2009年2月定例会 個人質問 うめはら紀美子議員(3月6日)録画中継を名古屋市会サイトにて配信しております。 介護保険について
介護認定のシステム変更で「全介助」が「自立」に【梅原議員】 そのうえ、4月からの介護認定システムの変更について、大きな不安の声が上がっています。今回の変更は介護認定のための基本調査項目を82項目から74項目へ削り調査項目も大きく変更されます。 新しい基準をあてはめたモデル事業では、例えば「食事摂取」の項目では、食べ物が口にできず経管栄養を受けている人の場合、食事の介助が発生しないとして全介助から「自立」になる恐れがあります。 介護を要する身体状態は全く変わっていないのに新たな認定システムで介護度が下がり、これまでの介護が受けられなくなるケースが多発する恐れがあります。介護関係者からもシステム変更の延期・凍結を求める声が上がっています。 名古屋市はこの介護認定のシステム変更をどう評価しているのですか。必要な介護が削られないように手立てを取るべきです。健康福祉局長、お答えください。 3%の改定では処遇改善につながらない【梅原議員】 名古屋市は福祉・介護人材確保支援事業に5,400万円を新たに計上しました。一歩前進ですが、職員研修に対しての助成が中心で、処遇改善に結び付くのは難しいと思います。そこでお聞きします。健康福祉局長は、介護職員のこのような低賃金状態をどう認識しているのですか。処遇改善のためには、介護保険の財源の多くを高齢者の保険料に依存するのではなく、国にしっかりと負担を求めることが必要です。名古屋市として、どのような手立てを講じるおつもりでしょうか。お答えください。 処遇改善にどう反映されたかを確認したい(局長)【健康福祉局長】 市では、事業者が行う人材育成や職員定着事業への支援等に取り組むとともに、今回の報酬引き上げが介護職員の処遇改善にどのように反映されたかを、今後、確認したい。その上で、必要な事項があれば、国へ要望したい。 独自施策の実施もやれ(要望)【梅原議員】 文化振興施策について文化団体への活動助成の拡充を【梅原議員】 まず文化団体への活動助成についてです。地元文化団体は、営利目的ではないので助成金がたよりです。芸術文化団体への活動助成額は、10年前の予算額は4,345万円でしたが、新年度予算では1,512万円と34%まで大きく削減されてしまいました。助成が受けられる期間も以前は制限がなかったものが、99年に10年間で打ち切られるように変更され、さらに5年間に改悪され、5年以上続けている団体は助成が受けられなくなりました。 ある劇団の方にお聞きました。文化小劇場で2日間公演をしようとすれば、舞台稽古を入れて3日はどうしても必要です。会場費と付属設備、照明、効果、衣装、舞台装置、印刷をあわせると300万円近い支出になります。入場料を2000円とってもやりくりがつかず、70万から80万円の赤字になってしまうということです。 文化活動への助成がなければ、名古屋市に文化は育たなくなってしまいます。名古屋市は本丸御殿の再建をして文化を継承すると言われます。一方で、文化活動についてはこんなに冷たくてよいのでしょうか。いま名古屋市民が求める文化への期待は、本丸御殿だけではなく文化に触れて感動する機会があることです。そのためには文化団体が活動できることが第一です。文化団体への助成金は必要であるという認識はおありでしょうか。文化団体への助成金の拡充を求めるものです。市民経済局長お答えください。 文化団体の意見も伺いながら、より効果的な施策に努める(局長)【市民経済局長】 芸術文化団体は、様々な創造活動を通じて、市の文化振興に貢献していただいており、芸術文化活動、とりわけ、バレエや演劇などの舞台芸術には、多額の経費を要することは承知している。芸術文化団体への活動助成は、団体の活動の展開に応じ、創立後間もない団体が実施する事業のほか、団体創立20年以上を記念して行う事業や、海外の公的機関から招へいを受けて実施する海外公演など、活動の展開に応じて有効に活用していただくことで、引き続き、多様な芸術文化活動を支えていきたい。 今後とも、芸術文化団体の意見等もよく伺いながら、より効果的な文化振興施策となるように努めたい。 文化小劇場の改修をきちんとやれ【梅原議員】 また、照明器具をはじめとした設備更新の予算を組んでこなかったことは問題です。器具が古いため部品の交換もままならない状態です。文化小劇場の維持管理や計画的な改修、また設備更新の予算をしっかりと計上すべきと考えますが、局長、お答え下さい。 計画的な改修や設備更新に努める(局長)【市民経済局長】 厳しい財政状況ですが、文化小劇場が市民にとって、身近で親しみやすい施設となるとともに、安心・安全に利用できるよう、今後も計画的な改修や設備更新に努めます。 旧イタリア村を芸術活動の拠点として活用を【梅原議員】 イタリア村が破たんしたところは、もともと芸術村構想のあったところです。車での駐車もでき夜遅くまで活動できます。広いスペースがとれますので現代美術だけでなく音楽、ダンス、パフォーマンスなど様々な分野の芸術家が活動しお互いの交流ができます。中村区の演劇練習館アクテノンは夜12時まで利用でき市民から好評を得ていますが、このような場所にできないでしょうか。 市民や専門家や地域の方の参加を得て、この地を、アクテノンのように芸術の活動拠点に再生することを提案します。名古屋港管理組合と協議を行っていただきたいと考えますがいかがでしょうか、市長にお聞きします。 拠点は大事であり、意見を伺いながら、場所も含め検討を進めたい(局長)【市長】 本市の文化振興をはかるうえで、特に、若手アーティストが、創造的な活動を行うための拠点というものは、大変大事です。今後、幅広い市民の意見を伺いながら、場所の問題も含め、引き続き、検討を進めたい。 5年で打ち切る助成の改善を(要望)【梅原議員】 母子生活支援施設・五条荘の指定管理者制度導入はやめよ【梅原議員】 ところが、今議会で五条荘に指定管理者制度の導入が提案されています。指定管理者制度となればこれまで支援に携わった市の職員がすべて入れ替わり、五条荘が積み上げてきた実績が引き継がれなくなります。施設を退所したお母さんが中心になって守る会が作られ、5500名の請願が出されています。 この間、名古屋市は区の女性相談員の配置、配暴センターの設置などDVの福祉的施策を進めてきました。DV被害者の福祉的支援で最も実績と経験があるのは、この五条荘と職員です。この貴重な蓄積を指定管理者制度にして手放してしまうことは本市のDV支援事業にとってはマイナスになると思いますが、局長はどう思われるのかお聞きします。 移行準備に万全を期す(局長)【子ども青少年局長】 平成22年度からの指定管理者制度への移行に向けて、指定管理者の選定において、DV被害者支援に対する取り組みや職員配置についても反映できるよう努めるとともに、入所者の方に不安を与えないよう、業務の引継など移行準備に万全を期したい。 DV被害者への支援は、一施設・機関のみで行うものではなく、配偶者暴力相談支援センターや各区社会福祉事務所を始めとして、多くの関係機関、施設、団体が連携して行っていくことが重要であり、今後とも、五条荘を含め、一層の運携を図りたい。 指定管理者制度がDV施策の充実につながるか(再質問)【梅原議員】 そもそも今回の指定管理者制度導入は、行政評価委員会で指定管理者や民営化を検討するようにと言われてやったことではないでしょうか。行政評価は、財政的視点からの一面的指摘であり、それぞれの施設の役割や特徴を理解しているとは思えません。 DV支援は、「一施設・機関で行うものではなく多くの関係機関、施設、団体が連携して行うことが重要である」と答弁されましたが、それなら、五条荘を直営のまま残し、市職員の経験を継承発展させるべきではないでしょうか。 局長は五条荘を指定管理者制度にすることが本当にDV施策の充実につながると考えているのですか。もう一度お答えください。 関係機関等の連携をいっそう進め、支援の充実に努める(局長)【子ども青少年局長】 指定管理者制度の撤回を(意見)【梅原議員】
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介護の状況をより反映したシステムの見直しがされた(局長)
【健康福祉局長】
今回の見直しは「調査項目によっては、調査員の『主観』が入る余地があること」や「調査項目が煩雑であること」等の課題を改善することを目的として実施され、国は、その正確性を確認するため、昨年10月、全市町村を対象としたモデル事業を行った。その結果、中には介護度が上がる、下がるという変更も見られたが、その後、専門家による検討会が重ねられ、最終的に新しい方式が決定された。「介護の状況をより反映した」システムの見直しがされた。
しかし、今回の認定システムの見直しに不安の声が出ていることも承知している。4月以降、新しい方式による認定状況について、慎重に検証を行い、その上で、問題がある場合には国に対し改善の申し入れを行いたい。