2010年1月臨時会 議案質疑(2011年1月7日)
市長辞職に伴う補正予算―
身勝手な辞職に伴う4億円の負担増に痛みを感じないか
江上博之議員
専決処分(補正予算)について
江上博之議員
論議を尽くさないままの辞職は責任放棄だ
【江上議員】 今回の補正予算は、当初県知事選挙だけを予定していた選挙費用が、住民投票、市長選挙の同時選挙になったことにより、2億8900万円余増額するものです。その内訳は、当初は、県の支出だけであったものが、市の支出が4億100万円余増額され、県支出金は減額されます。さらに、市の支出は、地方交付税と財政調整基金です。全国の標準的な行政を行うために国が支出する地方交付税を、今回の異例な場合に使うものでしょうか。また、専決処分の理由は、日程上準備に間に合わないというものです。
私たちは、解散・リコール署名の37万に上る署名数は、議会への批判として重く受け止めています。しかし、住民投票を求める請求趣旨には反対です。減税は、景気低迷の下、低所得者や中堅層には効果があると考えています。ところが、金持ちに1000万円とか大企業には億を超える減税とか一律10%減税でマニフェストの「金持ちはゼロ」に反するものです。さらに、財源はマニフェストで「徹底した行財政改革によ」るとしながら、保育料の値上げや自動車図書館の廃止など福祉・市民サービス削減で賄おうという提案で、やはりマニフェストに反しています。日本共産党は、低所得者や中堅層に限り、個人市民税の減税で、所得制限を設けるために税額控除方式を提案し、財源は、名古屋城本丸御殿の再建の延期をはじめ四大プロジェクトなど大型開発の見直し・中止で賄う修正案を提出しました。地域委員会は、今、検証中です。そして、市長の議員報酬半減条例案は、市長の議員に対する押し付けです。私たちは、署名にこめられた「議員は市民の生活がわかっているのか」「議員報酬が高すぎる」という声を踏まえ、年収800万円も視野に入れた報酬引き下げを提案し、他会派にも呼びかけています。そして、議会は、市民も参加した第三者機関での報酬額決定を自主的に進めているところです。以下、市長に質問します。
第1に、市長の辞職についてお聞きします。辞職理由にも市民税10%減税に議会が事実上反対したからとあります。市民のためにもならないうえに、市長のマニフェストにも反する減税に反対するのは議員としての責任ではないでしょうか。そして、市長と議会、議員は、それぞれ市民福祉増進のために論議を行いよりよい施策を決定していくことが求められています。ところが、市長は、私たちの質問にいつも同じ回答でした。論議を尽くさないまま辞職では、議会に対しても、市民に対しても責任放棄ではありませんか。
また、景気低迷の下、地域経済活性化のために、雇用と中小企業の営業を守る施策をはじめ市民生活を守る予算を実現すべき時です。その来年度予算審議がこれから行われようとしており、今、予算編成の真っ只中です。その時に辞職とは、重大な責任放棄と考えます。
そこでお聞きします。辞職は、市長の責任放棄ではありませんか。
議案として提出すべきで、なぜ専決処分か
【江上議員】 第2に、専決処分についてです。昨年11月議会当初に辞職すると宣言されました。実際には、12月20日辞職願を提出され、選挙管理委員会が2月6日の投票日を設定したのが翌21日でした。22日に、議会側は、住民投票の弁明書議決のために臨時会の招集を市長に求めるために議会運営委員会を開催しました。その際、市長からは、投票準備の補正予算について一言も発言がありませんでした。ところが、2日後の24日に、突然専決処分です。市の支出が4億円以上もの補正予算について、本来議案として提出すべきなのに、なぜ専決処分を行ったのでしょうか。説明を求めます。これで、第1回目の質問とします。
論議を尽くしているとは言えない(再質問)
【江上議員】 民主主義をすすめるためにお金は、必要です。しかし、今回の市長辞職が民主主義をすすめるためでなく、民主主義を放棄したために使われるお金ではないでしょうか。市民の声を聞くことは必要ですが、憲法の二元代表制は、市長と議員のチェックアンドバランスから徹底した論議を前提にしています。市民税10%減税で、所得制限を設けるために税額控除方式があると私たちは提案しました。しかし、市長は、国の税制改正が行われたからそれにしたがったというばかりです。マニフェストは、国の税制改正の後に発表されていると質問しても、税制改正を持ち出すだけでした。また、税額控除方式について何の意見もありませんでした。これでは、論議を尽くしているとは言えないではありませんか。市長として、市長と議員とが論議を尽くし、その一致点で市民によりよい施策を実現することが大切であるとお考えですか。
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減税の否決は明確な不信任、漫然と職にとどまることが責任ある態度と言えない
【市長】
私はかねてから、市長選の1丁目1番地の公約はぜひ実現させていただきたい、それが出来ないなら不信任案を直ちに提出をしていただきたいと何べんも申し上げてきた。
したがって11月定例会で減税が否決されたことは、私に対する明確な不信任であり、漫然と職にとどまっていることが責任のある態度とは言えない。市長が不在になる選挙期間中は市政運営に影響がないように万全の態勢を取るむね、幹部のみなさんにも指示をさせていただいております。
議会のリコールをいうなら、私も職をやめてもう一回、1割減税を主張してもいいですかということを市民のみなさんに聴いてみることは当然で、責任ある態度だと考えている。