来年度予算で重点要求
9月20日、日本共産党名古屋市議団は2012年度予算編成に向けた重点要求を河村たかし市長に提出しました。
3月11日の東日本大震災の発生と東京電力福島第一原発の重大事故をふまえ、名古屋市に防災対策のいっそうの強化など新たな対応を求めました。
生活保護受給者数は過去最多状態、国民健康保険料滞納世帯数は7万世帯、特別養護老人ホームの入所待機者は6千人、保育所入所待機児童数も1千人を超え、地域経済の主役である中小企業・自営業者は、倒産・廃業が相次ぎ、雇用は脅かされ、労働者の賃金も抑制されています。それなのに、民主党野田新内閣は「社会保障と税の一体改革」と称して消費税増税を狙っています。
いまこそ、国民・市民のくらしと人権を守り、憲法と地方自治法の精神に立つ「福祉と防災のまちづくり」が必要と、河村市長に求めました。
市政改革について特に項目を設け、金持ち・大企業減税の「河村減税」をやめて、福祉の充実や防災対策、被災地支援などに対応できたこと、減税財源で「行財政改革」が加速され「名古屋版事業仕分け」として「敬老パス」や「30人学級」「保育料」を見直し、市民サービスを削減することはやめるように求めました。
市長の「減税」や「中京都構想」は形を変えた大企業支援です。時代おくれのやり方をやめ、くらしに困っている市民のふところを直接あたためる政治、福祉と防災のまちづくりをすすめるよう強く求めました。
要望書の全文はこちらをご覧ください。
■重点要求の主な項目
(1)福祉・医療・介護・保育・教育の充実で市民生活を守る
敬老パスを守り拡充、国民健康保険料の引き下げ、介護保険料の減免、医療費無料化の拡大、市立病院の充実、保育所入所待機児童の解消、30人以下学級の拡大、障害者福祉の充実など。
(2)脱原発、防災と環境を重視し、市民の安全、未来への責任を果たす
「原発さよなら名古屋市宣言」、放射線量測定体制の強化、防波堤、水門などの補強改修、福祉避難所の拡大、住宅耐震改修助成制度などのほか、地球温暖化対策条例の策定、おひさま0円システムの導入、市バス路線の拡充、自然生態系の保全、大気汚染被害者への医療費助成制度など
(3)内需拡大型の成長戦略に転換し、雇用拡大と中小企業の活性化をはかる
中小企業全事業所調査、住宅リフォーム助成制度、中小企業向け官公需発注比率の引き上げ、リース料などの固定費補助制度、公契約条例の制定、雇用対策の強化など
市政改革 市政運営の基本姿勢について
(1)大企業支援のための減税と中京都構想はきっぱり断念する
「市民税減税」、中京都構想、木造天守閣の復元、中部空港二本目滑走路の建設、名古屋港の巨大水深バースなど、不要不急の大型事業は行わない。
(2)住民自治の拡充を 地域委員会を福祉切捨ての受け皿にしない
学区ごとの地域懇談会を開催し、市民的議論を深める。保育・福祉施設などの最低基準を緩和しない。ナショナルミニマムの厳守を。市立施設の廃止・民営化や指定管理者導入、ごみ収集や市バス営業所などの民間委託は行わない。
(3)憲法の精神を市政運営と議会改革に活かす
議会基本条例を尊重する。慣例的な議員の海外視察は予算化しない。市長による議会運営への介入は慎む。常設型の住民投票条例を制定する。非核名古屋都市宣言を。侵略戦争と植民地支配への真摯な反省を前提に友好都市交流をすすめる。
キーワード:福祉・介護・医療、子どもと教育、雇用と地域経済・中小企業、環境と防災、まちづくり、大型開発・ムダ遣い見直し、平和と人権、市民生活、税、地方自治体と住民参加、議会改革