2010年5月臨時会
請願採択を求める討論(2010年5月20日)
江上博之議員

「市長等及び職員の給与の特定に関する条例の一部を改正する条例」について


江上博之議員

【江上議員】
日本共産党名古屋市会議員団を代表して、本条例案への反対討論を行います。

以下理由を申し上げます。

民間給与を下げ景気をさらに低迷させる

第1に、市職員のボーナス削減は、民間給与を下げ、景気をますます低迷させるからです。最近発表された3月期決算報告で、大企業、特に、自動車産業は、減収増益だそうです。人件費の削減、下請け中小企業の単価のますますの切り下げによるものです。市民のくらしは、一層冷え込んでいます。生活保護の受給件数も増えています。市政で急ぐべきは景気対策のための施策です。民間大企業に社会的責任を求めることです。市内の中堅の銀行に勤めている友人から、名古屋市職員の給与を上げてほしいといわれました。それは、その銀行が市の給料表を参考にしているからです。福祉施設の職員のみならず、民間企業全体に市職員の賃金は影響しているのです。大企業に億単位の減税を行い、一方、人事委員会勧告を総額で24億円も切り下げるボーナス削減は認められません。

繰り返される賃金カット
項目 影響額
2009年のマイナス勧告分 66億円
退職金の減 31億円
定員の見直し 28億円
2010年度の手当見直し 31億円
2010年のボーナスカット 24億円
180億円

市収入不足の穴埋めのために

第2に、マニフェストに反する金持ち・大企業優遇の10%減税をはじめとする市収入不足の穴埋めのための削減だからです。新年度予算案の収支不足は、減税財源161億円を含め486億円です。そのために、福祉・市民サービス削減をはじめ、臨時財政対策債を80億円増発します。財政調整基金を30億円取り崩します。日本共産党は、景気対策の減税というなら、所得制限を設け、4人家族で年収800万円までとし、福祉と減税の両立を提案しました。市長公約の金持ちゼロの具体策です。これによって、個人市民税44億円と大企業優遇の法人市民税26億円の減税をやめれば、財政調整基金は取り崩さず、赤字市債である臨時財政対策債の発行も少なくすることができます。

マニフェスト違反

第3に、市長は、マニフェストで人件費削減としているからといいます。しかし、市長に期待した声は、暮らしを良くして欲しい、景気を回復してほしいからです。ましてや、マニフェストには、『おおむね500万円以下の職員は対象にしない』とありますが、守られていません。都合が悪いところは、マニフェスト違反です。

今、市政に求められるのは市民の暮らしを守り、景気をよくすることです。その実現に全力を尽くすことを求め討論とします。

 

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