6月議会を終えて(声明)

2011年7月11日
日本共産党名古屋市会議員団

◆ 本日、一般会計補正予算など補正予算3件、条例案4件、一般案件1件、人事案件4件の12件の議案と8本の意見書を可決し6月定例市会が閉会しました。日本共産党名古屋市会議員団は、名古屋市障害者自立支援法施行条例及び名古屋市総合リハビリテーション条例の一部改正や、平成23年度名古屋市公債特別会計補正予算など7件には賛成し、中京独立戦略本部の運営やリニア中央新幹線開業に向けた都市機能検討調査を含む「一般会計補正予算」には反対、人事案件では、人事委員会の委員選任には反対、それ以外の固定資産評価審査委員会委員、人権擁護委員、農業委員について賛成しました。

◆ 自民、公明、民主は、中京独立戦略本部の運営について「市民にとっての具体的なメリットが明らかになっていない」と附帯決議をあげながら結局賛成し、地域委員会のモデル実施に関する議論と検証の場を保障する市民意見交換会の予算を削除する一般会計補正予算の修正案を提出しました。田口議員が一般会計補正予算に対する反対討論にたち、中京都構想の狙いを「大企業の国際競争力の強化のために、巨大インフラ整備に集中投資する体制づくりであり、従来からの大型開発事業を新たな装いで推進する」と指摘し、日本共産党は一般会計補正予算の原案にも、自民、公明、民主の修正案にも反対であることを明らかにしました。

◆ 減税日本ナゴヤの元団長のりたけ前市議が議員辞職したことから、議会改革が改めて焦点となりました。日本共産党市議団は、山口議員が個人質問で、のりたけ前市議が、費用弁償の受け取り拒否と公約しながら、実際には供託をおろし借金の返済や選挙費用にあてていた問題で、減税日本代表である河村市長の政治責任を追及しました。河村市長は「私的に使ったと聞いたのは6月1日」と、責任を回避しようとしましたが、山口議員の再質問によって、供託をやめて金をおろしたのを知ったのは1月12日であることを初めて明らかにしました。出直し市議選の前どころか、住民投票以前から、のりたけ前市議が費用弁償を受け取っていたことを市長自らが知っていたことが明らかとなりました。日本共産党市議団は「談話」を公表し(6/28)、議長の発言(中村議長が、のりたけ氏が実態と異なる領収書を使って政務調査費を受け取った行為を「問題ない」と記者会見で発言したこと)は重大な問題としつつも、今は議会改革を前進させることが重要で、日本共産党市議団は議会の主導権争い、政争にくみするものではないこと、議会への信頼を取り戻すため、政務調査費の使途基準のさらなる適正化・透明化を提案しました。また、日本共産党市議団の引退議員は、受け取りを拒否してきた費用弁償を寄付することも明確にしました。

◆ 山口議員と岡田議員が個人質問にたちました。山口議員は、のりたけ問題とともに、中京都構想と地震・津波への備えの問題で質問しました。岡田議員は、トヨタ等が節電対策と称して土日操業をはじめることに伴う休日保育の問題、全国一となった保育所待機児童解消と介護保険について質問しました。

◆ 6月議会では特別委員会の設置が決まりました。日本共産党は、防災・災害対策特別委員会にわしの恵子議員、公社対策特別委員会に田口一登議員、都市活力向上特別委員会に山口清明議員、大都市・行財政制度特別委員会に岡田ゆき子議員、環境・エネルギー問題対策特別委員会にさはしあこ議員が、それぞれ決まりました。

◆ 意見書では、日本共産党市議団は「被災企業等の二重債務解決」「今後の電力需給対策」「名古屋港高潮防潮堤の耐震補強」の3案を提出し、一本化などの修正を経てすべてが成立しました。その他、「被災者の生活再建に配慮した応急仮設住宅の確保等」「震災からの復興に向けた補正予算の早期編成」「意見書等に対する誠実な処理」「震災対策の積極的な推進」「食肉の生食等による食中毒防止対策」の計8本の意見書が全会一致で可決成立しました。

◆ 国保料の引き下げを求める請願について、さはしあこ議員が「市民の願いにこたえて採択を」と討論を行いました。請願は減税、自民、公明、民主が反対して不採択となりました。

◆ 議会中に「原発撤退」に向けて、日本共産党市議団と河村市長とが懇談しました(7/7)。「原発からのすみやかな撤退、自然エネルギーの本格的導入を」(提言)と、「『科学の目』で原発災害を考える」パンフの内容で懇談し、市長が議会で「原発が安全ということはありえない」「浜岡、敦賀、もんじゅについて、安全性を調査する」と発言したことを評価し、原発からの撤退に向けて力を合わせようと呼びかけました。河村市長は「共産党はよく勉強している」「以前から脱原発」と述べ、「早く北陸に行き、関係自治体との意見交換する」と表明しました。

◆ 議会閉会にあたり、①補正予算が修正されたこと、②中京独立戦略本部運営予算に附帯決議がつけられたことを理由に、河村市長が再議を検討していると発言した問題で、名古屋市会の全会派団長は、6月補正予算に関する申し入れを行い、再議を行わないよう求めました。市長は、再議を行わず、ただちに臨時会を招集する考えを明らかにしました。

◆ 日本共産党市議団は、東日本大災害、原発事故という国難のもと、市民のみなさんと力を合わせ、被災地の一日も早い復興、原発事故の収束と原発からのすみやかな撤退、自然エネルギーの本格的導入へ全力をあげます。また、名古屋市の市政が、人間が大切にされる福祉・防災最優先の市政に転換するよう全力をつくします。

以上