3月議会を終えて(声明)
2011年4月27日
日本共産党名古屋市会議員団
◆3月11日の東日本大震災被害の甚大さに、だれもが心を痛め、名古屋市の被災地支援も行われる最中に3月議会が開かれました。日本共産党は、国難というべき大災害をのりこえ新しい日本社会をつくる立場から、市長への申し入れをおこなうとともに、この議会のなかでも大震災と原発事故への対応、福祉・防災のまちづくりへの転換について一貫して重視してとりくみました。
◆出直し選挙のうえに生まれた議会として、日本共産党は団長・幹事長会の場で透明でわかりやすい議長・副議長選出を求めました。しかし、他会派が従来同様に議長配分の検討をはじめたため、わが党は、所信表明をして議長選挙するなど市民にわかりやすく改善するよう他会派に求めました。その結果、議員総会が開催され、議長副議長候補の所信表明が行われ、わが党の提案が実りました。党市議団からは、議長候補にわしの恵子議員、副議長候補に田口一登議員がたち、それぞれ議会の民主的改革に挑む決意を述べました。議長選出で所信表明がおこなわれるのは、さいたま市、千葉市に続いて政令市で3番目です。また、今議会から委員会のインターネット中継も始まりました。
◆3月議会は2011年度一般会計予算など115議案を可決し、閉会しました。日本共産党名古屋市会議員団は、東日本大震災復興支援の補正予算や、中学3年まで医療費を無料にする子ども医療費助成条例改正など76議案には賛成しました。一方、「行財政改革」の名で市民サービス削減を進める「構造改革」路線が継続され、本丸御殿復元や中部国際空港第二滑走路促進など大型事業を計上する一般会計予算、職員定数の削減条例案、料金が有料化になる名城庭球場条例などの条例一部改正案、緑市民病院を民間委託する指定管理者の指定など、39件には反対しました。自民、公明、民主はすべての議案に賛成、減税日本も会派としては市長提案議案すべてに賛成でした(3議案について減税日本2名が反対)。
◆日本共産党市会議員団は、市民の切実な願い実現をめざし、論戦を行いました。代表質問でわしの団長は、東日本大震災と被災地支援、地域防災計画について地震および被害想定の見直し、木造住宅耐震改修助成の拡充、原子力行政、天守閣の木造復元について質問しました。消防長は「地域防災計画を総点検する」と答弁。河村市長も「相当厳しい目での見直しを指示」した、耐震改修助成の「30万円の上乗せは絶対やります」、浜岡原発の安全性について「原発は危険という前提で情報公開し考える」とこたえ、検討会で原発の安全性を検証すると答弁しました。わしの団長は「福祉防災最優先の市政に転換を。天守閣復元いまやることか」と指摘しました。
◆個人質問には、岡田議員、さはし議員、田口議員がたちました。岡田議員は、介護利用料の減免措置を求めました。市長は「勉強させてください」と答弁しました。さはし議員は、高すぎる国保料の引き下げを要求。市長は「認識はまったく同じ」と答弁しました。田口議員は、浜岡原発の停止、原発事故を想定した防災計画策定を求めました。市長は「原発の安全神話はいっさいございません」「浜岡原発の安全性を検証し停止も含めて研究する」と答弁しました。防災計画について、市長は「国や県の動向を見守っているだけでおわるつもりはない」と答弁しました。
◆保育料の値上げ(2%、1億円余)に対し、多くの保育関係者と父母による要請行動と議会傍聴がとりくまれました。日本共産党は、財政福祉委員会、教育子ども委員会のなかで反対を表明し、予算案に修正がくわえられ、2年連続で保育料値上げをストップさせることができました。
◆焦点の議員報酬半減問題では、減税日本案、自民・民主案の2つの議員提出条例案が提出されました。減税日本案には、今年6月支給の期末手当について前職議員に約108万円上乗せするという「特権的」措置が盛り込まれており、田口議員がこの削除を求め、減税日本側も再検討を表明しました。自民・民主案にたいしては、第3者機関の設置は将来的な報酬改定には必要だが、選挙という最大の市民参加の機会において民意は明白で、今回は設置する必要はないと質しました。審議を通じてそれぞれの問題点が浮き彫りになり、いずれの案も成立の見通しが立たず取り下げられました。そのうえで、「特例での報酬半減」で全会派が一致し、議員報酬を年額800万円に半減する特例条例が、全会一致可決されました。特例という暫定的な措置とはいえ、報酬半減は、先の出直し市議選で示された市民の民意であり、市民の暮らしの痛みがわかる議会に向けた改革を大きく進めるものであり、わが党も共同提案者となり賛成しました。
◆請願は、緑市民病院のよりよい医療を求める、国保の改善を求める、浜岡原発の事故による市民の被害を防止する、妊婦健診費用に補助を求める、TPP参加反対の意見書提出を求める、火葬場建設の地元理解を求める、中区栄四丁目場外舟券売場に反対、小規模場外舟券売場設置を求める、短歌会館の存続を求める、の9つの内容、計25件が提出され、それぞれ閉会中の委員会審議に付されました。
◆決議・意見書は、わが党として「東日本大震災の被災者支援と復興」「原子力行政及びエネルギー政策の抜本的な転換を求める」「地上デジタルテレビ放送への円滑な移行」「介護保険法の改正」の意見書案を提案し、「東日本…」については他会派と一本化されましたが、それ以外は自民などの反対で成立しませんでした。「東日本大震災の復興支援」「東日本大震災の復興支援に従事する本市職員の激励」の2本の決議と、「経済雇用対策の迅速・的確な実施」「保育所待機児童解消」「東日本大震災の復興支援」「子宮頸がんワクチン不足」「東日本大震災による震災遺児への支援」の5本の意見書が全会一致で採択されました。
◆民主党政権は、地域主権改革の名のもとに、地方自治破壊を進めようとしています。名古屋市も、道州制を先取りするかのように、愛知県と一体となって「世界とたたかえる愛知・名古屋の実現に向けた司令塔」として「中京独立戦略本部」の設置をすすめ、名古屋港の整備推進、中部国際空港2 本目滑走路の建設促進、リニア中央新幹線の建設促進、など大型事業をすすめています。日本共産党名古屋市会議員団は、東日本大震災の復興支援に全力を尽くすとともに、人間が大切にされる福祉・防災最優先の市政への転換を目指して全力をつくします。
以上