2010年5月臨時会
請願採択を求める討論(2010年5月20日)
山口清明議員

1万5千を超える市民の願いを受け止め、城西病院の住民合意なき「市立」廃止をやめよ


山口清明議員

【山口議員】
「城西病院の存続・充実を求める請願」には1万5千を超える市民の署名が添えられており、請願の採択を求めて討諭します。

廃止を見直す時間はまだある

委員長報告では、議会が既に城西病院の廃止条例を賛成多数で議決したので、審査打ち切りだとしています。しかしこの条例では、廃止時期は来年3月末であり、その後の見通しもいまだ不透明です。廃止条例の見直しもふくめて検討する時間は十分にあり、審査打ち切りには同意できません。請願を採択すべき理由は以下の3点です。

住民合意のない突然の廃止方針

第一は、廃止の方針が住民や病院利用者の合意もなく突然に決められたからです。そもそも市立病院改革プランでは、城西病院を高齢者にやさしい病院として存続させるとしていました。ところが、ごく限られた有識者会議の意見とそれに飛びついた市長の廃止発言で、いとも簡単にこの計画をくつがえしました。私は改革プランには批判的立場ですが、真剣な論議を経て決めた計画を住民に十分な説明もなく、存続から廃止へいきなり百八十度変えるのはあまりに乱暴です。

地域の信頼と安心を失う

第二に、城西病院の廃止は、地域住民の安心して医療を受ける権利を脅かすからです。城西病院は住民からはもちろん、開業医からも患者の懐具合を気にせず紹介できる病院として頼りにされています。城西病院の差額ベッドは許可病床の12%、料金も3,150円〜5,350円です。一方、近隣の総合病院では差額ベッドが2割から5割を占め、料金も6,300円〜52,500円です。ひとけた違います。経営的には苦しい数字ですが、患者の経済的負担が軽い病院なのです。これが民間経営に変わったら、現在の料金水準の維持はかなり困難です。経済的弱者でも安心して通える病院こそ必要です。

中村区内の病院 差額ベッド代比較
病院名 有料病床数/総病床数 差額ベッド代(円)
城西病院 38/305(12%) 3,150〜5,250
31/102(30%) 6,000〜15,000
99/198(50%) 6,300〜52,500
166/852(19%) 8,400〜52,500

市立病院こそまちづくりに貢献を

第三に、市立病院だからこそ、少子高齢化が進む中村区のまちづくりに貢献できるからです。高齢化がすすんでいる地域だからこそ、開業医や保健所などとも連携し、老後も安心して地域で暮らせる全市のモデルとなる地域医療をつくる。少子化がすすむ地域だからこそ産婦人科や小児科の充実で、子育て世代を呼び込む。このような施策の拠点となる病院を手放すことは、とりかえしのつかない大きな損失ではないでしょうか。

住民から医療を遠ざける政治をかえよう

最後に、そもそも廃止理由とされる病院の赤字は、長年続いた自公政権の医療費抑制策が最大の原因です。ところが民主党政権も、事業仕分けで国立病院や労災病院の切り捨てを打ち出しました。住民から医療を遠ざける政治は国政でも市政でも変えなければなりません。この請願に署名された多くの市民と共に地域医療を守り抜く日本共産党の決意を申しあげて、討論を終わります。

 

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