2010年2月定例会 「再議」に対する質問(3月5日)
江上博之議員

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「市会の議決すべき事件等に関する条例」を、やり方が気に入らないからと再議にかける理由はない。


江上議員

再議に対する質問の趣旨はなにか

【江上議員】
今回の「市会の議決すべき事件等に関する条例」は、議員提出条例で、名古屋市の基本構想に基づく、「長期的な展望にたった市政全般にかかわる政策及び施策の基本的な方向性を総合的かつ体系的に定める計画」を総合計画と呼び、この計画の策定、変更、または、廃止の場合、議会の議決事項にくわえる条例です。これに対して、河村市長は、「議会の権限を強める横暴」「議会帝国条例」などと非難し、再審議を求めたものです。

議決事項に、総合計画を含めるのは、18ある政令市のうち9つも制定しています。さらに、名古屋市の独自の判断でできる自治事務だけでなく、国が本来果たすべき役割に係る法定受託事務も含めて対象とする動きとなっています。

基本計画等を条例で議決事項としている政令市
仙台市 川崎市 横浜市
新潟市 浜松市 京都市
広島市 北九州市 福岡市

市長の提案理由に、「議決すべき事件として定めており、本市の市政運営に少なからず影響を与えるもの」としています。だからこそ、議決事件とすることが必要だとお考えになりませんか。答弁を求めます。

今回の議員条例案は、全議員一致する議案であることから、本会議で、提案説明のうえ質疑がなく、委員会審議もなく、即決で可決されました。市民から見れば、わかりにくいという声があります。日本共産党市議団は、市長提出議案と同じように、全会一致の議員提出条例議案を含め、本会議、委員会の質疑を経た十分な議論が行われるよう議会運営の改革を提案してまいります。今取り組んでいる議会基本条例にも生かしてまいります。

そこで、市長に聞きます。市長は、手続き問題を再審議の理由に挙げていますが、改善を要する課題ではあっても、会議規則に反する問題とまでは言えないと考えます。現に市長も、法令や会議規則に違反するとする第4項でなく、条例の条文に対して異議理由とする第1項であることからも明らかです。異議理由は、条文に対するものであると理解してよろしいですね。意義いかがお考えでしょうか。

以下、私は、市長に対し、この条例に対する認識について質問します。

名古屋市中期戦略ビジョンは、「名古屋市基本構想のもと、長期的な展望を持ちつつ新しい時代の流れに対応した市政の基本的な方向性を示す新たな総合計画」として策定進行中です。

名古屋市基本構想は、「憲法の精神に基づき、一人ひとりの基本的人権が守られ、健康で文化的な生活を営める個性豊かなまち、名古屋の建設をめざす」「総合的かつ計画的な行政の運営を図るため」1977年12月20日、名古屋市会で議決されました。いって見れば、名古屋の将来のまちづくりの憲法として制定されました。そして、10年程度のまちづくり方針として総合計画が位置づけられています。

その基本構想のもとに、前市政時代の「名古屋新世紀計画2010」に替わって、河村市長の総合計画として、中期戦略ビジョンが策定されようとしているわけです。昨年秋、市議会の総務環境委員会で(案)が明らかにされ、所管事務調査という形で、論議が始まりました。市民に対しては、16区1回づつ、11月以降、タウンミーティング、そして、今、パブリックコメントという形で、市民の意見を求めているところです。このように、河村市政のこれからの名古屋のまち作りを明らかにする計画でありながら、市民の代表機関である名古屋市議会本会議には、一度も市長から計画の説明、意義は語られていません。河村市長の考える名古屋の将来展望を、名古屋市議会本会議で示すことが市長に求められています。

市長にとっても、議会にとっても、市民に対して、これからの名古屋の姿を議会で、きちんと論議する。このことが求められています。市長は、中期戦略ビジョンを本会議で論議し、市民に示すことが必要だと感じられませんか。

名古屋市では、本山市長時代の1977年、市のまちづくりの憲法である「基本構想」が議決されました。しかし、その下位に当たる総合計画は、議決事項ではありませんでした。本山市長の時代の「名古屋市基本計画」、西尾市長の時代の「名古屋市新基本計画」、松原市長の時代の「名古屋市新世紀2010計画」です。基本構想制定後33年間、市長が交替し、市のまちづくりの方針が変更しても、市政全般の総合計画は議会の議決もなくすすめられてきました。河村市長の「中期戦略ビジョン」も同様な扱いになっています。市政全般にわたる計画が、議会で審議の対象にするということは、市民に、名古屋市の将来像を示すために大変重要なことです。この点からも、総合計画の、策定、変更、廃止について議決事項にすることが、今までの論議からも、全国的な流れにもなっていると思いますが、市長は、どのように認識していますか。

市長は、市議会本会議での条例採決直後、「私は知らなかった」と口走り大声をあげました。しかし、市長は、本会議前日の24日、議会運営委員会で、議会運営委員長が議案の説明をし、本会議上程することを目の前で聞いていました。市長には、議員提出議案であれ、全議案をつかんで議会に臨まれることを強く期待します。

手続き違反ではないが、いくらなんでもパッと出されたので(市長)

【市長】
法律的な条文の適用問題ですが、いわゆる手続きそのものの手続きは踏んでおられますので、手続き違反というわけではありません。しかし、議運でパッと言ったからと言って、それはちょっとないじゃないですか。公聴会くらいはやる必要のある条例案だったと思います。それがなしにたった1日で、反対討論もなし、何もなし、市長の提案はどこから総合計画の変更になるとか、当然議論すべきであったと思っております。従いまして地方自治法第176条1項に基づいて異議を申し立てたということです。

総合計画ということですが、もっと、一人ひとりが議員として活動されるなら、計画のところでみんなで考えあってやっていくというのはそう反対じゃないです。だけどこういう用なのは異常だと思います。こういう時になるとぱッと党派でやってしまう。議会の在り方についても、疑問を投げかけとります。総合計画に、計画そのものにいっさい手をつけるな、という趣旨ではありません。

総合計画を議決事項にすることはどこでもやっている

【江上議員】
今回の議案で最も大切なのは、名古屋市民に、将来の名古屋、これからの名古屋について河村市長がどう考えているのか、議員がどう考えているのか、を本会議で明らかにすることです。総合計画を議決事項にすることを求め、以下、委員会での審議にお願いをして、質問を終わります。

 

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