2010年2月定例会 個人質問(3月5日)
|
出資金 | 補助金 | 借入金 | |
---|---|---|---|
合計 | 157(100%) | 148 | 445 |
名古屋市 | 89( 56%) | 64 | 246 |
愛知県 | 18( 11%) | 10 | 42 |
国 | - | 74 | - |
日本政策投資銀行 | 8(5%) | - | 157 |
名港管理組合 | 4(2%) | - | - |
JR東海 | 16( 10%) | - | - |
その他民間企業 | 50( 15%) | - | - |
その他の民間出資社
中部電力(株)・(株)三菱東京UFJ銀行・岡谷鋼機(株)・東邦瓦斯(株)・トヨタ自動車(株)・日本車輌製造(株)・愛知機械工業(株)・(株)愛知 銀行・(株)中京銀行・(株)名古屋銀行・ニチハ(株)・日本碍子(株)・日本貨物鉄道(株)・イオン(株)
【山田副市長】
あおなみ線は、国の「幹線鉄道等活性化事業費補助」制度により第3セクターを専業主体とする整備とし、J R東海をはじめとする一般企業等に出資を依頼し、民間株主が約3割を占める現在の株主構成となった。現在、資本金は、減資という形で、関係株主に負担をかけることを鑑みると、この上の更なる支援は非常に困難であり、本市及び愛知県が主体となる支援の枠組みとした。
リニモも同様で、愛知県及び沿線市町が主体となった支援の枠組みとなっている。
あおなみ線及びリニモについて、将来にわたる事業の継続に向け、本市として必要な支援をしていかなければならない。
【山口議員】
結局、誰も経営責任をとらないように聞こえました。市長にうかがいます。
過去のことは聞きません。出資比率に見合った負担をするのは当然のルールだと思いますが、市長、日本政策投資銀行やJR東海に対し応分の負担を求めないのですか。
【市長】
減資をさせていただいていますので、もう1回出して、というのは大変苦しい、という気がします。
【山口議員】
名古屋市は56%の出資で今回410億円出しました。10%のJR東海は単純に考えると80億円、5%の銀行でも40億円。全部とは言いません。筆頭株主の責任が重いことは当然です。市長は直営の事業だと市バスの路線でも市立病院でも赤字だからと切り捨てるのに、なぜ大企業が参加した第三セクターだけは税金で救済するのですか。税金で救済する、民間任せにする、あなたの判断基準をうかがいます。
【市長】
民間の場合は向うの意思がありますので、減資をやっていただくのは、なしにしてくれということなので、まあ大変苦しいんではないですか。
【山口議員】
企業のことになると急に口が重くなるようですが、民間企業の力を借りようといつも言っているのは市長だ。第3セクターの経営危機ですから、この際、苦しい所にとは言いません、大手のもうけている民間企業には、一肌も二肌も脱いでもらいましょう。少なくともJR東海には市長が頑張って実現した減税以上の、または減税分の寄付は少なくとも求めるよう、交渉してください。答えて下さい。
【市長】
一遍、今度会ったときにお話ししてもいいんですけど、トロイこと言っとると言われるかもわかりませんが、減資しておりますので、大変苦しいというのは予想される。
【山口議員】
市は支援の枠組みを決めた後、市も会社も株主総会迄の間にこの問題を話し合うことになります。市長にはぜひ、強い態度で企業に迫っていただきたい。
【山口議員】
今年はCOP10が開催されます。生物多様性の維持には、環境の悪化を防ぐことが不可欠です。公害をなくし、地球温暖化を防止する自治体の環境行政が注目されます。市長、あなたが「名古屋に住んでちょう!」と本気でアピールしたいのなら、なつかしい言葉ですが「環境首都」にふさわしい施策こそ進めるべきです。しかし現状ではCOP10開催都市の市長として、これでいいのかと首をかしげることがいくつもあります。今日はそのなかで2点にしぼり、市長に質問します。
第一に、いわゆる「平針の里山」保全についてです。
議会では、(3年前の)2007年9月議会でわが党の田口一登議員が、この里山を保全するために市がイニシアを発揮せよ、と求めていました。多くの住民や、あの宮崎駿監督からも「里山を守れ」と強いメッセージが届いています。
しかし市長は、最終的に業者の買い取り希望との差額5億円の目処が立たなかったと買取を断念し、開発許可もおろしました。住民からは開発許可の取り消しを求める審査請求まで出される事態です。
市内の緑被率は現在25%、低炭素都市2050なごや戦略では、あと40年で緑被率を40%に増やす計画ですが、あなたの下では緑が失われていくだけではありませんか。
市長、なぜ、あれだけ思わせぶりなパフーマンスをしておきながら、里山の保全をあきらめたのか、答えてください。
【市長】
民有地ということが決定的な理由で、藤前干潟は、公有水面でしたので、できましたけど、民間の方が持っておられる土地を強制的に奪い取ることはできませんので、5億の金がどうしても埋まらなかった。寄付も考えましたけど非常にスキームが難しくなり、業者さんに寄付していただく格好になると、途中でもし集まらなかった時、大混乱し、その時、市民の皆さんにも大変なご迷惑をかける。ほんとに万策尽きましてやむを得ず許可をした。
【山口議員】
里山の買取でも万策尽きたと言いますが、保全を求める市民はまだあきらめずがんばっています。国頼み、寄付頼みの姿勢が問題ではないのか。市の責任です。161億円の減税を決断した市長が、生態系保護のための5億円は捻出できなかったと言われて市民は納得できますか。まだCOP10まで間に合います。保全のために、もう一肌、市長に脱いでもらいたい。
【山口議員】
名古屋を日本一空気のおいしいまちに、という提案は大歓迎です。でも市長、あなたは、おいしい空気をどう定義しているのですか。おいしい空気とは、当然きれいな空気であることが前提ですよね。きたない空気がおいしい訳がない。おいしいまずい、きれいきたない、をきちんと科学的、客観的に測定しなければおいしい空気かどうか判定できません。ところがあなたはその測定、分析の体制を縮小しようとしている。おかしいと思いませんか。
大気汚染常時測定局を削減し、環境科学研究所も廃止では、あなたの言う「おいしい空気」をいったい誰がどうやって調べるのですか。
【市長】
おいしい空気というのはわしもようわかりませんけど、うまい空気というのはあることは事実です。それは山か川か海かわかりませんけど、あることは事実で、委員会を開いてうまいとは何かということで大変盛り上がったと聞いております。
【山口議員】
おいしい空気という、あいまいなものでごまかさず、客観的に評価できる、きれいな空気こそとり戻していただきたい。研究会には、環境科学研究所の職員も加わっている。もうこの研究所、廃止できませんよね。でも公害患者、ぜんそくで苦しむ市民は一人も入っていない。おいしい空気を切実に求める市民の声こそ、反映させるべきです。
おいしい空気は山の空気とも言われたが、ならば里山守ることにもっと執念持って取り組んでほしい。
【山口議員】
ところで名古屋の空気=大気はもうきれいになったのか。私は3年前の本会議質問で、喘息の子どもが25年前の5倍に増えたことも示し、二酸化窒素などの環境目標を早くクリアせよと求めました。
現状はどうか、名古屋市の大気汚染測定局27ヵ所では南区元塩公園以外ではNO2の区が定めた環境基準をクリアしたといいます。しかし、名古屋南部公害訴訟の和解を受けて平成14年から名四国道沿いなど市内6ヵ所に設置された国の測定局では、いまだに南区要町で環境基準は未達成、港区宝神では、かろうじて基準値ちょうどです。
国基準より厳しく定めた本市の環境目標を達成したのはこの6局ではひとつもなく、本市が設置している自動車排出ガス測定局12局中でも4カ所だけです。測定局を減らすような改善状況ではありません。
市長、空気のおいしい場所を探すより、まず大気汚染のひどい地域の環境改善や公害患者の救済が先ではありませんか。
測定局は減らすのではなく、むしろコンテナトレーラーが走り回る名古屋港臨港地区などで積極的に増やすべきではありませんか。
以上、環境問題に対する市長の姿勢をうかがいます。
【市長】
大気汚染常時測定局の削減ですけど、今までの監視水準は維持しながらいわゆるPM2.5の新しい挑戦をしていくということでして、観測基地の数も、都道府県が管理している測定局も含みますけど、名古屋市で29カ所、これは維持しつつ、相当高水準をキープしているのは事実でございます。
【山口議員】
環境目標をクリアーしたのは測定局の50%を超えているというが、それで満足していいのか。国が設置した23号線沿いの測定局では、ひとつも環境目標をクリアしていない。日本一の測定体制を維持したいと市長も言ったが、国設置の測定局データが環境白書等に出てこない。市の測定局と同様に、国設置の測定局データも、市民に公表すべきです。市長、これはできますよね。
【市長】
この点については(わからんので)原課のほうに回していただきたい。
(環境局からはその方向で検討すると、別途回答がありました)
【山口議員】
測定局の配置を見直すのなら、汚染がひどい地域にきめ細かく配置すべきです。名古屋港の臨港地区は、国の環境基準の適用除外です、治外法権地域になっています。でも港区民、市民がすぐ近くに住んでいます。臨港地区に測定局をぜひ増やしていただきたい。港の管理者でもある市長さんに要望しておきます。
あなたは昨年9月1日、「健康と環境を守れ!愛知の住民いっせい行動」との懇談で、大気汚染が気管支喘息や慢性気管支炎などの病気発症の大きな原因の一つだと考えますか、と聞かれ「歴史的には大気汚染が大きな原因であることは間違いない」と答えました。この市長の認識はいまでも変わりませんね
【市長】
変わっておりません。
【山口議員】
懇談ではもうひとつ、あなたは、いま失効状態にある名古屋市特定呼吸器疾患医療費救済条例の復活を求めるやりとりのなかで、条例の効力を復活させ、患者の医療費助成にいくらかかるのか、と聞かれて、「試算は一度やってみるべきだ」と答えました。試算結果を示していただきたい。
【市長】
団体には説明しておる。対象者数は約19,000人、市内のぜんそく患者数30,000名、これは19年度国民生活基礎調査(厚労省)からの推計でそのうち公害認定患者など現在医療費助成を受けている方が11,000名です。助成費用は約5億円、条例による医療費助成額平均26000円が、一人当たり年間です(26000円×19000人=4億9400万円)。
【山口議員】
いろいろ言われたが、19000名で5億円という試算結果でいいですね。局長に確認したい。
【環境局長】
19000人で5億円、間違いない。
【山口議員】
名古屋はもう空気はきれいになった、公害が終わったとして、一度条例の効力を失効させました。ところが今、19000人もこの条例を必要としている気管支炎、喘息の患者がいらっしゃる、ということがはっきりしました。おいしい空気の研究より公害患者の救済が先です。救うべき患者がこんなにいるのなら条例を復活させるのが当然ではないですか。復活させたら日本初ですよ。COP10開催の年においしい空気の研究をしようという市長さん、ぜひ、この公害患者の救済条例、5億円です。復活させていただきたい。答えてください。
【市長】
東京、川崎などでやっとるが、いろんな病気でたたかって見えた方がそれぞれ補償を勝ち取られる例が非常に多いんで、一遍よう勉強させていただきたい。だけどおいしい空気は空気で、これはまあ、一つ挑戦させていただいてええんじゃないか、両立はさせていただける。
【山口議員】
おいしい空気は否定していない。公害患者さんをはじめ港区や南区のみなさんにもおいしい空気を胸いっぱい吸わせてほしいのです。公害犠牲者を、行政がしっかりと救済し補償するのは、二度と再び犠牲者をつくらない、との強い決意を表明する意味があるのです。
COP10開催都市の市長としての資格が問われます。環境で名古屋が日本一になろう、市長が本気でそう思っているのなら、測定局の削減は撤回し、患者救済に一歩踏み出すべきだと申し上げ、質問を終わります。
新たに大規模な税金投入が必要となったことは申し訳ない
【山田副市長】
当初の需要予測と現実の需要が乖離し、新たに大規模な税金投入が必要となったことは申し訳なく思っています。
今年度は、減価償却前の営業損益の黒字化が達成され、ランニングコストが賄える状況となった。年間延べ1千万人に利用され、将来にわたり必要不可欠な路線である。
あおなみ線に対して、抜本的な経営改善を実施することにより、安定的な運行を確保し、継続的な鉄道サービスを提供していくことが、本市の責務だと考えています。