2010年2月定例会 補正予算関連議案への質問(2月25日)
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件名 | 概要 | 落札金額 | 予定価格 | 入札者数 |
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仲田住宅(1) | 6階建1棟72戸 | 4億4600万円 | 6億3744万円 | 16社 |
仲田住宅(2) | 同上 | 4億1800万円 | 6億3458万円 | 12社 |
戸田住宅(1) | 10階建1棟90戸 | 6億5700万円 | 9億9611万円 | 7社 |
戸田住宅(2) | 同上 | 6億5400万円 | 9億8310万円 | 7社 |
【江上議員】
今回の入札の場合、低入札への対策として、低入札価格調査が行われています。さらに、今年1月からは、原則として、すべての一般競争入札に最低制限価格制度が導入されています。工事ごとで、予定価格の70%から90%の範囲で、最低制限価格を決め、それ以下の入札は失格にするというものです。ところが、今回のように、総合評価落札方式の場合は対象外としています。総合評価落札方式は、地域貢献・地域精通度を評価し、地元業者に有利であり、施工計画や、実績、技術能力などを総合的に評価し、価格だけではない判断を行うというものです。その総合評価落札方式によって、今回、66.0%の落札です。対象外では意味がありません。そこで質問します。総合評価落札方式も低価格入札を防止する方策が必要です。どのように検討しているのでしょうか。
【財政局長】
総合評価落札方式で低価格入札があった場合は、低入札価格調査制度を活用し、適正な履行の確保を図っている。最近、総合評価落札方式で低価格入札が増加しており、今後、低価格入札を防止するための方策を検討していきたい。
【江上議員】
景気が大変厳しく、内需拡大が求められています。一般競争入札で競争性があって、建設費が安くなるというだけでなく、地元業者が請け負い、人件費や工事単価が適切に保証される工事でなければ地元経済にもさらに悪い影響を与えるだけではないかと考えます。低価格入札を防止し、改善を進め、透明性を確保しながら、このことによって、市民が安心して利用できる施設建設になると考えますが、どう考えるのか、お聞きします。
【市長】
いろんなところで多くの方から低価格入札が非常にひどいということで、工事の品質と人件費の低下について何とかしないかんぞという話をよう聞く。自由競争、価格競争が社会をすすめることも事実ですけど、働く人の人件費、働く賃金を守るというのは歴史的にも非常に重要なテーマですので何とかしたいと思っていますが、最低賃金制度、やるなら一斉に全国できちっとやらないと守ったとこだけ価格競争に負けることになるので、注意しながら、しかし働く人の賃金、工事の品質には十分注意していきたいと思っています。
【江上議員】
市民にとって必要がある、大事なものであることが何よりも大切です。市長は、一般競争入札偏重ではないという姿勢でした。安心しました。もちろん一般競争入札が本来透明性を確保する公平公正の原則であるということは承知していますが、大事な点である市民生活を守るという点から言っても、提案したことを一層進めていただきたい。もちろん、景気回復は契約の改善だけで実現できるものではありません。市民の暮らし改善になる市民の生活に密着した公共事業そのものを増やすことも必要です。市内中小企業への発注につながる施設づくりを求めます。
【江上議員】
新たな方策でも、著しい低価格を防止するだけで、低価格そのものを防止することはできません。そこで、名古屋市との契約で、労働基準法を守り、人件費や工事単価の最低を明らかにして、過度な低入札にならないようにすることも必要です。全国では、人件費を一定以上の金額にすることを入札の条件とする公契約条例と言うものも検討されています。名古屋市としての検討状況をお聞きします。
【財政局長】
同趣旨の法律の制定に関し、現在開会中の国会でも議論されている。
その中で総理大臣からは、賃金などの労働条件は、労働基準法や最低賃金法などを守ることは当然でありその具体的なあり方は「労使間で自主的に決めるのが原則である」としつつ、法律の制定については、発注者である「国の機関や地方自治体も含めて、幅広く議論を進めていくことが重要」との答弁がされている。国の動きなども注視しながら、研究を進めていきたい。
【江上議員】
公契約条例の導入も含め改善策の実現を求めます。労働者の賃金を守ることも必要で、これが内需拡大に最も必要だと思いますし、中小業者の下請け単価も切り下げられています。こういう点でも公契約条例、全国的な動向も必要だが、それなりに検討しながら市としての導入も含め改善策の実現をすすめていただくことを求めます。
【江上議員】
財団法人愛知臨海環境整備センターへの出損9600万円について質問します。
衣浦港3号地廃棄物最終処分場の建設基金に出損するよう愛知県などから要請を受けたということです。しかし、ごみの最終処分場について、私は、新たな処分場建設として稲永ふ頭の計画は承知していますが、今回の処分場は、承知しておりませんでした。9,600万円も支出する事業です。臨海環境整備センターといえば、名古屋市は、南5区の処分場にも出損していたと思いますが、全く利用しなかったのではないでしょうか。このような使い方なのになぜお金を出すのか。
【環境局長】
財団法人愛知臨海環境整備センターは、廃棄物処理法の規定に基づき、廃棄物の事業者等から基金を募り、廃棄物処理施設の建設資金等に充てる。今回、搬入を予定している市町村に対して、県及び当該センターから協力の依頼があった。市としては、この間、尾張地域の市町村と一体で協議会を作り、県へ広域処分場の確保を要請してきた経緯もあり、積極的に協力する必要があると判断した。
なお、この出捐金は、1割増額された金額が5年間で均等に搬入料金から割り引かれるメリットがある。
【江上議員】
名古屋市の廃棄物計画では、焼却灰も相当減量されることになっています。この処分場を利用する必要性がどこにあるのでしょうか。明らかにしてください。
【環境局長】
「ごみ非常事態宣言」以降、山形県や群馬県など遠方の民間処分場を活用してきた経緯があり、今後はそれに替わり、衣浦港3号地廃棄物最終処分場を活用する。それにより、本市埋立処分の命綱である愛岐処分場の延命にも寄与する。
【江上議員】
いつから、どのくらいの量を廃棄する予定なのかも明らかにしてください。
【環境局長】
処分場へ搬入が可能となる平成23年1月から搬入を開始する予定であり、年間では1万2千トンを予定しています。
【江上議員】
廃棄物処分場は、来年から利用するという割に、突然の提案であり、ゴミや資源は名古屋にとって重要な問題であり、もっと事前の情報公開が必要であることを指摘しておきます。
名古屋港南5区 廃棄物最終処分場 |
衣浦港3号地 廃棄物最終処分場 |
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面積 | 56.0ha | 47.2ha |
容積 | 491万m3 | 564万m3 |
受入 | 92年4月から 2010年2月 |
2011年1月から 13年 |
資材の一括購入などが原因、人件費等への影響を懸念
【財政局長】
低入札価格調査時の聞き取りなどで、生コンや鉄筋などの資材の一括購入やアルミサッシ・ユニットバスなどの製品を安価に仕入れることができること、本社事務管理経費などを低く抑えたこと、などが理由とされている。しかし、労務単価に本市の積算単価を下回るものも見受けられたことから、今後こういった状態が続けば、人件費等への影響も懸念される。