意見書・決議(2009年9月30日)日本共産党をはじめ各会派から提案された11件の意見書案(1件は追加)について、議会運営委員会理事会で協議が行われ、日本共産党の提案した意見書案1件も含め、6案件が修正など調整を行って共同提案の合意が得られ、9月30日に議決しました。生活保護の意見書は改悪的内容の推進になる、地方分権の意見書は構造改革路線の推進になるものとして反対しました。地方自治の継続を求める意見書は、国の補正予算見直しに抵抗するものであり、民主党は賛成しましたが日本共産党は反対しました。後期高齢者医療制度廃止の意見書に民主党は反対しました。
結果が「可決」となっている、セルの背景が黄色いものは可決された意見書。 議運に提案された段階での態度 ○=賛成 ●=反対 △=保留 《採択された意見書》自動二輪車の駐車対策に関する意見書近年、駅前や繁華街を中心として自動二輪車の違法駐車が増加している。車道や歩道に放置された自動二輪車は、交通渋滞の原因や歩行者の通行の妨げとなるのみならず、都市の景観や環境を悪化させるなど、まちづくりの上でも社会問題となっており、国は道路交通法を改正するなどの法整備を行い、取り締まりを強化している。 しかしながら、自動二輪車の保有台数当たりの駐車場整備台数は自動車と比較して約7分の1であり、違法駐車問題の解決には、さらなる駐車場の確保が必要である。また、平成18年の改正駐車場法の施行により、条例による自動二輪車駐車場の附置義務化が可能となったが、建築主に対し新たな負担を求めるものであることから、地方公共団体が積極的に駐車場整備を推進できる支援制度の充実が求められている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、駐車場整備における助成制度の拡充や税金の優遇など、自動二輪車の違法駐車対策に向けた一層の財政・税制措置を講ずるよう強く要望する。 児童虐待防止策の強化に関する意見書平成20年度に全国の児童相談所で対応した児童虐待相談件数は、10年前と比較し、6倍を超える急激な増加となっており、虐待を受けた児童が死亡する事件も後を絶たない状況である。本市においても、父親の暴行により4歳児が死亡する事件が発生している。 こうした中、児童虐待防止法及び児童福祉法の改正法が昨年4月より施行され、児童の安全確認のための強制立ち入り調査、施設に入所させた子どもに対する保護者の面会、通信の制限などが強化されている。 しかしながら、強制立ち入り調査に裁判官の許可状が必要なことや保護者による親権を理由とした調査の拒否などにより、各事案の解決に時間がかかり、初期の軽度な虐待が重度化していることも予想され、さらなる防止策の強化が求められている。また、親権の制限は、子どもに必要な医療を受けさせない「医療ネグレクト」などのケースで適用が期待されている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要望する。
低炭素社会実現のための法整備に関する意見書二酸化炭素等の温室効果ガス増加に伴う気温の上昇、海面の上昇などの気候変動により、地球上の生態系へのさまざまな悪影響が懸念されている。我が国は京都議定書のもとで、2008年から2012年までの第一約束期間において、6%の温室効果ガス削減義務を負っているが、排出量は依然として増加傾向にある。 さらに、今年7月に行われたラクイラサミットでは、昨年の洞爺湖サミットにおいて主要先進国で合意した、2050年までに世界全体の温室効果ガスを少なくとも50%削減する目標が再確認されたが、その数値目標を達成するためには国を挙げた抜本的な対策の推進が必要である。 そのためには、中長期的な温室効果ガス削減目標や低炭素社会形成に向けた長期計画を法律で掲げるとともに、国や地方公共団体、事業者の責務、国民の努力を位置づけ、カーボンオフセットや再生可能エネルギーの需給の拡大、排出権取引制度などの具体的施策の検討を進めなければならない。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、低炭素社会の実現に向けて、温室効果ガスの削減を計画的に進めるための法整備を早急に行うよう強く要望する。 地上デジタル放送への移行に関する意見書平成23年7月に地上テレビジョン放送は地上デジタル放送へ完全移行し、地上アナログ放送の終了が予定されている。 しかし、デジタル受信機の世帯普及や、受信障害対策共聴施設の改修等、視聴者側の受信環境整備は順調に進んでいないのが現状である。 また、新たな経済的負担が困難な低所得者への支援も一部に限られており、期限内にすべての視聴者が地上デジタル放送の受信を可能にするためには、受信機器購入等に係る支援対象の拡大など、受信環境整備への支援をより一層充実・強化することが求められている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、地上デジタル放送への円滑な移行を図るため、次の事項を実現するよう強く要望する。
離婚後の親子の面会交流の法整備等に関する意見書我が国では、離婚に際し、民法第819条により子どもの親権を父母のどちらか一方に定める単独親権制度をとっている。また、民法第766条には、養育していない親と子どもとの面会交流についての規定がなく、親権者でない親と子は、お互い自由に交流することが法的に保障されていないため、裁判所で調停を経て面会交流の取り決めを行ったとしても、子どもとの交流は養育している親の意向に左右されているのが実情である。 こうした実態は、離婚時における子どもの奪い合いを激化させる原因にもなっており、多様な親子や家族のあり方が模索される中、子どもの最善の利益を考え、その視点に立った改善が求められている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、離婚しても豊かな親子の交流を可能とするため、次の事項を実現するよう強く要望する。
給付型奨学金制度の創設に関する意見書高校や大学に子どもを通わせている家庭の教育費負担は増加しており、日本政策金融公庫の調査によると、高校入学から大学卒業にまでかかる費用は子ども1人当たり平均1024万円に上っている。一方で、昨今の経済情勢の急激な悪化により、授業料が払えないために退学を余儀なくされたり、進学を断念したりする若者がふえている。 経済的理由により教育の機会均等が奪われないようにするためには、重い教育費負担の軽減は避けて通れない。ところが、我が国では、国や地方公共団体の奨学金制度には返済不要の給付型の制度がほとんどなく、将来の負担増を考えて奨学金を申請しなかったり、奨学金を借りて卒業したものの、返済できなかったりするケースがふえている。 大学授業料が有償で、給付型奨学金制度がない国はOECD加盟30カ国の中で日本を含めて3カ国だけである。ようやく文部科学省は、来年度予算の概算要求に給付型の奨学金制度の創設を盛り込んだが、その対象は高校生だけであり、大学生も対象とする給付型奨学金制度の創設が求められている。 よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、就学が困難な高校生と大学生のための給付型奨学金制度を創設するよう強く要望する。 《採択されなかった日本共産党提案の意見書案》後期高齢者医療制度の廃止に関する意見書(案)平成20年4月から実施された後期高齢者医療制度は、75歳という年齢によって他の保険制度から高齢者を切り離す世界に類のない制度であり、多くの高齢者、市民の怨嗟の的となっている。しかも時とともに、保険料負担も増し、高齢者への差別医療も拡大される仕組みとなっており、制度が続けば続くほど矛盾と弊害は深刻となる。 後期高齢者医療制度を導入し推進してきた政権は、国民の厳しい審判を受けることとなったが、小手先の見直しではなく、この制度そのものを廃止して、高齢者が安心して医療を受けられる仕組みを構築すべきである。 よって名古屋市会は、国会及び政府に対し、後期高齢者医療制度を廃止することを強く要望する。 日米間の「核密約」に関する意見書(案)唯一の被爆国である我が国は、「核兵器をつくらず、持たず、持ち込ませず」の「非核3原則」を国是としてきた。しかし、元外務次官らによるマスコミでの証言などによって、日本への核持ち込みの黙認を取り決めた日米間の密約の存在が否定しがたいものとなり、国民の批判を浴びている。 日米間で核密約を結んでいながら、歴代日本政府が「非核3原則」を強調し、核兵器を積んだ軍艦や飛行機は、一時的な寄港、通過、乗り入れもありえないとして国民を欺いてきたとすれば、断じて許されることではない。 現在もなお、核ミサイルを積載する可能性のある米国の攻撃型原子力潜水艦は、毎年数十回日本に寄港しており、核密約は決して過去の問題ではなく、名古屋港にも米軍艦船が度々寄港している。核密約を公開・廃棄し、名実ともに「非核の日本」となってこそ、我が国が、核兵器のない世界を求める被爆国国民の願いにこたえた国際的なイニシアチブを発揮することができる。 よって名古屋市会は、国会及び政府に対し、核密約に関わるあらゆる記録を公開し、真相を全面的に明らかにするとともに、日米核密約を廃棄して、真に「非核3原則」が貫かれる「非核の日本」を実現することを強く要望する。 |
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