名古屋港管理組合議会 一般質問 わしの恵子議員 (11月17日)名古屋港へのアメリカ軍艦の入港について
米軍艦の入港を好ましいと考えるのか【わしの議員】 この会議に向けてアメリカのオバマ大統領は、「核兵器のない世界を追及する」ことを約束し、国連の安全保障理事会は「核兵器のない世界のための条件を創る」ことを決議しました。そして鳩山首相も国連で、世界でただ一つ、原爆の悲惨さを体験した日本国民の代表として、「核兵器廃絶の先頭に立つ」と、決意を述べました。 また国内の科学者や知識人でつくる「世界平和アピール七人委員会」は、先日、核兵器廃絶や来年名古屋市で開催されるCOP10をテーマにした講演会「核といのちを考える」を開き、被爆国日本の役割や生命の尊さについて熱心に議論が行われました。いまこそ核兵器をなくし、平和で安全な世界を実現する大きなチャンスです。 ところが、名古屋港には愛知万博を契機に、「友好と親善」を理由に、アメリカの軍艦が、05年度を除き04年度から今年度まで毎年1隻ずつ入港しています。 日本共産党市議団は、アメリカの軍艦が入港するたびに、名古屋港管理組合の管理者に対して、入港を許可したことに強く抗議するとともに、緊急申し入れを行ってまいりました。
今年8月24日から28日までの5日間、米太平洋艦隊所属のミサイル巡洋艦チョーシンが、名古屋港に入港し、弥富ふ頭7号岸壁に停泊しましたが、やはり入港直前の21日まで市民に知らされることもありませんでした。 私どもの申し入れに対し、管理組合は、相変わらず「友好・親善」が目的と説明されましたが、友好親善で何を行うのかも明らかではなく、とても素直に受け入れることはできませんでした。 とくに8月は日本国民にとって、広島、長崎の原爆の日、終戦記念日と戦争と平和について深く思いを巡らす特別な月です。 あえてこの時期に軍艦を寄港させることは「友好・親善」とは全くふさわしいものとはいえません。実際、「チョーシン」の乗組員の米軍人をシャトルバスで繁華街、栄のオアシス21へ運び、休息をとらせたと聞いています。沖縄では、先日も米軍によるひき逃げ死亡事件が起こりましたが、後を絶たない米兵の蛮行に、住民が大きな不安をかかえて暮らしています。これでは、「友好・親善」のために名古屋港に寄港すると説明されても納得できるものではありません。 さらに、従来、政府は、「米国からの事前協議がない以上、核持ち込みはない」との見解を示してきましたが、「通過」や「寄港」に関しては、事前協議の対象外とする、日米間のいわゆる「核密約」により、核兵器の持ち込みが容認され、事実上空洞化させられていた実態が、公表されたアメリカ政府の公文書やそれをもとにした日本共産党の調査と追及、さらに外務省の元高官による複数の証言などでいっそう明らかになっています。 鳩山政権も日本共産党の調査資料をもとに、アメリカに直接出向き、「核密約」の事実について調査を行うことを表明しています。 「核密約」の存在がここまで明らかになった以上、米軍艦の入港に際し、あらためて文書により核兵器搭載の有無を確認し、「非核の証明」を求めるのは当然です。 こんな状況の中で、高知県では、米海軍から救難艦「セーフガード」の高知港への寄港を打診され、外務省に核兵器の搭載の有無を照会すると、外務省は従来の「事前協議の有無」に言及せず、「米軍艦船には核搭載の能力がない以上、核兵器を搭載していない」という回答をしました。外務大臣がこれまでの答弁を続けるわけにはいかなくなったのです。 名古屋港への米軍艦の入港
さて、名古屋港管理組合は、「軍艦も商船も区別しない」として軍艦入港を容認、しながら、米軍艦船については、入港情報の公表は一般船舶と異なり、入港24時間前にしか公表しないという特別扱いをし、核搭載の有無も独自に確認しようともしてきませんでした。 これでは港湾管理者として港の安全を守る主体性が全く欠落していると指摘せざるを得ません。 名古屋港が本来の平和な商業港としての役割を果たすためには、新たな情勢の変化のもとで、米軍などの軍艦の利用を拒否し、少なくとも核兵器搭載の有無を確認すべきだと考えます。 そこで、新しく管理者になられた河村市長にお聞きします。 名古屋港が、平和な商業港であるにもかかわらず、「友好・親善」の名のもとに、有事の際の軍事利用を想定した調査や経験を積むことや、8月の「チョーシン」に見られるように、乗組員の休息や遊興も行われていると言われている米軍艦の入港を受け入れ続けていることに対し、管理者として好ましいことと考えるのか、お尋ねします。 「核兵器のない世界」をめざす立場を発信せよ6か月後に迫った2010年の核兵器不拡散条約(NPT)の再検討会議に向けて、「核兵器のない世界」をめざす立場を、平和な商業港の管理者として、きっぱりと発信すべきと考えますがいかがでしょうか。 密約などの調査終了まで米軍艦船の寄港は認めるな、非核証明書の提出を港営部長に伺います。今後、米軍艦の寄港を打診された場合、どのような態度をとるつもりか、少なくとも、「核兵器搭載の米軍艦船などの寄港・通過を黙認する日米間の密約」などの調査終了まで、米軍艦船寄港は認められないとの見解を示すべきだと思いますが、お答えください。 また、神戸港では外国船が入港する際に、非核証明書の提出を求めるようになってから、米軍艦船は寄港していません。ニュージーランドでもそうです。名古屋港でも、外国船が入港する際に、非核証明書の提出を求め、核搭載の有無を確認し、はっきりしない場合は寄港を認めない立場をとることについて、答弁を求めます。 国の動向を注視する。国において核兵器の搭載の有無は確認されている(部長)【港営部長】 歴史の流れに逆行している(再質問)【わしの議員】 港営部長の答弁は、核兵器の搭載の有無について、全くこれまで通りの繰り返しで、納得できません。従来、政府は「米国からの事前協議がない以上、核持ち込みはない」との見解を示してきましたが、「核密約」の問題が明らかになり、これまでの外務省の言い分が通用しなくなったのです。だからこそ、岡田新外務大臣が「核密約」の調査を命じたのではありませんか。これは画期的なことだと思いませんか。また13日のオバマ大統領と鳩山首相の日米首脳会談では、「核兵器のない世界」に向けた合意文書も発表されました。 にもかかわらず、(港営部長)の答弁は、従来と何も変わっていません。そこで伺います。名古屋港の管理者として、民主党政権と異なる、これまでどおりの港営部長答弁でいいとお考えでしょうか。お聞かせください。 核兵器はもっていないと聞く(管理者)【管理者】 管理者としての責任をきちんと果たせ(意見)【わしの議員】 名古屋港は軍港ではありません。平和な商業港である名古屋港の管理者として、ふさわしいとはとても言えません。今後、管理者としての責任をきちんと果たすべきだと意見を申し上げ質問を終わります。 |
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港湾法の規定に従っている。キューバ危機に比べ、北朝鮮に対し日本はこれでいいのかと深く懸念する(管理者)
【管理者(河村市長)】
港湾法の「何人に対しても施設の利用その他港湾の管理運営に関し、不平等な取扱いをしてはならない」と規定があり、そのように取り計らっている。
北朝鮮はとんでもないことであり、それを考えると、アメリカがかつてキューバ危機に取った態度と比較し、日本はこれでいいのかと深く懸念している。核兵器のない社会を目指すことは当然であり、日本は一番強く主張していかなければならない立場にあると思う。