2010年4月臨時会
議案質疑(4月19日)
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都市(国) | 人口 | 議員定数 | 報酬年額 |
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名古屋 | 225万人 | 75人 | 1,630万円 |
ロサンゼルス(アメリカ) | 385万人 | 15人 | 1,680万円 |
シカゴ(アメリカ) | 283万人 | 50人 | 1,030万円 |
ロンドン(イギリス) | 756万人 | 25人 | 780万円 |
パリ(フランス) | 220万人 | 163人 | 620万円 |
ソウル(韓国) | 1,046万人 | 106人 | 480万円 |
ミュンヘン(ドイツ) | 131万人 | 80人 | 320万円 |
シドニー(オーストラリア) | 18万人 | 10人 | 260万円 |
2009年。1ユーロ124円。( )は兼職していないときの報酬
区分 | パリ議会議員 | 国会議員 | 計 |
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報酬年額 | 400万円(610万円) | 1050万円 | 1450万円 |
また市長は、名古屋市と同じ人口規模のパリ市についても、議員定数は163人だが、報酬は約620万円と、報酬額が少ないという資料を出していますが、フランスの地方政治の専門家である岡村茂愛媛大学客員教授の著書によれば、パリの市会議員は国会議員と兼任ができることになっています。また、下院である国民会議の定数577のうち、6割の356名が市町村議員を兼務しており、日本に比べ低廉であるが、双方から報酬を得ています。岡村教授は、「議員を兼職に走らせる背景には何といっても財政問題、すなわち政治職への給付の問題が一方であることを見逃すことはできない」と説明しています。
このように、それぞれの国と都市の在り方、議会の仕組みも全く違う外国の都市をなぜ比較の対象に用いるのか、しかも市長はその中でも自分の主張に都合の良いところだけを取り上げていますが、情報開示でなく情報操作であり、市民を欺くものといわざるを得ません。
そこで市長にお尋ねします。議員報酬について、外国事例を都合のいいところだけ持ち出すのは、市民を欺くものだと考えますが、見解をお聞かせください。
【市長】
フランスはよくわかりませんけど、アメリカだとノンパーティザンで、みんな一人ひとりが自分で表決せないかん。条例もみんな出します。だからたくさんのスタッフがいる。私はそういう議員像を目指している。共産党までがみんな賛成したり、全部同じ議決をするような議会でなく、一人ひとりが責任を持って自分の評決を出来る、自分で条例案を出す、そういう議会をつくっていこうと提案している。根本が間違っているんじゃないか。
(参考)議会基本条例
第16条 3 議員報酬については、地方自治法の趣旨を踏まえ、本市の財政規模、事務の範囲、議員活動に専念できる制度的な保障、公選としての職務や責任等を考慮し、別に条例で定める。
人口:09年12月〜10年3月
都市名 | 政令市 | 面積 | 人口 | 条例定数 | 上限数 | 人口/議員 |
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札幌市 | 1972 | 1121.12 | 1,892,452 | 68 | 80 | 27,830 |
仙台市 | 1989 | 788.09 | 1,034,646 | 60 | 64 | 17,244 |
さいたま市 | 2003 | 217.49 | 1,214,709 | 64 | 64 | 18,980 |
千葉市 | 1992 | 272.08 | 956,682 | 56 | 64 | 17,084 |
横浜市 | 1956 | 437.38 | 3,671,386 | 92 | 96 | 39,906 |
川崎市 | 1972 | 144.35 | 1,410,734 | 63 | 72 | 22,393 |
相模原市 | 2010 | 328.84 | 712,635 | 49 | 56 | 14,544 |
新潟市 | 2009 | 726.10 | 812,105 | 56 | 56 | 14,502 |
静岡市 | 2005 | 1388.78 | 716,602 | 53 | 56 | 13,521 |
浜松市 | 2009 | 1511.17 | 809,233 | 54 | 56 | 14,986 |
名古屋市 | 1956 | 326.45 | 2,258,280 | 75 | 88 | 30,110 |
京都市 | 1956 | 827.90 | 1,463,373 | 69 | 72 | 21,208 |
大阪市 | 1956 | 222.30 | 2,662,608 | 89 | 96 | 29,917 |
堺市 | 2006 | 149.99 | 838,485 | 52 | 56 | 16,125 |
神戸市 | 1956 | 552.80 | 1,536,880 | 69 | 82 | 22,274 |
岡山市 | 2009 | 789.91 | 704,979 | 52 | 56 | 13,557 |
広島市 | 1980 | 905.13 | 1,171,640 | 60 | 64 | 19,527 |
北九州市 | 1963 | 487.71 | 982,319 | 61 | 64 | 16,104 |
福岡市 | 1972 | 340.96 | 1,454,631 | 63 | 72 | 23,089 |
【わしの議員】
市民を欺くという点では、4月10日号の女性のための生活情報紙、リビングの記事も大問題です。
あなたは、『リビング』紙4月10日付のインタビューで「議員は給料がよすぎる。わしは800万円にしたけれど、議員は2700万円。しかも4年ごとに4220万円の退職金がもらえる」と発言したとあります。しかし、議員報酬は、1510万円で、退職金制度はありません。
先日のパブリックヒアリングの席でも、このことを市民から追及された市長は、「編集者のチェックもれか、印刷間違いではないか」と弁明し、議会運営委員会でも謝罪され、リビング紙でも次の号で訂正記事を載せるということですが、すでに多くの市民が目にしており、謝罪や弁明では済みません。
市長は、臨時議会を前にして、「市民と議会の対立」構図を意図的に演出しているのではありませんか。議会運営委員会での謝罪のなかでも、「そのような発言はしていない」ときっぱり述べなかったことにも市長の姿勢があらわれています。
そこで市長にお聞きしますが、この本会議場で、議会や市民に対して、経過をきちんと説明をし、謝罪をすべきと求めますが、どのように対処されるのでしょうか。
【市長】
真相はよくわからないけど、いろんなとこでしゃべっていますので、間違えたとは思っていません。私がもし市長と議員を間違えたなら、たぶんその場で、あれは市長のことだ、というはずだと思う。ただし、人間ですからいい間違えはあります。この報酬は市長のことだと言ったと自信をもっております。仮に事業者が間違えた場合でも役所に原稿をチェックする義務はあります。現実に役所に原稿チェックしております。ですからどこかにミスがあったと思います。そういうことにおいては市役所の間違いは市長の間違いですのでお詫びを申し上げたいと思います。素直に謝罪しているじゃないですか。
名古屋市からのおわびと記事訂正のご報告
民間の情報紙「リビング(平成22年4月10日号)」の1面に掲載されました名古屋市長への編集長インタビューの記事の中で、名古屋市会議員の報酬および退職金に関する部分に誤りがありました。
この記事につきましては、リビングの発行者から事前に本市へ確認の依頼がなされており、確認段階で指摘すべきところ漏れておりました。
市民の皆様並びに関係各位に深くおわび申し上げます。
<掲載記事の訂正内容>
【誤】議員は2700万円。しかも、4年ごとに4220万円の退職金がもらえる!
【正】議員報酬は約1513万円(平成21年度実績)で、退職金はありません。
【わしの議員】
再質問します。議員報酬の具体敵なあり方の前提は、市民に正しい情報が提供されることです。この点で市長の乱暴な発言をきびしく注意したいと思います。
市長は、地方制度調査会では、外国の例についても使われているというが、調査会の委員会では、「外国の方法が、日本でうまく機能するかどうかというのは、社会的な背景の違いを考える必要がある」と、問題点を指摘されているのです。 市長は『リビング』紙の記載について、録音テープが残っていないとご自分の発言責任をあいまいにしたまま、『リビング』紙に「陳謝・訂正」の記事を求めたようですが、実は、市長は4月11日の「市政パブリック・ヒアリング」でも地方議員に退職金制度があったかのような発言をしています。
要旨を申し上げれば、「戦後、地方議員に報酬を与えただけでなく、退職金制度までつくった。これが今日の地方議員年金に変わった」というお話です。
市政パブリックヒアリングでの市長の発言(抜粋)
平成22年4月11日(日)
(略)私よう言いますけど、戦後マッカーサーが来たときに、ジャスティン・ウィリアムズという人が議会改革担当だったんですけど、議会を何とかもっと権威のあるものにしようと。なぜ日本の議会は軍部の、いわゆる戦争を拒否できなかったかということになって、立派にしようとしたということですね。ところが焼け野原なもんだからボランティアで出れないということがありましてね、ということで日本だけですけど、ま、これに報酬を。地方議会も地方自治法に昔は名誉職と書いてあったんですけど、それをやめて報酬をそういう格好で出すんだということになる。ついでに退職金制度を作りました。辞めても安心して食えるという制度は世界で日本だけです。それは準後焼け野原という特殊事情だったんです、これ。ということで、報酬l制度ができて、名古屋も続いていますけど、私はいろんなもの廃止しました。議会も当時どう考えたらいいかということになりまして、私たちは報酬を誰からもらう、退職金を誰からもらうんだということになり、これはおかしいじやないかということになって、考えたのはやっぱ金が欲しいからということで議員年金です。議員年金に変わっていったということで。(略)
確かに、国会議員の年金にはそのような経過があったと思いますが、地方議員に退職金制度はなかったと私は承知しています。市長は、国会議員と地方議員を混同して発言されたのではないかとも思いますが、戦後の歴史のなかで、地方議員に退職金制度が設けられたことがあるのでしょうか。
【市長】
国会議員にも退職金が出たことはないと思います。誰から退職金をもらうのかということになって、やっぱ退職金はおかしいのではないかということでこれが議員年金に変わった、ということです。地方議員もないと思います。
【わしの議員】
先日のパブリックヒアリングでは地方議員に退職金制度があったと言ったんですよ。自分の発言には責任を持たなければいけないと思います。いい加減な発言は困ります。
これまでも本会議での定数問題、名港議会での共産党への答弁、リビング紙、そしてパブリックヒアリングと、次々と間違った答弁を繰り返しています。市民は、まさか市長が公の場でウソや間違いをいうはずがないと考えるのが当然です。「ウソも百回言えば真実になる」「言ったもの勝ち」とばかりに、自説を展開することは、民主主義社会では絶対に許されない行為です。そこで、報酬額について再質問いたします。
市長は、市民と同じ給料だから800万円でいいといいますが、その根拠となる客観的なデータはなんら示していません。60歳の中小企業の平均給与が800万だと、いったいどのデータをもとにそのような数字をいわれるのかわかりませんが、市民から「800万円だって高い」という声すらあります。
国税庁による平成20年度の民間給与実態統計調査では、サラリーマンの平均給与は、平均420万円です。年間給与が800万円を超える人は、全体のわずか9.7%。どうしてこれが平均給与なのか理解できません。
議会基本条例では、「議員活動に専念できる制度的保障」ということをうたっています。この観点に立てば、生活給として必要な金額はいくらであるべきか、それ以外に政治活動に必要な経費について、どの範囲までを報酬で見ることが適当なのかなど、考え方を整理し、客観的データの比較検討をもとに検討しなければならないことはたくさんあります。
議会も市民も納得できる報酬額を決めるには、根拠となる客観的なデータが必要だとは考えませんか。お聞きします。
【市長】
800万が中小企業の平均給与といったことはない。国民経済統計みたいなのがあるんですが60歳の雇用が継続している人の平均給与が、800万ですと。だから私は800万円でやりますと言いました。中小企業とかはもっと低い。ええ加減なこと言わんでちょうだゃあよ、あんた。どこに書いたるんですかそれ。
自分で言い訳するつもりはありません。名古屋市の中での失敗は私の失敗ですから。ですから誠実に謝っている、それを故意のように言ったり、野党がおらんから目茶苦茶に言うのはええ加減しとかないかんですよ。ほんとに。
【わしの議員】
中小企業の平均給与800万は9月定例会でのとみた議員への答弁で答えています。自分の発言には責任を持ってください。
(※6月議会での吉田伸五議員への答弁でも同様に答えています。市長は21日に事実を求め訂正しました。)
2009年6月議会での吉田伸五議員への答弁
議員というのは本来は寄附で成り立つべきなので、税金でもらう分は本当の実費の部分、ボランティアでゼロでやるところもありますけど、私はそこまで金がないもんで暮らせぬようになりますので、市民の皆さん、ちょうど調べましたら、民間の中小企業のほうが最終的には給料が高いようですけど、60歳の平均給与、中小企業だと大体800万円です、これは。ですから、これで市民の皆さんと同じ生活をすると
2009年9月議会でのとみた勝ぞう議員への答弁
だから、僕は、みずから、口先だけではいけませんので、自分の給料を必要給料3分の2減らして800万円。市長退職金も廃止しました。私の目線がぶれないように、いつも名古屋市民の本当の普通の民間の納税者の60歳の年間平均給与が800万円です。同じ立場でこの名古屋の政治を見てみようということで決断してやっておるわけです。
いま、いろいろ言われましたが、800万円の根拠は示されませんでした。委員会で審議できるように、根拠を示すべことをもとめます。
市長は、「政治家の報酬は、自らの理念にもとづき提案するものだ」といわれましたが、市民参加で決めるということは時代の流れです。さいたま市では、報酬審議会の委員10名のうち2人を公募市民の委員にしています。尼崎市では、報酬審議会の中間答申に対してパブリックコメントを実施しています。このように、市民参加の取り組みが始まっていますが、私どもの提案は、これをさらに進めて、市長の諮問機関ではなく、議会のもとに第3者機関を設置するという、議会の主体性を発揮する画期的な提案です。
2月定例会で制定された議会基本条例では、定数、報酬については、「地方自治法及び議会基本条例の趣旨を踏まえ、市民の声を聴き、定めていきます」としています。市民参加の第3者機関設置は、この基本条例を具体化するものであります。市長に再度伺います。
議員報酬を、市長の押しつけでも、議会のお手盛りでもなく、主権者・納税者である市民が参加した第3者機関で検討することこそ、民主主義発祥と言えるものではないですか。お答えください。
【市長】
考えられないことではないですけど、まず、自分はいくらが適正であるかを言うことです。それ言わずに突然第3者機関に投げるというのはおかしいと思います。800万の資料は出します。
(※800万の根拠となる資料:財団法人労務行政研究所「労政時報」の厚労省「賃金構造基本統計調査」による標準労働者の年収試算より)
【わしの議員】
私たちの提案をきちんと読んでないし、議会基本条例を市長は理解されていないということですね。
今回の臨時会の招集は、冒頭にも申しましたように、やはり大義はありません。市長は、再議とか臨時会とか使える制度は、なんども使うというつもりかもしれませんが、それは民主主義のルールとは言えません。
河村市長は、「二元代表制は立法ミス」といって、憲法が定める地方自治の仕組みを否定する立場のようですが、少なくとも、市長としては憲法遵守する義務があります。市長がどれだけ自説にこだわっていたとしても、二元代表制のもとでは、議会の意思もまた民意なのです。
議会は、基本条例を制定し、報酬についても自ら議論をしようとしているのです。市長が、本当に議員報酬引き下げなど議会改革を実現しようと思うなら、議会で否決された条例案と全く同じものを提出するべきではなく、議会の対応を見守るべきです。日本共産党は、これまでも費用弁償廃止や政務調査費の領収書全面公開など議会改革を実らせるために努力してきましたが、議員報酬引き下げについても、議会全体の合意となるように、真摯に力を尽くす決意です。
最後にこのことを申し述べて、ひきつづき委員会での質疑にゆだねて質問を終わります。
第3者機関にまる投げはどうか(市長)
【市長】
議員それぞれが、自分の報酬についていくらがいいか、発表すべきではないか。はじめから全部まる投げにして第3者機関でやることはおかしい。