これでいいのか「事業仕分け」?! 敬老パス「見直し」

名古屋市は10月21日~23日、市民に判定を委ねる「事業仕分け」を行いました。

判定結果は、敬老パスが「見直し」、保育料や30人学級が「継続」など、「継続4」「見直し17」「廃止を含む見直し4」「廃止6」という結果でした。

■利用者の声も聞かない乱暴なやり方

仕分けは、市が選定したコーディネーターと有識者(4~5人)の議論を、無作為抽出で選ばれた市民20人(欠席があり実際は17~18人)が判定しました。

論点はもっぱら、市の事業は「ムダばかり」を前提に、「官はだめ」「民間ならいい」という議論で、財政負担のことばかり。有識者の質問も事業の内容を具体的に知らないもので、利用者の声も無視されたものでした。

■経費削減しか念頭になし

しかも、議論のほとんどはすでに何年も議会で繰り返し議論されてきたことばかりです。「生活衛生センター」でも、なぜ必要かがじっくり議論され、運営の仕方に工夫がいるなどの意見も出ていたもので、仕分け議論もその範囲を超えていません。

しかも、公募された数千通に及ぶ市民意見は結局発表されませんでした。利用者や市民の意見をもっと生かして議論を深めるべきではないでしょうか。

■減税で財源不足363億円

議会では、「減税より先に景気回復、災害害対策を」「巨額のムダを見直して、必要な施設は工夫して運営を」という議論が行われていますが、仕分けは、「廃止」か「見直し」かを問うだけでした。

減税すると来年度は363億円の収支不足になります。その穴埋めに敬老パスや市民サービスを切り捨てることは許されません。暮らしを守るために引き続き頑張ります。

【傍聴者の声】

仕分けの対象となった「敬老パス」の議論を聞くと無責任な議論が浮き彫りです。「利用率が低い」と事業の効果に疑問を出していましたが、有料化で交付数が減ったのにおかしな議論です。「高齢者の社会参加を促進」に大きな効果を発揮しています。自動車利用を抑制しで温暖化防止にも効果があります。経済効果を考えれば、敬老パスの多重的効果をもっと見極めるべきです。

▼「事業仕分け」の結果

区分 事業名
廃止(6) 高年大学鯱城学園、野外学習センター、ランの館、女性会館、子育て支援手当、生活衛生センター
廃止を含む見直し(4) 休養温泉ホーム松ケ島、男女平等参画推進センター、民間木造住宅の耐震化、路上禁煙対策
見直し(17) 敬老パス、生涯学習センター、スクールランチ、防火管理者講習、ヘリコプター、建築受託工事の管理、市営住宅駐車場、ジロング市交流、留学生支援金、東山荘、区役所のフロアサービス、区政運営、公用地先行取得、中央看護学校、家庭系生ごみ資源化、木曾三川負担金、みどりが丘公園
継続(4) 公立保育所の運営、30人学級、ひとり親家庭手当、産業立地促進助成

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