公立保育園の増設で「全国ワースト1」の待機児解消を
岡田ゆき子議員は、6月30日の本会議個人質問で、休日保育の拡大・待機児解消問題と、介護保険について質問しました。
トヨタ等の土日操業に伴う休日保育について、政府は『安心子ども基金』を活用して電力対策期間中の休日保育は料金を徴収しないと通達を出しました。しかし、名古屋市は休日保育を、10ヶ所から18ヶ所に拡大しましたが、保育料は従来と同様に取ると決めました。
岡田議員は「今回の休日保育は、原発を推進してきた政府、東電に責任がある。休日保育料は実施企業を通して国が保護者に補助すべきだ」と指摘し、「従来からの利用者は、病院や介護施設、美容院などサービス業で、休日出勤が必要な職場で働く方であり、誰でも休日保育料なしで利用できるようにすべき」と強く求めました。局長は「利用者間の公平性を図る観点から、従来の枠組みの中で対応」し「利用料を取る」と答えました。
岡田議員は「休日保育を希望してもなかなか利用できず、園によっては7~8人の待機児がいたり、断られる。公立保育園での実施がゼロから4か所に拡大したことは大きな前進。10月以降も休日保育を続けよ」と求めました。市は「ニーズや全市的なバランス等を踏まえて検討する」と答えました。
■保育所待機児童の解消を
今年4月1日の保育所待機児童数は前年同期から677人増え、1275人と全国ワースト1となりました。待機児童が増加している背景は、勤労世帯の所得が減っている事にあり、東日本大震災後はさらに潜在的保育需要が増えています。待機児対策の入所枠拡大で定員の125%も詰め込むのは安全な方法とはいえません。岡田議員は「認可保育園を抜本的に増やすことが基本。どのように解消するのか」とただしました。市は「民間保育所の新設整備、賃貸物件の活用など、様々な工夫で取り組む」と答えました。
名古屋市の民間園と公立園は、保育園同士の交流や学習などを通じて支え合いで、名古屋市の保育を向上させてきた素晴らしい歴史があります。ところが名古屋市は公立保育園を民間に移管してきました。岡田議員は「公立保育園の廃止、民間移管という計画は撤回せよ」「社会福祉法人などが開設しやすいよう市有地を積極的に活用せよ」と求めました。市は「民間移管は建設費や運営費に国の補助金等が活用できる。市有地の活用は検討している」と答えました。
■利用しやすい介護保険に――要支援の人のサービスを削るな
介護保険法が大きく変更され、要支援と認定された場合に、市町村の判断で介護保険給付を受けられる人と保険からはずされる人が生まれます。「介護予防・日常生活支援総合事業」を、市町村が導入すると、介護保険サービスの対象にするかどうかを自治体が決め、保険サービスを縮小することは、予防どころか、要介護状態を増やしかねません。岡田議員は「総合事業は導入せず、要支援と認定された高齢者には全て介護保険サービスを続けよ」と求めました。局長は「サービス低下を招かないよう被保険者の立場に立った施策の方向性を見極めたい」と答えました。
介護保険財政は、この10年、毎年黒字で、2005年は施設入所にかかる居室費、食費が一部自己負担となり、翌年は、予防給付が開始され、ベッドなどの福祉用具の貸しはがし、軽度者のサービス利用範囲の縮小などが行われた結果、介護給付費準備基金残高は、2006年12億、2007年17億、2008年40億、2009年50億円と増え続けました。岡田議員は「計画的に基金を取り崩すなどして保険料を下げよ」と求めました。局長は「適正な保険料の設定に努めたい」と答えました。
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