2010年2月定例会  減税条例改正案(議員提出議案)への討論(3月24日)
田口かずと議員

(自民党提出議案への反対討論)市民税減税条例の一部改正は重大な問題の先送りにすぎない


田口議員

【田口議員】
私は、日本共産党名古屋市会議員団を代表して、市民税減税条例の一部改正に反対の立場から討論を行います。

生活支援と財政上から特例では一致

本件は、市民税減税の実施期間を来年度1年限りとするものであります。わが党が、昨年の11月定例会において独自に提出した修正案でも、減税の実施期間については、市民の生活支援と本市の財政状況を勘案して1年間限りとしていました。恒久減税とせず、特例減税とする点では、わが党の立場と一致します。

しかしながら、減税の制度内容については現行のままであり、この点は受け入れるわけにはまいりません。

大企業・金持ち減税は変わらない

現行条例では、減税は個人・法人の両市民税にわたり、一律10%の税率引き下げ方式であるために、納税額が多いほど減税額も多くなります。年間2億円も減税になる大企業や年間2000万円を超える減税になる大資産家がある一方で、中小企業や庶民には、ほんのちょっぴりしか減税の恩恵がありません。大企業・大金持ちに手厚く、中小企業や庶民にはきわめて薄い“大企業・大金持ち減税”にほかなりません。所得再配分機能の強化や貧困と格差の是正という税制の民主的改革の方向に逆行する“逆立ち減税”であるといわなければなりません。

市民サービスが守れない

こうした減税の制度内容の見直しにまで踏み込まず、“大企業・大金持ち減税”を容認しているところに、本件の最大の問題があります。

そもそも河村市長の減税のねらいは、大企業・大金持ちの名古屋への呼び込みと「行革」の推進にあります。減税で意図的に税収不足をつくり出し、それをテコにして、「聖域なき行財政改革」の名のもとに市民サービスの縮減・廃止、福祉の民間化・民営化を推進するものです。市民の暮らしに重大な影響を与える河村「減税」の本質は、今回の改正でも是正されることはありません。制度内容の見直しにまで踏み込まなければ、減税による大幅な財源不足を回避することができず、市民サービスの低下は免れないのであります。

庶民減税でこそ福祉とも両立

市民税減税は、個人市民税に限定し、かつ高額所得者を除外し、低所得者の減税額を増額する方向で見直すべきです。それでこそ、減税と福祉・市民サービスの両立ができるということを申し上げて、討論を終わります。

 

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