被災企業等の二重債務解決に関する意見書

東日本大震災からの復興に当たっては地元企業などの事業再建が欠かせない。

岩手・宮城・福島3県に本店を置く信用金庫・信用組合・地方銀行の中小企業向け貸し出し残高は数兆円に上ると見られている。多くの企業や事業者が、融資を受けて設備投資してきた工場、機械、店舗、船舶などを失い、借入金だけが残されている。これらの企業等が事業再生のために新たな融資を受けると、既存の借入金との二重債務を負うことになり、このことが事業再生の大きな足かせとなっている。

被災地域の産業振興のためには、この二重債務問題を国の責任で解決することが不可欠である。そのために、国が震災復興を支援する機構をつくり、既存債務を金融機関から買い取って被災企業から債務の重荷を取り除き、返済は事業が再生した将来段階に行う、金融機関は債務を売却した資金を被災企業への新規融資に充てる、というのも一つの方法である。

マイナスからでなくせめてゼロからのスタートを、というのが被災地の企業・事業者の声であり、地元企業の事業再生は、被災地の経済的自立や雇用の維持・創出のためにも急務である。

よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、被災企業の債務を凍結・減免し金融機関による長期・低利の融資を可能にする枠組みをつくるなど、二重債務問題を速やかに解決するよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成23年7月11日
名 古 屋 市 会

※日本共産党が提案し、ほぼ原案通り可決成立しました。

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