2010年5月臨時会
議案質疑(2010年5月20日)
くれまつ順子議員

市長等及び職員の給与の特例に関する条例の一部改正について


くれまつ順子議員

ボーナスカットの提案に人事委員会はどう思うのか

【くれまつ議員】
今回の職員の期末勤勉手当つまり、ボーナスカットの提案理由について、提案理由には、厳しい財政状況にあって、市民生活への影響を緩和することによるとあります。厳しい財政状況はどうやってつくられたのでしょうか。

今年度の予算は、景気の低迷による市民税の減少に加えて、利益をためこんでいる大企業への法人市民税の減税と高額所得者ほど手厚い市民税減税が行われ、税収不足になりました。そして、将来の市民へ負担をおしつける市債をふやし、いざというときにためておくべき財政調整基金をとりくずしてしまいました。

私は、結局のところ、大企業と高額所得者への減税の犠牲になって、職員のボーナスカットをして、職員のみなさんに負担をしいるのは問題だと思います。

対象者 削減率
企業管理者(除 病院局長)・教育長・局長(9級) 9.0%
部長級(8級) 8.8%
固定資産評価員・課長級(7級) 8.5%
係員・係長級(2〜6級) 7.0%
係員(1級) 5.0%
一人当たり 12万2041円の削減

市民のためにがんばっている職員のみなさんです。昨年も5月の臨時会で平均0.2か月、約8万円のボーナスカットがされました。今回の提案ではさらに平均12万円のボーナスカットです。これ以上職員に負担をしいるべきではないと思います。

そこで、まず、人事委員会に伺います。

人事委員会は市職員に争議権がないかわりに給与を適正なものにするために勧告するわけです。しかし、今回は勧告もなしに、大企業や高額所得者への減税のために職員の給与を下げることは、許されないと思いませんか。人事委員会の役割を否定するようなことではないですか。お答えください。

大変遺憾だが、やむを得ない(人事委員会)

【人事委員会】
人事委員会は中立的専門的見地から、職員の適正な勤務条件の確保をしていく立場にあります。職員の給与については地方公務員法の給与決定の原則に沿った対応が求められている。職員の給与引き下げが続いている中でのさらなる削減措置で、私どもとしても大変遺憾に存ずる次第です。

ただ、財政状況の厳しい名古屋市において、こうした措置が臨時的なものであること、さらに、職員団体と十分協議がなされていると聞いており、やむを得ないものと判断しております。

期末勤勉手当の削減の景気への影響はどうか

【くれまつ議員】
景気への影響について、市長に伺います。職員のボーナスカットによる、民間給与の削減影響が心配されます。昨年の給与改定時には、民間保育園の給与カットも同じようになされ、特に独身職員は、住居手当が2500円になって生活を直撃したと聞きました。私は、職員のボーナスカットが民間の給与に影響し、景気をひえこませるのではないかと心配します。そこで、市長に伺います。ボーナスカットが市民生活にどう影響し、景気へどう影響するとお考えなのか、お答えください。

考えていません(市長)

【市長】
おととしから、大変な不景気の中で税収も落ち込んでおりますし、民間の雇用、給与の引き下げはものすごいものがありまして、民間の場合はこういうことやらなくても、当然のことながらマーケットによって、企業努力によって、給料が下がっていくんですけど、公務員の場合はそうではないということで、ギリギリのご協力をたまわったということでございます。こういうことをやらしていただくことで、ひいては行財政改革の一つですので、すぐとは申しませんが住民サービスのなんかにはなっていくのではないかと、いうことで、そのようなご指摘は考えていません。

大企業減税をやめればカットの必要はない(再質問)

【くれまつ議員】
人事委員会は「やむを得ない」ということですが、職員に関する官民の格差を調査して職員の給与を維持していくという役割があると思います。しっかりと意見をだすべきと申しあげておきます。

市長から答弁いただきましたが、景気の影響について答弁がいただいていません。

今、市民は、仕事を増やすこと、景気回復、生活の安定を望んでいます。私が、お尋ねした自動車修理店の社長さんは、“減税もいいが、仕事がほしい。景気をよくしてほしい”こうおっしゃっていました。

職員の6割は市内在住というわけです。ボーナスカットによって可処分所得がへることになる。ボーナスカットが市内の民間の給与削減に影響し、家計をひえこませ、市内の経済に悪影響をもたらすと考えます。

提案ですが厳しい財源不足を生み出している原因となっている、金持ち減税と法人市民税減税をやめる、このうち大企業に優遇している法人への市民税10%減税分は総額で26億円です。この法人市民税の減税を中止して、職員のボーナスはこれまで通り維持したらどうでしょうか。再度、市長に伺います。

高い給料やボーナスがどうして景気対策か(市長)

【市長】
共産党さんが庶民の味方というのはよくわかるけど、なんで公務員になると急に守られるんですか。商売やっている人からすれば、公務員の給料は、下手すると民間の平均給料の倍近い、そういう高どまったボーナス・給料をそのままに保持するということが景気対策になるというのは、ちょっと考えられないんですね。モラルハザードのほうが大きいですよ。やっぱり。いちばんええのは民間の給料が上がって公務員の給料まで届くことです。なかなか簡単なことではありません。

景気を回復する、回復するって、呪文じゃないんだから、どうやってやるつもりなんですか。一体、これ。東京の大一局集中の中で、名古屋ができること、国の一定のやられる景気施策はちゃんとやっております。それに対して名古屋の一つの金看板として税金の安いマチだということで、直ちにはすぐぱっぱと動くわけではありませんけど、全員がそろって市の職員が全員東京にでも行って名古屋で商売やってちょうと、そう言って、うってやることをやめさせといて、景気回復させようと、そんな念仏では景気はようなりませんよ。減税がすべてとは言いません、財源として、起債もなしで、行財政改革だけで減税やると、強い挑戦は大いに拍手してもらわないと、経済から見た場合はね。これはちょっと理解に苦しむんですけど、それとも共産主義と考え方が違うのか、ようわからんですけど。

金持ち減税をやめれば福祉実も給与も守れる(意見)

【くれまつ議員】
金持ち減税をやめれば市民のための福祉の充実のための予算がつくれます。職員の皆さんの給料を守って、民間の給与も上げていかなければ。今家計が冷え込んでいるのが問題です。景気対策をしっかりすすめて行くことを申し上げておきます。

 

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