、ごみ減量に大きな役割を果たす一方で、生産・販売事業者によるごみの発生抑制・再使用や自治体財政への負担などの問題が解決すべき課題となっている。 このような中、生産・販売事業者から市町村に資金を拠出する仕組みなどが盛り込まれた改正容器包装リサイクル法が平成18年に公布され、順次施行されてきたところであるが、分別収集・選別保管に係る経費負担による財政圧迫などの問題は解決されておらず、拡大生産者責任の原則に基づいたさらなる制度の見直しが必要である。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。
都市型水害対策の充実に関する意見書近年、都市部を襲う集中豪雨により多大な被害が発生しており、平成20年8月未豪雨では、本市を初めとして愛知県内の各都市に甚大な被害が生じた。 本市においては、緊急雨水整備計画に基づき雨水調整池の整備などの各種対策を着実に進めているものの、大都市部における抜本的な水害対策を講ずるためには、雨水の排出先である河川や下水道の整備を初め、都市全体で取り組む総合的な水害対策を推進することが必要である。 また、局地的豪雨による都市型水害の被害を軽減するためには、高分解能気象レーダーであるマルチパラメータレーダーの整備など、より詳細な気象情報が提供できる施設を整備し、市民への情報提供体制を強化することが重要である。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。
太陽光発電システムのさらなる普及促進を求める意見書今年7月に開催された北海道洞爺湖サミットでは、地球温暖化防止問題が主要テーマとして議論され、議長国である我が国においても、2050年に温室効果ガスの総排出量を60%〜80%削減するという目標を掲げたところである。 このような中、太陽光発電については、天然資源に乏しい我が国において広く普及が可能なェネルギーとして注目を集めており、国は「経済財政改革の基本方針2008」や「低炭素社会づくり行動計画」において「太陽光発電については、世界一の座を再び獲得することを目指し、2020年までに10倍、2030年に40倍を導入量の目標とする」と、目標を示したところである。 「環境立国」を掲げる我が国が、太陽光発電世界一の座を奪還するためには、エネルギー導入量増加に向け、太陽光発電システムのさらなる普及促進に向けた支援策を打ち出す必要がある。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。
風営法の改正に関する意見書近年、面識のない男女に出会いの場を提供するいわゆる「出会い系喫茶」に起因する児童買春事件が相次いでおり、昨年は全国で26件が摘発され、うち、16件が愛知県内での摘発で全国で最も多く、さらに愛知県内の出会い系喫茶の大半が本市内にある。 特に、この出会い系喫茶は女性客が一般的には無料で利用できることから未成年者が出入りして被害者になるケースが多く、中には同喫茶が児童買春等の犯罪の温床になっていることをよく認識せず利用しているケースが見受けられるため、未成年者を犯罪から保護する措置を講ずることが必要である。また、児童の健全育成の観点からも早急なる対策が求められている。 しかしながら、同喫茶は風俗営業に関する規制事項を定めている風営法の規制の対象外であるため、全国で統一された規制が行われていない状態にある。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、風営法を改正し、出会い系喫茶についても同法で風俗営業と位置づけ、規制の対象とするよう強く要望する。 信用保証制度における責任共有制度に伴う金融機関への指導監督に関する意見書昨年10月、中小企業信用保証制度が改正され、責任共有制度が導入された。これによって、信用保証協会の保証が原則として10割から8割になり、残りの2割は金融機関が受け持つようになった。この制度は、金融機関がリスクを負っていないために、審査が甘くなり倫理観が欠如するとの理由で導入されたが、中小企業などからは、当初から金聯機関の貸し渋りが懸念されていた。 同制度導入後の本市の金融状況は、中小企業に対する金融機関による保証つき融資の取り組みは後退傾向にあり、金融機関の貸し渋りも見られる。今後もこうした傾向が続くことになれば、名古屋経済のみならず、中部圏、ひいては我が国の経済に深刻な影響を及ぼしかねない。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、金融機関が地域の中小企業への資金供給に積極的に取り組むよう適切な指導監督を速やかに行うよう強く要望する。 社会保障予算に関する意見書国は、社会保障予算の自然増を毎年度2200億円削減(初年度は3000億円)する方針を実行している。 このことにより、産科・小児科の医師不足や救急体制の弱体化、医療機関の経営危機などの地域医療の崩壊や介護の現場における人材確保難などの問題が生じている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、国民生活の土台を支え、より安心のできる社会とするため、社会保障に必要な財源を確保するよう強く要望する。 《日本共産党が提案したものの、採択されなかった意見書》消費税率の引き上げに関する意見書(案)麻生太郎首相は10月30日、政府・与党の追加経済対策を発表したが、その中では消費税を含む「税制抜本改革」を2010年代半ばまでに段階的に実行する方針を表明し、景気が好転すれば、3年後から消費税率を段階的に引き上げていく考えを明らかにした。11月4日に政府の社会保障国民会議がまとめた最終報告も、消費税増税を念頭にした財源確保策へ速やかに着手することを求めるものとなっている。 昨今、景気悪化や物価高騰などによって、国民の暮らしは厳しさを増しているが、消費税の増税計画は、国民の将来不安を掻き立てて、消費をさらに冷え込ませるものとなる。しかも、消費税は、低所得者ほど負担率が重くなる一方で、大企業は「輸出戻し税」制度なども含めて負担を免れるという不公正性の強い税金であり、社会保障の財源としてはふさわしくない税金である。 よって名古屋市会は、国会及び政府に対し、消費税率の引き上げを行わないよう強く要望する。 |
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