2010年11月定例会 議員提出議案への議案質問(11月30日)
《公明 提案ヘの質問》
行財政改革に財源を求めて、福祉や暮らしの予算を拡充できるのか

山口きよあき議員

名古屋市市民税減税条例の制定について


山口議員

(三輪議員の提案説明)
個人市民税の均等割を年額3000円から100円にする、資本金1000万円以下、従業員50人以下の法人市民税の均等割を5万円から5千円にする。課税総所得金額376万円以下の所得割額は10%を乗じた額を控除した額とする。個人の所得割の納税義務を負わないものは市民税を全部減免する。減税額を減した原資で景気対策や福祉施策が推進できる。

公明党の減税条例案

  • 個人市民税10%減税は4人家族年収800万円以下を対象。均等割りは税額3,000円を100円にする。均等割りのみ課税者は全額減免。法人市民税減税は資本金1千万円以下、従業員50人以下の企業の均等割り税額を5万円から5千円にする。3年間実施する
  • 減税規模135億円。(参考:現行226億円、共産106億円)

均等割4万5千円の減税で中小企業の経済支援になるのか

【山口議員】
第一条では、減税の目的として「庶民の生活支援及び中小企業の経済支援を図る」としています。減税の対象から高額所得者をはずし、低所得者に手厚い減税とすることは、庶民の生活を支援するために必要だと私も思います。

まずお聞きしたいのは、法人市民税減税についてです。均等割が5万円に区分される法人については「年額5千円とする」としています。年間4万5千円の減税が「中小企業の経済支援を図る」ことにどの程度、役に立つのか、その経済効果を示してください。

赤字に苦しむ中小企業への応援メッセージ

【三輪議員】
大きな効果がある。赤字で苦しむ中小企業に市が応援メッセージを送るということが大事。企業規模や経営状況に関係なく一律に減税するものではない。あくまで資本金1000万円以下従業員50人以下を対象にしている。大企業や十分な利益を得ている企業は対象にしていない。融資や地元中小企業へ公共工事の発注を積極的に行うなど経済起爆を合わせて推進していくべき。

所得割ゼロを非課税世帯として扱う影響はどの程度か

【山口議員】
条例案の付則では、個人所得税の所得割ゼロの市民は、均等割も全額を減免するとしています。積極的な提案だと思いますが、この対象者はいわゆる非課税世帯扱いとするのでしょうか。

だとすると国保料や各種福祉施策などの負担額も軽減されますが、どの程度の影響が出ると見込んでいるのでしょうか。

大きな国保減免でも数千万円

【三輪委員】
非課税世帯となることで国保や介護の保険料など負担限度額などの認定などに影響が出る。何億円というほどでなく、いちばん大きな国保減免でも数千万円で収まる。

なぜ3年後の見直しなのか

【山口議員】
検討の規定です。「条例施行後3年を経過した場合において」、「効果を検証しつつ・・・所要の措置を講ずる」としていますが、なぜ3年か。現在の市民税減税を一年限りにするとあなた方も提案していました。

なぜ1年ごとに実施の可否を判断するのでなく、3年で効果を検証するのか、その根拠を示してください。

市長減税には財源の裏付けがなかったから1年だ

【三輪議員】
現在の減税は1年ごとにした。十分な財源もないまま提案されたものであり福祉や教育などさまざまなところに影響が出ることを危惧し、金持ち減税で市財政を圧迫する危険性を感じたからだ。

今回の減税案は大企業や金持ちへの減税をやめることで約91億円が削減でき、さらに2月議会で提案した行政改革を断行することで十分な財源が確保できる。しかし高齢化やアセットマネージメントなどの状況を検証することも必要で、そのためある程度の経過をみる必要があるので3年とした。

減税財源は市長と同じように行革で捻出するのか

【山口議員】
この案では減税規模は来年度135億円となります。市長提案の226億円より減税規模は縮小されますが、減税の財源をどうまかなうのか、市長減税と同様にいわゆる「行革」で生み出すのか、それとも、その他にも財源を考えているのか、お答えください。

様々な行政改革の推進で十分な財源を確保

【三輪議員】
金持ちと大企業への減税をやめることで91億円、減税規模は縮小されるがそれでも135億円の財源が必要。必要なインフラ整備はある、との観点から将来を見据えて必要な施策は推進していくものと考える。そのうえで、2月議会に提案したように様々な行政改革を推進することにより十分な財源を確保でき減税は実現できる。

減税の財源は、大型公共事業にきちんとメスをいれること

【山口議員】
法人市民税の減税は、市長減税の9倍です。それでも個人でなく法人への減税です。この分の減税総額は29億円、これだけあったらもっと効果的な中小企業への支援策ができると思います。

例えば、この3分の1の約10億円で、工事費の10%・20万円でリフォーム助成5000件が予算化できます。10倍以上の仕事が生まれ100億規模の経済効果が発揮できます。減税より、税金を払えるだけの仕事を増やすことが優先ではないでしょうか。

減税財源を行革に求めるのは同意できません。行革という名で、結局、福祉が削られたら何にもなりません。行革で経費が削られた役所からは、民間への仕事の発注も減っています。公園や道路の整備や清掃の回数が目に見えて減った、との指摘が市民から出ています。

減税の財源は、大型公共事業にきちんとメスをいれることです。

以上、いくつかの問題点を指摘しましたが、庶民と中小企業へ配慮した減税になっていることは、河村市長の10%減税に比べてはるかに良い提案だと思います。私ども日本共産党市議団の提出した減税条例案ともども、この続きは委員会でしっかりと審議していただくことにして、私の質疑を終わります。

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