2010年2月定例会
予算に対する代表質問(3月4日)
わしの恵子議員
暮らしに寄り添い、民主主義を守れ。金持ち減税を見直し、公約どおり中学卒業まで医療費無料化を
わしの議員
主な質問項目
- 中学校卒業までの通院医療費無料化について
- 保育料値上げについて
- 自動車図書館の廃止をやめよ
- 中小企業への支援について
- モノづくり文化交流拠点について
- 議会改革について
- 歴史認識について
暮らしは大変、もっと庶民の声を聞け
【わしの議員】 市民の暮らしはいま、底なしの悪化を続けています。名古屋市の景気も最悪で、職と住まいを失う派遣労働者が後を絶たず、中小業者もいっそう冷え込み、2月3月と全く仕事がないという声もお聞きします。このような経済危機から市民の暮らしを守るためにも、名古屋市政がどうあるべきかが問われています。
そんななかで、2010年度の予算案は、河村市長が強行した大企業にはどっさり、庶民にはちょっぴりの逆立ちした「市民税10%減税」によって、猛烈な福祉切り捨てを進める『構造改革』予算となっています。市民の生活に心をよせるどころか、ますます市民犠牲を強めるものです。
中学校卒業までの通院医療費無料化について
子ども医療費助成の拡充を
【わしの議員】 市民の要求はいくつもありますが、とりわけ市長がマニフェストに掲げた、中学校卒業までの医療費無料について質問します。昨年6月議会で私の質問に対しても「来年4月から実施したい」と約束されました。しかし、予算には盛り込まれておりません。市長が答弁を守り、いつ実行されるのか明快な答弁を求めます。
あまりに無責任な回答だ
【わしの議員】 あまりに無責任、ひどい答弁です。この質問をするのに予算を全部見て、どうしたら市民の暮らしがよくなるか、中小業者の応援ができるか、真剣に考え取り組んできました。毎日遅くまで調べました。それに対する答えが本当にひどい。
結局、公約違反なのですね
【わしの議員】 あまりに無責任な答弁です。通院医療費、約束したのに、議員報酬まで言い訳にしてあれこれ言うけど結局公約違反をするというのですね。
保育料値上げについて
母親の声を直接聞け
【わしの議員】 市長は、「減税の財源のために市民サービスのカットはしない」と言いますが、そうなっているでしょうか。減税と不況による税収減の穴埋めに約231億円の財源が必要と、行財政改革をいっそう推し進めようとしています。そのやり方も、国の施策が進んだことを理由に、市が独自で行ってきた上乗せや横出しをなくし、全国に誇る名古屋の施策までやめようとしています。これで地方自治体といえるのでしょうか。河村市長は、地方自治体のあるべき姿に立ち戻るべきです。以下具体的に質問します。
まず保育料についてです。
2月24日、赤ちゃんを連れたお母さん方約50人が、市の保育企画室をおとずれ、わずか1週間で集めた4,176人分の署名を提出し、第3子以降の保育料無料の段階的廃止、2段階保育時間の導入による保育料の大幅値上げ撤回を申し入れました。
参加者は「第3子の無料があるから出産を予定していた、突然なくすなんてどうしたらいいのか」、「うちは年間72,000円もの値上げになり生活ができない」「育児休業中の市民病院の看護師さんは、職場復帰したら4時までのお迎えは絶対無理。フルタイムで働くなということですか」等々、訴えられました。そして「河村市長に直接お会いして話をきいてほしい」と切々と要望がありました。河村市長は、お母さん方に会って直接お話しを聞く考えはあるかうかがいます。
第3子減免の廃止と2段階保育料の撤回を
【わしの議員】 今回の保育料の値上げは、4時以降を長時間保育として大幅な保育料の値上げを行うものです。子どもの人数が一番多い、年間収入約、500万円から800万円の世帯にいっそうの負担増が押し付けられるもので、3歳未満児は、年72,000円もの値上げです。フルタイムで働く女性に負担を押し付け男女共同参画に逆行します。河村市長のマニフェストにも保育料の値上げはありませんでした。
市長は、マニフェストにも掲げていない、突然の第3子以降の保育料の段階的廃止、2段階保育の導入による保育料の大幅値上げは撤回すべきです。お答えください。
値上げ案は撤回しなさい
【わしの議員】 保育料も無責任な答弁だ。長時間の保育料についてはお母さん方にあったときに聞いてみたい、こういわれるなら、この予算案は話を聞くまで値上げを待つべきです。撤回してください。
現金は国からくるので新しいチャレンジをする
【市長】 現金給付の分を、今度はワクチンとか保育園に新しいチャレンジをするということでございまして、現金そのものは今までのお金よりさらに100倍近いお金が国からくるので、名古屋の新しいチャレンジを評価をいただきたい。
自動車図書館の廃止をやめよ
喜ばれているのにやめる理由はない
【わしの議員】 ご覧ください。西区のある小学校の校庭と市営住宅近隣の公園に自動車図書館がやってきたときの状況です。どちらもみぞれが降る寒い日でしたが、次々と、近所の人たちが集まってきて、気に入った本を選び、貸し出しを受けていました。高齢の女性は、「本が大好きで毎回利用している、自動車図書館がなくなったら、足が不自由だから山田図書館までは行けない、なんとか続けてください」と必死に訴えられました。小学校では、放課時間になり、子どもたちが駆け込んできました。私が、「自動車図書館なくなること知ってる?」と聞くと、5年生の男子は「えーっ!困る。僕の小遣いでは本は買えんし・・・」と絶句。低学年の子どもたちも、楽しそうに本を借りていました。
市は、支所管内への図書館整備が完了し、自動車図書館の利用者も20年前の2割に減少し、役割は終わったといいますが、自動車台数を縮小すれば減るのはあたりまえです。現在2台の車で市内120か所を回り、図書館まで出かけることが困難な多くの市民に親しまれています。年間の利用者は約4万人で、貸出数は235,000冊もあります。いま書店も大型店化しており、近所の本屋さんが町から消えつつあるなか、市民の身近に教育・文化を提供する大きな役割を果たしています。わずか3,000万円の予算を削って、子どもも大人もみんなが楽しみにしている、読書の機会を奪うことは行政のやることではありません。自動車図書館は廃止ではなく継続をするべきです。
3,000万円といえば、上位2人分の個人市民税減税分です。自動車図書館が継続できるのです。子ども医療費の中学校卒業までの通院無料化も、大企業上位7社分の減税額、約10億円でできます。日本共産党が提案しているように、大企業・金持ち減税をやめれば、市民の福祉や子育て支援を充実させることは充分可能であります。それでも市長は、「減税こそ最大の市民サービス」といわれるのでしょうか。
市がやってきたことを投げ捨てることが問題
【わしの議員】 自動車図書館、民間の方がやることにはなにも言わない。文庫活動をしている人たちもいる。これまで長いこと市がやってきたことを投げ捨てることが問題なのです。
自動車図書館の経緯
- 昭和31年4月、栄図書館(当時)が巡回文庫として始める
- 33年、35年、37年と増車、4台となって現在の西図書館に引き継ぎ
- 53年12月1日に名東図書館にあおぞら号を配車
- 54年10月1日に中川図書館にわかくさ号を配車
- 58年4月に西図書館の巡回文庫車2台を南図書館に移管。東西南北の4基地体制に
- 60年7月に4館とも個人貸出に統一、地域を再編成し自動車図書館に改称
- 平成14年秋、中川図書館改築に伴い、中川自動車図書館が廃止
- 平成16年3月に名東自動車図書館を廃止
- 平成19年3月に西自動車図書館を廃止。南自動車図書館の1基地2台の体制に
*原則として各図書館から1.5km以遠を対象に駐車場を設置。福祉施設や病院への団体貸出も実施。
中小企業への支援について
固定費助成などが大変
【わしの議員】 さて、市長の「市民税10%減税」の狙いは、首都圏などからの大企業・金持ちの誘致であり、8,500万円の予算を計上しています。「まるはち総がかり住んでちょう!」と、3万人の市職員に金持ちや大企業を呼んでくるために仕事をさせるとうかがいます。しかし、市のやるべきことは、そうした呼び込みよりも、いま住んでいる市民の暮らしや、不況にあえぐ地元の中小企業を応援することではないでしょうか。それでこそ名古屋市の経済が活性化すると思います。
市長は、昨年6月議会で私の質問に、中小企業の実態調査を約束されました。麻生内閣当時の、第1次、第2次補正の緊急雇用基金を活用し、リサーチ会社への調査委託などの方法も取り入れるなど、市内の全中小企業の実態調査を行うことについて市長の考えをお聞きします。
その上で、真に必要な応援策を、例えば、「貸し工場の家賃補助」や「機械のリース代補助」など固定経費への補助を提案します。国会では、日本共産党の志位委員長に鳩山首相が、固定費のリース代支援について「検討」を表明しています。河村市長の属する民主党の政権に先駆け、中小企業への支援策を図ることについてお答ください。
答弁にもなってない。金持ち減税を庶民減税に見直せ
【わしの議員】 何回聞いてもひどい答弁です。中学校卒業までの通院医療費無料は10億円、ヒブワクチンをいけないとは言っていない。両方やればいい。保育料の値上げは3億4千万円でストップできる。自動車図書館は3000万円。日本共産党市議団は11月議会で市民税減税の修正案を提出したが、これで52億円の財源ができる。市長の減税を修正案に見直せば様々な市民サービスカットをやめ、福祉や子育て支援、教育の充実など市民の要望にこたえることができます。いまこそ金持ち減税を庶民減税に見直す決意を聞かせてください。
市民税10%減税を見直せば
- 上位2人分の個人市民税減税で・・・自動車図書館
- 大企業上位2社分の減税で・・・保育料の据え置き
- 大企業上位7社分の減税で・・・中学校卒業までの医療費無料
- 大企業上位1社の半分で・・・私学助成の継続
モノづくり文化交流拠点について
J R東海への支援をやめよ
【わしの議員】 本丸御殿に続き、天守閣の木造復元の調査費が計上され、河村市長の「市政私物化」とも言われていますが、実際には、市長は中部財界の意向を受けて、大型公共事業をやろうとしているものだと考えます。
その1つである、「モノづくり文化交流拠点」は、前市長が新しい市長にゆだねるとして今年度予算に盛り込んでいませんでしたが、河村市長は「のりもの博物館」づくりに積極的に動き出しました。
市が、JR東海に30年間も無料で土地を貸すので、推定で19億6,000万円もの支援になります。さらに、周辺整備事業に新年度2億7,400万円を負担するとしています。JR東海といえば内部留保金は1兆6,375億円もある巨大企業です。いま内部留保金を国民に還元させようという声が大きくなっているのに、なぜ、莫大な支援が必要なのでしょうか。しかもこの博物館は、国の博物館法にも定められないものだと伺います。
市長にうかがいます。JR東海は莫大な内部留保金を抱え、法人市民税10%減税の恩恵もたくさんあると思います。そのうえ、このような更なる支援です。市長が、なぜこのような支援を行うのか、JR東海への支援はきっぱりとやめるべきですが、お答えください。
議会改革について
議員定数半減は民主主義を壊す
【わしの議員】 市長は、議員定数を現行75から38に半減させる定数条例改正案などを提出しようとしています。1選挙区で1人しか当選できない小選挙区を3つの区でつくり、2大政党の議席独占をもたらす2人区を6行政区でつくろうとしています。新聞報道によれば市長は、「今は議会が市民の縮図になっていない」といわれますが、あなたの提案では、多数の「死に票」を生み、少数意見など市民の多様な意見が切り捨てられ、縮図がますますゆがむことになります。河村市長の議員定数削減のねらいはどこにあるのか、私は、「議会改革」の名で議会の役割を決定的に弱め、市長の強権体制を確立することだと考えます。市長は日頃から、「民主主義発祥の地ナゴヤ」を自慢されますが、あなたがやろうとしている議員定数削減は、「民主主義」を壊すものです。日本共産党市議団は、2月27日議会改革シンポジウムを開催しましたが、200人以上の市民が集まり、議員定数削減を批判する声があがりました。また、水田洋・名古屋大学名誉教授ら著名な13氏は、1月8日、市議定数半減に反対し民主政治を守るための共同声明を発表されました。賛同者が急速に広がっています。
市長は、多様な市民の声を切り捨て、強権政治につながる小選挙区を含む議員定数半減などの条例改正案を上程すべきではないと考えますが、お答えください。
答弁にもならない
【わしの議員】 定数削減は答弁にもなっていない。小選挙区制、2人区で多様性がなくなり、市民の縮図でなくなると聞いたのに、きちんと答えよ。
歴史認識について
特異な歴史認識では平和外交を阻害する
【わしの議員】 最後に市長の歴史認識について伺います。市長は、昨年の9月定例会で、「南京大虐殺事件」について、「一般的な戦闘行為はあったが、捕虜収容所の中で放火が行われ、それで銃撃戦になって市民が亡くなった。揚子江の状況についても日中両軍の銃撃戦に巻き込まれて市民が死んだ」と、否定しました。
しかし、旧日本軍が無抵抗の中国人を大量に虐殺したことは、日中両国の加害・被害、双方の当事者が生々しく証言しています。また、日本と中国の歴史認識の溝を埋めようと、安倍元首相と胡錦とう国家主席の合意によってつくられた、日中歴史共同研究の第1期報告書が、今年1月に公表されました。この報告書では、南京事件について、虐殺の犠牲者数について日中双方で相違があったものの、日本側の研究でも、「日本軍による捕虜、敗残兵、及び一部の市民に対して集団的、個別的な虐殺事件が発生し、強姦、略奪や放火も頻発した」と虐殺の事実を認めました。市長は歴史の真実に向き合うべきです。
各行政区で開いた「地域委員会」の説明会でも、開口一番「日本は戦争で負けたのがいかん」と、タウンミーティングの場では、「憲法9条は変えたほうがいい」と宣言するなど、一貫して戦争を容認する態度をとり続けています。
歴史の真実に目を背けた河村市長の歴史認識は大問題です。
225万市民の代表である市長が、歴史の真実を正しくとらえて、日本が起こした侵略戦争の責任を明らかにすること。それが、名古屋市と南京市の真に友好で平和な関係を築くことだと考えますが、答弁を求めます。
侵略戦争の責任での発言はあまりに情けない
【わしの議員】 日本の侵略戦争の責任について、市長の発言はあまりに情けないものです。犯罪国家という言い方はないではないか。今国会でも、村山首相談話、植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア地域の人に多大に損害と苦痛を与えたことは疑うべくもない、この歴史の事実とし、反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明した、と言われた。歴代の内閣が認めている。根本的な問題、外交の基本だ。南京市との友好を結ぶ名古屋市民の代表である市長がこのような公の議場で発言することは大問題だ。改めなさい。
日本一開かれた議会の実現に全力尽くす
【わしの議員】 日本共産党は、新年度予算案を、市民のみなさんと力あわせ、市民のくらし・福祉、中小業者応援の予算にするために全力を挙げるとともに、議会改革についても、議員定数の半減の阻止、適切な議員報酬の実現に取り組み、“日本一開かれた議会”の実現に全力尽くすことを表明して質問を終わります。
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自ら報酬を変える気はないのか
【市長】
自ら報酬をお変えになるつもりはありませんか。自らを変えずにこういうことを言うのはあんまりええことではないと思います。
239億円の現金給付が来ますので、新たなワクチンに挑戦することが、市民にほんとに喜んでいただけることではないかと思う。