後期高齢者議会 決算認定案の反対討論 (2011年8月26日)
値上げ抑制の努力は不十分
【田口議員】平成22年度特別会計決算の認定に対して反対の立場から討論を行います。
反対する理由は、後期高齢者医療制度の廃止が先送りされ、22年度からの保険料値上げが行われたからであります。
後期高齢者医療の保険料は、高齢者の人口と医療給付費の増加に応じて2年ごとに値上げが繰り返される仕組みになっています。22年度からの保険料改定では、剰余金の活用や財政安定化基金の積み増しと取り崩しなどによって、当初の試算よりも値上げ幅が抑制されたとはいえ、年金が目減りする一方の高齢者に負担増を強いました。財政安定化基金をさらに取り崩せば、低所得者だけでも保険料を据え置くことは可能だったと考えます。
そもそも後期高齢者医療制度は、医療費のかかる75歳以上の人だけを切り離して別勘定にし、医療費が増えれば増えるほど負担が増える痛みを自覚させるところに根本的な問題があります。そのことが国民の怒りを広げ、制度の廃止を求める世論が高まりましたが、政府は、公約に反して制度の廃止を先送りしたばかりか、「新制度」案なるものも、75歳以上を形式だけは国保や健保に戻しつつ、引き続き現役世代とは別勘定にするものとなっています。
「国民を年齢で差別する仕組み」の根をきっぱりと断たなければ、誰もが安心してかかれる医療制度を実現することはできません。後期高齢者医療制度は即時廃止し、老人保健制度に戻した上で、国庫負担を抜本的に増額することを求めます。
以上で、反対討論を終わります。